観経等に依って般舟三昧行道を明かす往生讃 一巻

比丘僧善導撰す

 

【1】 ^謹んで、 すべての往生をねがう*どうぎょうたちに申す。 われらは大いに*ざんせねばならぬ。 *しゃ如来にょらいは実にこれ慈悲のみ親である。 いろいろのてだてをもって、 わたしたちに*りきの信心をおこさせてくださる。

 ^また、 いろいろの*方便ほうべんを説かれ、 その教えが一つでないのは、 ただわれら迷える*ぼんのためである。 もし、 よくその教えによって修行すれば、 いずれの教門でも仏を見たてまつり、 浄土に往生することができるであろう。

 ^もし、 善を行ずる人を聞見したならば、 すなわちその善をもってこれを助けよ。 もし、 教えを行ずる人があるのを聞見したなら、 これを讃めよ。 もし人が行を説くのを聞いたならば、 その行によってこれに順え。 もし、 人のさとりあることを聞いたならば、 そのさとりについてこれを喜べ。

 ^どういうわけでそうするのかといえば、 みな同じく諸仏をもって師匠とし、 仏法をもって母としてそだてられ、 同じようにこころ親しくしてうとんずべきものではないからである。 他の人の有縁の教行を軽んじそしり、 自分の有縁の要法を讃めてはならない。 すなわちそれは自分から諸仏の法眼みのりをお互いに破壊することになるのである。 法眼がすでに滅んでしまうとさとりの道をみ歩むてだてがない。 したがって浄土の法門にも、 どうして入ることができようか。

 ^しょうたんしていう。

迷いのものは悪業にまかせて走り

その造った業によって深坑に堕ちる

この*貪欲とんよく*しんの火をほしいままにすれば

自らを損ない また他の人を損なって

とこしえに無明まよいの海に沈み

盲亀が浮べる木に遇うような仏縁はとこしえにない

 ^行者たちは、 必ず一切の凡夫や*しょうじゃの境界の上において、 常に讃嘆し信順するこころを起して、 是非よしあしとか慊恨きらいうらみの心を起してはならない。 ^なぜそうかといえば、 自分のしん*三業さんごうを守るためである。 もし不善の業が起ったならば、 おそらくはまたこれ迷いに流転することは前と異ならないであろう。 ^もし自分や他人の上に三業を守って、 よく清浄にするならば、 すなわちそれが浄土に生れる正因である。

 ^問うていう。 すでに三業の清浄なのは、 これが浄土に生れる正因であるというならば、 いかように行業をつとめるのを清浄というのか。

 ^答えていう。 一切の善くないことは、 自分や他人の身口意の三業において、 すべて断ち切って行わないのを、 これを清浄と名づける。 また自分や他人の身口意の三業に相応するところの善について、 上上の*ずいの心を起すことは、 諸仏・菩薩がたがなされるように自分もまたそのように随喜する。 この*善根ぜんごんを回向して浄土に生れようとする。 ゆえにこれを正因と名づけるのである。

 ^また浄土に生れようとするならば、 必ず自分も励み、 また他人をも勧めて広く浄土の*ほう*しょうぼうの荘厳のありさまを讃嘆すべきである。 また浄土に生れるいわれや、 この*しゃ世界を出る次第を知らねばならない。 すべての心ある人々は、 よく知るべきである。

【2】 ^また問うていう。 般舟三昧楽とは、 これはどういう意味であるか。

 ^答えていう。 梵語で般舟といい、 こちら (中国) では翻訳して常行道という。 あるいは七日、 または九十日など、 たえまなく身に行ずることを総じて三業*けんという。 ゆえに般舟と名づけるのである。 また*三昧さんまいというのは、 これも印度の言葉で、 こちらでは翻訳して定と名づける。 前の三業のたえまなき行によって、 心が三昧の境に至って、 仏の境界が現れるのを感ずる。 正しく仏の境界が現われる時に、 身も心もよろこぶ。 ゆえに楽と名づけるのである。 ^また 「立ちながら常に諸仏を見たてまつる」 と名づけるのである。 よく知るべきである。

