じょうどしゅう 浄土宗 ❶往生浄土を宗義とする法門。 往生浄土宗ともいう。 法然は自力修行の成仏を説く聖道門に対し、 阿弥陀仏の選択本願による他力救済を宗とする往生浄土の法門があることを明らかにし、 これを浄土宗と名づけて独立させた。 聖浄二門判を教判とし、 浄土三部経と天親の ¬浄土論¼ を所依の経論とする。 また、 親鸞は浄土宗の真実義を開顕するため、 この法門を特に浄土真宗とも呼んだ。 ❷法然を宗祖とする宗派。 法然の ¬選択集¼ を立教開宗の書とし、 選択本願の立場から専修念仏一行による往生を説く。 法然門弟により浄土五流などが形成された。 このうち、 弁長を祖とする鎮西流が特に広まり、 聖冏が出て教学が整備され、 江戸時代には幕府の保護をうけて栄えた。 現在では知恩院を総本山として浄土宗と称している。 また証空を祖とする西山流は京都を中心に広まり、 現在は三派に分かれている。