ごんけほうべん 権化方便 真実の法に入らしめるために仮に設けた法門のこと。 権仮・権方便・権門などともいう。 方便の願、 方便の行信、 方便化身土などといわれる場合の 「方便」 がこれに相当する。 一度真実に入ったならば不要となり廃されるため暫用還廃 (暫く用いて還りて廃す) の法ともいわれる。 「化身土巻」 には 「この願の行信によりて、 浄土の要門、 方便権仮を顕開す」、 ¬浄土和讃¼ には 「聖道権仮の方便に 衆生ひさしくとどまりて 諸有に流転の身とぞなる 悲願の一乗帰命せよ」 などとある。 →方便。