【3】 ^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

*三界さんがい*六道ろくどうは苦しくてとどまり難い 楽しみ無量の

*曠劫こうごうよりこのかた常に没んで来た せんことを 願わくは往生

どこへ行ってもただ生死まよいの声のみを聞く 楽しみ無量の

釈迦如来の真の*ほうは せんことを 願わくは往生

清浄に荘厳せられた*しょうしょうごんこくがこれである 楽しみ無量の

娑婆を*さいせんがために*しんをあらわして入り せんことを 願わくは往生

*八相はっそうじょうどうのすがたを示して*しゅじょうを済度された 楽しみ無量の

^あるいは*にん*てん*しょうもん*縁覚えんがくの法を説かれ せんことを 願わくは往生

あるいは菩薩のさとりの因を説かれた 楽しみ無量の

あるいは*ぜんぎょうあるいは*とんぎょうを説いて*くうを明かし せんことを 願わくは往生

人・法二つの*けんのさわりを除かせられる 楽しみ無量の

*こんさとい者はみな益を受けるが せんことを 願わくは往生

鈍根無智なものは悟りがたい 楽しみ無量の

¬*さつ瓔珞ようらくきょう¼ の中には漸教が説かれ せんことを 願わくは往生

一万劫の間修行して*退たいくらいをさとるとある 楽しみ無量の

^¬*かんりょう寿じゅきょう¼ や ¬*弥陀みだきょう¼ などに説かれている法は せんことを 願わくは往生

すなわちこれ頓速とんそくさとりを開く教えであり仏になるべき法である 楽しみ無量の

^一日あるいは七日専ら仏名を称えるならば せんことを 願わくは往生

命が終ってすみやかに*安楽あんらくこくに生れる 楽しみ無量の

一たび*阿弥陀あみだぶつの浄土に入るならば せんことを 願わくは往生

すなわち不退を得て*しょう法忍ぼうにんをさとる 楽しみ無量の

一万*こうの間修行の功を積むことは実に続けがたい せんことを 願わくは往生

しばらくの間にも多くの*煩悩ぼんのうがまじわりおこる 楽しみ無量の

もしこの娑婆で無生法忍をさとることを待てば せんことを 願わくは往生

六道を回って*ごうしゃほどの劫を経てもまだ期しがたい 楽しみ無量の

貪欲・瞋恚はすなわちこれ迷いをへめぐる業である せんことを 願わくは往生

煩悩がどうして無生法忍を得る因となろうか 楽しみ無量の

この貪欲・瞋恚に焼かれる苦しみをしらべるならば せんことを 願わくは往生

走って弥陀の浄土に生れるにしくはない 楽しみ無量の

【4】 ^弥陀が*いん発心ほっしんされた時 せんことを 願わくは往生

すみやかに王位を捨てて*だいを求められた 楽しみ無量の

*ざい王仏おうぶつのところで髪をおろし せんことを 願わくは往生

家を出でて道をおさめ*法蔵ほうぞうさつと名づけられた 楽しみ無量の

ここにおいて四十八願を起され せんことを 願わくは往生

一々の*誓願せいがんはみな衆生のためである 楽しみ無量の

多くの宝でかざって*極楽ごくらくと名づけ せんことを 願わくは往生

広く平らかに限量なからしめよう 楽しみ無量の

われさとりを得てその中央に坐し せんことを 願わくは往生

未来際をつくして衆生を済度しよう 楽しみ無量の

身相の*こうみょうは十方世界を照らし せんことを 願わくは往生

光の至るところはみなその利益をこうむる 楽しみ無量の

一々の光明は絶えず照らして せんことを 願わくは往生

念仏往生の人を求めて照らす 楽しみ無量の

十方諸仏の国に比べて考えるならば せんことを 願わくは往生

極楽は身を安んずることまことにすぐれたところである 楽しみ無量の

【5】 ^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

釈迦如来は慈悲のお心深くまします 楽しみ無量の

本師釈迦仏はあらゆる行を修して せんことを 願わくは往生

長きにわたって衆生を救われる 楽しみ無量の

すべての仏たちが衆生のために方便を設けたもうことは せんことを 願わくは往生

またこの世界に出られた釈迦仏と同様である 楽しみ無量の

^衆生の根機に随って法を説かれ みな利益をこうむり せんことを 願わくは往生

おのおのりょうを得て*真門しんもんに入る 楽しみ無量の

法門分れて八万四千となるものは せんことを 願わくは往生

迷いの因果を滅するためである 楽しみ無量の

利剣はすなわち弥陀如来の*みょうごうである せんことを 願わくは往生

わずか一声称えるところに罪はみな除かれる 楽しみ無量の

【6】 ^釈迦如来が因位に菩薩の行を修せられた時 せんことを 願わくは往生

すみやかに身も財産も捨てて妙法を求められた 楽しみ無量の

長時長劫のあいだ せんことを 願わくは往生

仏の御言葉に随って誓って修行され 楽しみ無量の

念々の間に*ろっ波羅ぱらみつの行を修し せんことを 願わくは往生

*りょうしんをもって衆生を*やくされた 楽しみ無量の

三業に専らたえまなき行をおさめ せんことを 願わくは往生

誓って無上菩提のさとりを開かれた 楽しみ無量の

無上のさとりを開かれて せんことを 願わくは往生

身を百億に分けて衆生を済度された 楽しみ無量の

仏は一つの音声こえで説かれるのに衆生は機に随って悟り せんことを 願わくは往生

