いっしんごねん 一心五念 天親てんじんの ¬浄土論¼ において、 じゅに 「世尊、 われ一心に尽十方無礙光如来に帰命したてまつりて、 安楽国に生ぜんと願ず」 とある一心と、 じょうごうに説かれる五念門との関係をあらわす名目。 浄土真宗では、 体具の五念・相発そうほつの五念の二つの見方をする。 ①体具の五念。 一心の中に阿弥陀仏が修した五念門の功徳がそなわっていることをいう。 五念門を修するのと同様の自利利他の功徳がそなわっている一心こそ往生しょういんとされる。 ¬二門偈¼ には 「願力成就を五念と名づく」 とある。 ②相発の五念。 一心を得たものには、 信心相続のすがたとして五念門の相があらわれでてくることをいう。