じごく 地獄 梵語ナラカ(naraka)、 またはニラヤ(niraya)の意訳。 ナラカは那な落迦らか・奈な落らく・捺落、 ニラヤは泥ない囉夜らや・泥ない黎耶りや・泥ない梨り (犁) と音訳する。 三悪趣・五趣・六道・十界の一。 自らの罪業の結果として衆生が趣く苦しみのきわまった世界。 閻えん浮ぶ提だいの地下にあるとされる。 経論によって種々に説かれるが、 ¬倶舎論¼ 等では、 八熱地獄 (八大地獄)・八寒地獄・孤地獄 (独一地獄・辺地獄) などが説かれ、 ¬往生要集¼ には、 主に八熱地獄とそれに付属する別処について述べられている。