おのおの悟りによって*真如しんにょの根元に至る 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

釈迦如来の教えに随え 楽しみ無量の

【7】 ^仏教は別れて八万四千の法門となっている せんことを 願わくは往生

これはまさしく衆生の根機に差別があるからである 楽しみ無量の

わが身を託す常住の処を得たいと思うなら せんことを 願わくは往生

まず要行を求めて真門に入れ 楽しみ無量の

^*しょうどうもん*によって種々異なる法を説くのを漸教という せんことを 願わくは往生

一万劫の修行をして*しょうの位をさとる 楽しみ無量の

この世で命の終るまで専ら念仏せよ せんことを 願わくは往生

命が終ればたちまちに仏が迎えて連れて行かれる 楽しみ無量の

一たび食事をする間にもなお煩悩がまじわる せんことを 願わくは往生

どうして一万劫の間も貪瞋の心を起さずにおられようか 楽しみ無量の

貪欲・瞋恚は人天の果報を得ることをさまたげ せんことを 願わくは往生

*ごく*餓鬼がき*ちくしょう*しゅの世界に身を置くものである 楽しみ無量の

^弥陀の*あんにょうじょうに到ろうとおもうならば せんことを 願わくは往生

念仏や戒行を必ず回向すべきである 楽しみ無量の

戒行を専らにつとめるなら諸仏はこれを讃めたまい せんことを 願わくは往生

臨終にはちすうてなをもって自ら*来迎らいこうしたもう 楽しみ無量の

一念のうちに仏の*会座えざに入り せんことを 願わくは往生

三界六道は永くその名も除かれる 楽しみ無量の

*さんみょう六通ろくつうみな自在を得て せんことを 願わくは往生

遂に退転せずして*無為むいをさとる 楽しみ無量の

*行住ぎょうじゅう座臥ざがにいつも仏を見たてまつり せんことを 願わくは往生

手に香や華を持って常に供養したてまつる 楽しみ無量の

一念一時も大衆と共に聴いて せんことを 願わくは往生

百千の*三昧さんまいがおのずから成就する 楽しみ無量の

すべての時に常に*じょうに入り せんことを 願わくは往生

その定の中にあって みのりを聞いてさとりを得る 楽しみ無量の

百宝よりできた荘厳はおもいに随って現れ せんことを 願わくは往生

とこしえに供養して仏の慈恩を報ずる 楽しみ無量の

久しき間の多くの悪業は智によって滅し せんことを 願わくは往生

いつの間にか自然にさとりの門に入る 楽しみ無量の

大小恒河沙劫の長い間も せんことを 願わくは往生

また指をはじくようなわずかの間である 楽しみ無量の

このようにしょうようとしてらくの浄土であるのに せんことを 願わくは往生

さらに何事を貪って浄土を求めないのであろうか 楽しみ無量の

^たとい千年の間*よくの楽しみをうけても せんことを 願わくは往生

地獄の苦しみを受ける因縁を増すばかりであって 楽しみ無量の

貪欲・瞋恚などの*じゅうあくがあいついで起る せんことを 願わくは往生

どうしてこれが迷いを出るさとりの因となろうか 楽しみ無量の

*さんを畏れないで多くの罪を造り せんことを 願わくは往生

*三宝さんぼうを破滅して永く迷いに沈むであろう 楽しみ無量の

父母に孝養を尽さずわが眷属を罵り せんことを 願わくは往生

地獄に堕ちて逃れる時がないであろう 楽しみ無量の

曠劫よりこのかた苦海に沈み せんことを 願わくは往生

西方浄土に入るみのりをいまだかつて聞かない 楽しみ無量の

たとい人身を得たとしても多く障りがあって せんことを 願わくは往生

仏の教えを受けつけず かえって疑いを生ずる 楽しみ無量の

六方の如来は深い慈悲をもって せんことを 願わくは往生

心を同じくしてみな西方往生を勧められる 楽しみ無量の

^長く病んだり遠くへ行ったりして日をはかられぬから せんことを 願わくは往生

念仏するにいとまがないという 楽しみ無量の

このような人は済度しがたい せんことを 願わくは往生

*みょうにとざされて まさに長い迷いの中に眠るであろう 楽しみ無量の

【8】 ^専ら ¬阿弥陀経¼・¬観無量寿経¼ の法を読むがよい せんことを 願わくは往生

文々句々に西方浄土のことが説かれている 楽しみ無量の

^地下の宝幢ほうどう宝幢は無億数である せんことを 願わくは往生

ほうりょうは具足してことごとく光り輝いている 楽しみ無量の

万億の宝の珠は互いに映りあい せんことを 願わくは往生

おのおのすぐれたありさまを現す 楽しみ無量の

上の衆宝荘厳の地を照らし せんことを 願わくは往生

いろいろな色をまじえて百千の日よりも過ぎている 楽しみ無量の

^自身の光明は紫金色で せんことを 願わくは往生

足は地面をんでしずかに行く 楽しみ無量の

この無生宝国の浄土に生れることができるのは せんことを 願わくは往生

みなこれ阿弥陀仏の*願力がんりきのおかげである 楽しみ無量の

一切の時に妙なるみ法を聞き せんことを 願わくは往生

煩悩や罪障が起ることがない 楽しみ無量の

菩薩*ぜんしきを同学の友とし せんことを 願わくは往生

手を携え 互いにひきいて宝堂に入る 楽しみ無量の

念々のうちに法楽を受けて せんことを 願わくは往生

たちまちのうちに百千の法門をさとることができる 楽しみ無量の

^大衆よ 心を同じくしこの世界を厭え せんことを 願わくは往生

仏の願力に乗託すれば阿弥陀仏を見たてまつるであろう 楽しみ無量の

