けさ 袈裟 梵語カシャーヤ (kaṣāya)、 またはカーシャーヤ (kāṣāya) の音訳。 僧侶が着用する衣類の一つ。 さとりの世界にいたる標識として尊ばれ、 「序分義」 には 「比丘の三衣はすなはちこれ三世の諸仏の幢相なり」 とあり、 また ¬口伝鈔¼ 第6条には 「袈裟はこれ、 三世諸仏解脱幢相の霊服なり」 とあって、 その功徳が示されている。 もとは、 釈尊在世当時から出家者の衣類で、 使い古しの布を集めて作ったことから糞掃ふんぞうともいい、 また、 鮮やかさや美しさのない濁った色に染められたので染色せんじきじきなどともいう。 長短の布を縫い合わせてできた条を五条から二十五条につないで仕立てた。 仏教が中国・日本に伝わると、 寒さを防ぐため、 衣の上に着用するようになり、 装飾化が進んだ。 本願寺派では、 じょう以上は用いず、 しちじょう袈裟五条袈裟輪袈裟などを用いる。 →三衣一鉢