げんしょうじっしゅのやく 現生十種の益 他力信心の行者が現在の世で得る10種の利益のこと。 ①冥衆護持の益 (諸天善神などの見えない存在にいつも護られること)、 ②至徳具足の益 (名号にこめれられたこの上ない尊い徳が身にそなわること)、 ③転悪成善の益 (罪悪が転じて善となること)、 ④諸仏護念の益 (諸仏に護られること)、 ⑤諸仏称讃の益 (諸仏にほめたたえられること)、 ⑥心光常護の益 (阿弥陀仏の光明に摂め取られて常に護られること)、 ⑦心多歓喜の益 (心にはよろこびが多いこと)、 ⑧知恩報徳の益 (如来の恩を知り、 その徳に報謝すること)、 ⑨常行大悲の益 (常に如来の大いなる慈悲を広めること)、 ⑩入正定聚の益 (正定聚に入ること) の十。 「信巻」 には 「金剛の真心を獲得すれば、 横に五趣八難の道を超え、 かならず現生に十種の益を獲」 とある。