たちまち思量すれば心髄が痛む せんことを 願わくは往生

はかりなき昔よりいたずらに疲労して来たことよ 楽しみ無量の

この身に浄土の法を聞いたことを慶び せんことを 願わくは往生

身命を惜しまずしてつとめて西方浄土へ往生しよう 楽しみ無量の

西方浄土は無為の楽しみを受けるところで せんことを 願わくは往生

天上界や人間世界に比べるものがない 楽しみ無量の

*第六だいろくてんの勝れているのを億万倍しても せんことを 願わくは往生

西方浄土の人の一相にも及ばない 楽しみ無量の

*さんじゅうそうをそなえて神通が自在であり せんことを 願わくは往生

身の光はあまねく十方世界を照らす 楽しみ無量の

^世間の帝王より第六天に至るまで せんことを 願わくは往生

音楽が順次に勝れていることは億万重である 楽しみ無量の

浄土の宝林の枝が互いに触れあえば せんことを 願わくは往生

第六天の音楽はその一種にも及ばない 楽しみ無量の

時によって供養の香風が起り せんことを 願わくは往生

樹を払うと華が飛んで宝池に落ちる 楽しみ無量の

宝樹の華が飛んで*はっどくすいに浮かぶと せんことを 願わくは往生

^童子がこれを取りおわって船とする 楽しみ無量の

船に乗ってただちに蓮華の会座に入ると せんことを 願わくは往生

化仏・菩薩が衣を与えてせられる 楽しみ無量の

おのおのが香華をって仏のみ前に立ちて せんことを 願わくは往生

おもむろに遠くへ散らせば変じて雲となる 楽しみ無量の

宝の雲の荘厳はすなわち大地を覆うがいである せんことを 願わくは往生

そこで宝の果実このみを与え教えて食べさせる 楽しみ無量の

たまたま往生の善知識に遇って せんことを 願わくは往生

浄土や弥陀の名を聞くことができて 楽しみ無量の

仏の願力によって往生して互いに見ると せんことを 願わくは往生

常にこお国にどとまってまた娑婆に還る必要がない 楽しみ無量の

^法侶のりのなかまが互いに携えて宝の林に入ってると せんことを 願わくは往生

足の下より光を輝かすことは日月に超えすぐれている 楽しみ無量の

菩薩の集まる数は窮め尽すことができない せんことを 願わくは往生

おのおのの身光が互いに照らしあう 楽しみ無量の

新しく往生した人は紫金色に輝き せんことを 願わくは往生

もろもろの大衆と異なるところがない 楽しみ無量の

^あるいは宝楼に入って大衆の中に坐す せんことを 願わくは往生

大衆これを見てみな喜ぶ 楽しみ無量の

いろいろの荘厳ははかることができない せんことを 願わくは往生

内外互いにるにさまたげがない 楽しみ無量の

足をとどめるとしばらくの間に法の楽しみを受け せんことを 願わくは往生

三昧や無生法忍を自然にさとる 楽しみ無量の

【9】 ^地上の荘厳はいろいろの宝がまじっている せんことを 願わくは往生

いろいろな色の互いにまじわることが百千万である 楽しみ無量の

華台の宝座がいたるところに満ち せんことを 願わくは往生

思いのままに坐ると光が来たって照らす 楽しみ無量の

^百千の童子や菩薩がたが せんことを 願わくは往生

おのおの香華を捧げて池に臨んで看る 楽しみ無量の

あるいは坐りあるいは立って池やみぞの岸にいられる せんことを 願わくは往生

あるいはきざはしを尋ねて宝池に入る者もある 楽しみ無量の

あるいはいさごの上に立ち あるいは水が膝に至る せんことを 願わくは往生

あるいは腰のあたりを没しあるいは身に水をかけ注ぐ 楽しみ無量の

あるいは金の華や百宝の葉を取って せんことを 願わくは往生

岸の上にいて池を看る人に与える 楽しみ無量の

千万種の香華を受けて せんことを 願わくは往生

それらを阿弥陀仏の説法の会座の上に散らす 楽しみ無量の

^散らした華は華蓋と変じ せんことを 願わくは往生

自然の音楽がめぐること千重である 楽しみ無量の

宝鳥は声を連ねて清浄な音楽をかなで せんことを 願わくは往生

一切の見る人は大慈悲の心を起す 楽しみ無量の

わたしが今この浄土に来たのは仏の願力による せんことを 願わくは往生

同縁同行の人は何時いつここに来るであろうか 楽しみ無量の

あまねく閻浮このよ知識ともだちらに願う せんことを 願わくは往生

同行は互いに親しんで往生の願いを退転しないでほしい 楽しみ無量の

^専ら ¬阿弥陀経¼・¬観無量寿経¼ などを誦し せんことを 願わくは往生

仏を礼拝し観察してことごとく回向すべきである 楽しみ無量の

いつも相続してこれらの行をし せんことを 願わくは往生

死に至るまで専らつとめよ 楽しみ無量の

一たび弥陀の浄土に至るならば せんことを 願わくは往生

無上の楽しみを受けすなわち*はんである 楽しみ無量の

涅槃の荘厳かざりはいたるところに満ちている せんことを 願わくは往生

その色を見 香をかぐと罪障が除かれる 楽しみ無量の

空中に飛んで神通をあらわし せんことを 願わくは往生

浄土の不思議なことを讃歎する 楽しみ無量の

あるいは香華を散らして仏を供養し せんことを 願わくは往生

弥陀の慈恩を報ずる思いが尽きない 楽しみ無量の

釈迦如来のお力によらなかったならば せんことを 願わくは往生

弥陀の浄土のいわれをどうして聞くことができようか 楽しみ無量の

衆生の障りが尽きることを聞いてみな喜び せんことを 願わくは往生

すみやかにもろもろの悪を断って願うて往生を求めよ 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

誓って今生に仏の教えに順い 楽しみ無量の

行住坐臥に専ら念仏し せんことを 願わくは往生

一切の善業をあわせて回向せよ 楽しみ無量の

念々のうちにいつも*さんすれば せんことを 願わくは往生

臨終の時にすなわち金剛のうてなに上るであろう 楽しみ無量の

一切の時に西方を望んで礼拝し せんことを 願わくは往生

凡夫と仏との心があい向かうことを表せ 楽しみ無量の

仏は衆生の心の乱れることを知って せんことを 願わくは往生

ひとえに正念にして西方に心をかけることを教えられる 楽しみ無量の

弥陀の浄土の遠い近いを知らない せんことを 願わくは往生

仏は 「浄土は十万億土を超えている」 とのたもう 楽しみ無量の

道里みちのりは遠いといっても足で行くのではない せんことを 願わくは往生

わずか指をはじくほどの間に浄土の宝池に入る 楽しみ無量の

ただ嘆かわしいことは衆生が疑ってはならぬことを疑うことである せんことを 願わくは往生

浄土はわれらを待って拒むことはない 楽しみ無量の

阿弥陀仏がお救いくださるか否かをいうには及ばぬ せんことを 願わくは往生

ただ専ら心を向けるか向けないかにある 楽しみ無量の

ただ*しんし決定して浄土に向かえば せんことを 願わくは往生

臨終の時に華蓋がおのずから来たり迎える 楽しみ無量の

^仏に従い蓮華に乗じて宝国に入り せんことを 願わくは往生

もろもろの大衆を見て無生のさとりを得る 楽しみ無量の

一々の宝楼におもいのままに入る せんことを 願わくは往生

宝楼の内外の荘厳は知りつくすことができない 楽しみ無量の

鳥はよい声を出し菩薩は舞い せんことを 願わくは往生

童子は歓喜して神通をあらわす 楽しみ無量の

わが娑婆から往生した者のために せんことを 願わくは往生

種々供養してこれを喜ばせる 楽しみ無量の

仏は往生人をひきいて浄土を見せしめる せんことを 願わくは往生

到るところただこれ不思議である 楽しみ無量の

【10】^地上にも虚空にも聖者がち満ちており せんことを 願わくは往生

宝珠の羅網あみが自然に覆うている 楽しみ無量の

そよ風がこれを吹いて妙なる響きを出し せんことを 願わくは往生

その声の中にみな無為さとりのみ法を説いている 楽しみ無量の

浄土の樹を見 波の音を聞いて無生法忍をさとり せんことを 願わくは往生

童子は華を持ってとりかこみ これを讃嘆する 楽しみ無量の

弥陀のおそばに立って説法を聞き せんことを 願わくは往生

法楽ほうらくを楽しんで時劫ときのたつのを忘れる 楽しみ無量の

^浄土の菩薩たちに随って行くに せんことを 願わくは往生

すべてこれ無為涅槃界である 楽しみ無量の

一仏の国ではみな法を聞き せんことを 願わくは往生

他方世界に遊んでは供養を修する 楽しみ無量の

浄土にとどまろうと思えばわずか一度の食事でも千劫を超え せんことを 願わくは往生

わが娑婆の念仏の行者をおもう 楽しみ無量の

大地を微塵にくだいてもなお数限りがあるが せんことを 願わくは往生

十方の仏国は窮めることができない 楽しみ無量の

一々の仏土の荘厳がみな清浄であることは せんことを 願わくは往生

また極楽のようで異なるところがない 楽しみ無量の

一切の如来は見て歓喜せられ せんことを 願わくは往生

菩薩聖衆はひきいて遊び観せたもう 楽しみ無量の

あらゆる荘厳は極楽のごとく せんことを 願わくは往生

いろいろな神通をあらわすにさまたげがない 楽しみ無量の

地上にも虚空にも説法の声があまねく満ち せんことを 願わくは往生

その声を聞いてみなさとりを得る 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

念仏を相続して師恩を報ぜよ 楽しみ無量の

銭財を施して功徳を積んでも せんことを 願わくは往生

*戒律かいりつたもって貪欲・瞋恚を断つにしくはない 楽しみ無量の

あまねく衆生に教えて念仏せしめ せんことを 願わくは往生

自分や他人の功徳をあわせて回向せよ 楽しみ無量の

心をいて三昧を行ずるならば浄土に生れ せんことを 願わくは往生

独り三界を超えてわずらいのしばりから出る 楽しみ無量の

^臨終には仏の華台が至るのを見て せんことを 願わくは往生

たちまちに宝池の会座に入る 楽しみ無量の

蓮華の大衆はみな歓喜し せんことを 願わくは往生

清浄な衣を与えて意のままに着させる 楽しみ無量の

菩薩や声聞がひきいて仏を見させる せんことを 願わくは往生

一たび仏を礼拝すると無生をさとる 楽しみ無量の

阿弥陀仏がもろもろの仏弟子に告げていわれる せんことを 願わくは往生

「極楽と かの三界とはどのようであるか」 と 楽しみ無量の

新しく往生した者はみな答えようと思うが せんことを 願わくは往生

合掌しながら涙にむせんで言うことができない 楽しみ無量の

娑婆の長い苦しみを免れることができて せんことを 願わくは往生

今日弥陀仏を見たてまつることはひとえに釈迦如来の御恩である 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

仏のお言葉に順随すれば阿弥陀仏を見たてまつる 楽しみ無量の

あまねく共に往生せんとする知識ともたちに勧める せんことを 願わくは往生

同行は互いに親しんで離れてはならない 楽しみ無量の

父母妻子は百千万あろうとも せんことを 願わくは往生

これはさとりのよい因縁ではない 楽しみ無量の

念々に互いにまといあって悪道に入る せんことを 願わくは往生

分かれて別々な果報むくいを受けて互いに知らない 楽しみ無量の

あるいは猪や羊などの*六畜ろくちくの仲間にあって せんことを 願わくは往生

毛でおおわれ角を戴いたりすることが何時いつおわるであろうか 楽しみ無量の

慶ばしいことには人間に生れて尊い法を聞き せんことを 願わくは往生

すみやかに迷いの境界を捨てて弥陀の本国に帰ることである 楽しみ無量の

^如来とあいまみえることは普通の喜びではない せんことを 願わくは往生

菩薩や声聞と会うこともまたそうである 楽しみ無量の

あるいは連れだって遊行し林に入って眺め せんことを 願わくは往生

あるいは華台に坐し また楼観たかどのに登る 楽しみ無量の

*七宝しっぽうの弥陀の浄国を見ると せんことを 願わくは往生

地面も虚空も光が互いに照らしおうている 楽しみ無量の

そこで神通をあらわしてあまねく仏国に至り せんことを 願わくは往生

処々に無数の法会を供養する 楽しみ無量の

一々の大会は人の入るに随い せんことを 願わくは往生

入る処ただ平等さとりの法を聞く 楽しみ無量の

行住座臥に常に*ぜんじょうの中にあって せんことを 願わくは往生

その三昧を出ないで種々の神通をあらわす 楽しみ無量の

神通によって一々の仏会に到り せんことを 願わくは往生

その会その会に法を聴いて無生をさとる 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

極楽は身をおくのにまことにすぐれている 楽しみ無量の

黄金のたかどの・玉の柱・瑠璃の宮殿 せんことを 願わくは往生

真珠の宝閣が百千に並んでいる 楽しみ無量の

重々の羅網が互いに映りあってかがやき せんことを 願わくは往生

宝縄が互いに交わって鈴やたまを垂れている 楽しみ無量の

昼夜に香風が時々これを動かして せんことを 願わくは往生

その声がいずれも三宝の名を讃えている 楽しみ無量の

かの国の衆生は心眼がすぐれて せんことを 願わくは往生

一を聞いて百千の法門をさとる 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

処々に身をおくに浄土にしくはない 楽しみ無量の

多くの童子と共に空に遊び戯れ せんことを 願わくは往生

手には香華を散じて心に仏を供養する 楽しみ無量の

身の光と*瓔珞ようらくと互いにあい照らして せんことを 願わくは往生

一切の荘厳の光もみなそのようである 楽しみ無量の

あるいは楽器を奏でて仏を供養するに せんことを 願わくは往生

化仏は慈悲をもってはるかに*べつを授けられる 楽しみ無量の

同じく浄土に生れた知識ともだちは百千万である せんことを 願わくは往生

華に乗じてただちに虚空の説法の会座に入る 楽しみ無量の

会座の数は無億数で せんことを 願わくは往生

彼此互いに往来するのにさまたげがない 楽しみ無量の

一切の時に常に法を説いておられる せんことを 願わくは往生

それを見聞し歓喜すれば罪がみな除かれる 楽しみ無量の

^弥陀仏も聖衆もみな金色の御身で せんことを 願わくは往生

光と光とあい照らして心を知り合う 楽しみ無量の

*相好そうごう荘厳かざりには別がない せんことを 願わくは往生

みなこれは阿弥陀仏の願力によって成就されたのである 楽しみ無量の

地上にも虚空にも人が遍満し せんことを 願わくは往生

神通の転変するのを自然に知る 楽しみ無量の

あるいは華の楼や宝の雲のかさし せんことを 願わくは往生

あるいは化現の鳥が声を連ねて法音を奏で 楽しみ無量の

法音が響きめぐって雲のごとく合する せんことを 願わくは往生

かの浄土の人天はそれを聞いてすなわち悟る 楽しみ無量の

一劫・多劫・長時劫の長い間 せんことを 願わくは往生

ただ法の楽しみを受けることは思いはかることができない 楽しみ無量の

【11】^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

極楽荘厳の門はことごとく開かれている 楽しみ無量の

あまねく願う 縁あって同じく念仏する行者よ せんことを 願わくは往生

専心にしてただちに浄土に入ることを疑ってはならぬ 楽しみ無量の

一たび弥陀の安養浄土に到れば せんことを 願わくは往生

浄土は元来これわが阿弥陀法王の家である 楽しみ無量の

*阿羅あらかんたちは互いに兄弟の因縁であり せんことを 願わくは往生

菩薩の法侶なかまは知識である 楽しみ無量の

あるいは歩みあるいは坐するにもみなみ法を聞き せんことを 願わくは往生

あるいは去りあるいは来るのにいずれも障礙さまたげがない 楽しみ無量の

^あるいは宝池に入って身のいただきに潅ぎ せんことを 願わくは往生

あるいは乾いた岸辺の宝沙の中にいる 楽しみ無量の

水をつとき さざ波が妙なる響きを出し せんことを 願わくは往生

その声の中にもっぱら慈悲の法を説いている 楽しみ無量の

功徳の水は清く澄んで千万里もあり せんことを 願わくは往生

宝沙はすきとおって深くないように見える 楽しみ無量の

^四方の岸の荘厳は七宝をまじえており せんことを 願わくは往生

宝池の底にかれた黄金のいさごは百千の色に輝いている 楽しみ無量の

その色はみな異なり光を輝かし照らしている せんことを 願わくは往生

宝樹は華を飛ばして水中に落ち 楽しみ無量の

【12】^樹々はこえだを垂れ 宝のとばりのようである せんことを 願わくは往生

まわりは三十万*じゅんもある 楽しみ無量の

根や茎・枝・葉は七宝をまじえ せんことを 願わくは往生

一々の宝より無数の光を流している 楽しみ無量の

そよ風が起るとき互いに触れ合う音は せんことを 願わくは往生

第六天の音楽もとても比べものにならない 楽しみ無量の

化仏菩薩の多くの方々が せんことを 願わくは往生

一々の樹の下でさとりの声を聴く 楽しみ無量の

【13】^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

一たび浄土に入れば退くことなくさとりに至る 楽しみ無量の

宝地はひろく平らかで多くの宝をまじえている せんことを 願わくは往生

一々の宝から百千の光を出している 楽しみ無量の

一々の光が宝の台座となり せんことを 願わくは往生

光が変じて百千億の楼をあらわすのである 楽しみ無量の

^化現の天童子はその数を窮めることができない せんことを 願わくは往生

すべてこれは念仏往生の人である 楽しみ無量の

あるいは宝の台座に登り宝楼の中で遊び せんことを 願わくは往生

飢えず渇かず湛然として常住である 楽しみ無量の

あるいは光明の百宝の宮殿に入り せんことを 願わくは往生

まさしく大会につらなって弥陀を讃めたてまつる 楽しみ無量の

あるいは言う 今から仏果を得るまで せんことを 願わくは往生

ながく仏の徳をたたえて慈恩を報じよう 楽しみ無量の

阿弥陀仏の弘い誓いのお力を蒙らなかったならば せんことを 願わくは往生

いずれのときに娑婆を出ることができようか 楽しみ無量の

浄土に至ってからはいつも法の楽しみがあって せんことを 願わくは往生

遂に十悪の声を聞かない 楽しみ無量の

眼には如来を見たてまつり耳には法を聞き せんことを 願わくは往生

身は常に仏につき従って喜びまた悲しむ 楽しみ無量の

どうして今日浄土に至ることを期することができようか せんことを 願わくは往生

まことにこれ娑婆に出られた釈迦仏の力である 楽しみ無量の

もし本師釈迦仏の勧めによらなかったならば せんことを 願わくは往生

弥陀の浄土にどうして入ることができようか 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

浄土に生れて師恩を報ぜよ 楽しみ無量の

あまねく有縁の僧俗たちに勧める せんことを 願わくは往生

かならず心を専らにして仏の教えを行ぜよ 楽しみ無量の

心を専らにして仏名を称え経をみ観察し せんことを 願わくは往生

浄土の荘厳を礼拝し讃嘆して乱れることなく 楽しみ無量の

行住坐臥に心相続すれば せんことを 願わくは往生

極楽の荘厳は自然に見られる 楽しみ無量の

あるいは憶想しあるいは観察して罪障を除くことは せんことを 願わくは往生

みなこれ阿弥陀仏の*本願ほんがんりきによる 楽しみ無量の

仏のお力によるから三昧が成就し せんことを 願わくは往生

三昧が成就して心眼が開けると 楽しみ無量の

諸仏の境界であって凡夫の境界を越えている せんことを 願わくは往生

ただ知って自分をじつつ釈迦の御恩をよろこべ 楽しみ無量の

十方の如来はそれぞれ舌をべて せんことを 願わくは往生

*ぼんのものがみな浄土に往生できることを証誠しょうじょうされた 楽しみ無量の

^弥陀が往生人を迎えて大会に入り せんことを 願わくは往生

そこで六道*りんの苦辛のことを問われる 楽しみ無量の

「あるいは人天の果報を得ることがあっても せんことを 願わくは往生

飢餓困苦しあるいは体にかさを生ずる」 と 楽しみ無量の

そのとき阿弥陀仏および聖衆がたは せんことを 願わくは往生

往生人が苦しみを述べるのを聞いてみなしょうたんされる 楽しみ無量の

弥陀はもろもろの仏子に告げていわれる せんことを 願わくは往生

「自ら業因を造り自ら報いを受けるのだから他をうらんではならぬ」 と 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

変りない浄土にはとこしえに憂いはない 楽しみ無量の

涅槃・快楽・無為さとりのところには せんことを 願わくは往生

貪欲・瞋恚の*たくの名をいまだかつて聞かない 楽しみ無量の

百宝の蓮華台に意のままに坐し せんことを 願わくは往生

坐するところには聖衆が数限りなく 楽しみ無量の

童子は供養し声聞はほめたたえ せんことを 願わくは往生

鳥は空を百千遍とめぐってさえずる 楽しみ無量の

一たび坐り一たび立つわずかの間に せんことを 願わくは往生

数限りない今までの業がことごとく除かれる 楽しみ無量の

あるいは清浄な衣を散らして地面を覆い せんことを 願わくは往生

衣の上に互いに宝の華香を散らす 楽しみ無量の

聖衆たちが歩く時 その上を踏むと せんことを 願わくは往生

衣や華が体に触れて*三禅さんぜんてんたのしみがある 楽しみ無量の

内も外も透きとおって明鏡のようであり せんことを 願わくは往生

煩悩はついに起ることがない 楽しみ無量の

念々にただ浄き三昧を増し せんことを 願わくは往生

*無漏むろの神通はただただ真である 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

煩悩はとこしえに絶えてあいおかすことがない 楽しみ無量の

あるいは*瑠璃るりをまじえた宝地があり せんことを 願わくは往生

あるいは紫金でできた宝地があり 楽しみ無量の

あるいはまた黄金でできた宝地があり せんことを 願わくは往生

あるいは透きとおる*頗梨はりの宝地があり 楽しみ無量の

あるいは千宝をもってかざられた宝地があり せんことを 願わくは往生

あるいはさらに無数の宝でできた宝地がある 楽しみ無量の

一々の色の光が互いに輝いてあい照らし せんことを 願わくは往生

十方より来た者はみなその上を歩く 楽しみ無量の

行くもとどまるもしょうようの楽しみ せんことを 願わくは往生

公のことも私のこともすべて憂いがない 楽しみ無量の

あるいは百千の神通を現じて せんことを 願わくは往生

すべての会座をあまねく回って供養する 楽しみ無量の

あるいは香雲の千宝の蓋をなして せんことを 願わくは往生

この雲のうちから香華を雨ふらす 楽しみ無量の

種々の荘厳がおもいのままにあらわれ せんことを 願わくは往生

いたるところに不思議をあらわす 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

命おわってすぐに無為さとりの会座に入れ 楽しみ無量の

宝樹・宝林の列はいたるところに満ちている せんことを 願わくは往生

一々の林樹はことごとくかざられてある 楽しみ無量の

根と根とあい対し 茎と茎もむかいあう せんことを 願わくは往生

枝と枝とがあいしたがい こえだも整然としている 楽しみ無量の

節と節とがあいめぐり 葉と葉と互いに次第している せんことを 願わくは往生

華と華とあい向かい 果も互いに対している 楽しみ無量の

光明は輝いて自他の国を照らし せんことを 願わくは往生

照らすところ朎朧れいろうとしてその物の色に随っている 楽しみ無量の

光がよく不思議のことを現す せんことを 願わくは往生

すべてこれは弥陀の願力のなすところである 楽しみ無量の

林樹の行列の間には宝の階道きざはしがあり せんことを 願わくは往生

一々の界には宝楼が互いにあいまじわっている 楽しみ無量の

重々の羅網は清浄な音楽をかなで せんことを 願わくは往生

ほとりなき楼内の人を供養する 楽しみ無量の

【14】^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

身命が終るまで仏前に生れることを期せよ 楽しみ無量の

たちまちにかの浄土の楽しみを考えると せんことを 願わくは往生

誰でも往生できることを疑ってはならぬ 楽しみ無量の

金剛無漏の荘厳の大地は せんことを 願わくは往生

明らかにあい照らすこと千の日輪よりも超えすぐれている 楽しみ無量の

弥陀の願力の荘厳の地には せんことを 願わくは往生

^一つの大宝王の蓮華ができている 楽しみ無量の

はなびらと葉があい重なること八万四千で せんことを 願わくは往生

一つの葉には百千億の*摩尼まにしゅがある 楽しみ無量の

一々の摩尼珠の光には千の色があり せんことを 願わくは往生

上には虚空を照らして天蓋を作り現している 楽しみ無量の

八万の金剛が台の上に布かれ せんことを 願わくは往生

真珠の宝網が華を覆うて包んでいる 楽しみ無量の

四本のはしら幔幕まんまくを承けて宝の飾りを垂れ せんことを 願わくは往生

^すぐれた真金色の功徳の御身を顕していられる 楽しみ無量の

一たび華台に坐してはいまだかつて動かれることなく せんことを 願わくは往生

いついつまでも衆生を済度される 楽しみ無量の

あまねく衆生にすすめる いつも憶念して せんことを 願わくは往生

行住坐臥に心に常に仏を見たてまつることを 楽しみ無量の

仏身は円満であって背相がなく せんことを 願わくは往生

十方から往生する人々はみな正面にむかう 楽しみ無量の

すべての者が浄土を願い心を傾け相続して念ぜよ せんことを 願わくは往生

そうすれば有縁の人の心眼の前に現れたもうであろう 楽しみ無量の

浄土の不思議のことを見ることができるのは せんことを 願わくは往生

みなこれ仏力が遥かに*加被かびしてくださるからである 楽しみ無量の

^*観音かんのんさつ*せいさつはならんで華台に坐し せんことを 願わくは往生

一々の荘厳はまた阿弥陀仏のようである 楽しみ無量の

四本のはしらの幔幕もみな互いに似ており せんことを 願わくは往生

宝の羅網あみもかわるところがない 楽しみ無量の

^三つの蓮華のみがはるかに衆座に超えすぐれ せんことを 願わくは往生

阿弥陀仏・観音菩薩・勢至菩薩の三身が対坐して最も尊くまします 楽しみ無量の

本国や他方世界の菩薩がたは せんことを 願わくは往生

すべての時ににょうしてほめたたえる 楽しみ無量の

このような大海塵沙のごとき広大な会座に せんことを 願わくは往生

衆生は往生してその中に入るのである 楽しみ無量の

これは口で述べるだけで かしこに生れるのではなく せんことを 願わくは往生

かならず専ら身命を惜しまず行ずるからである 楽しみ無量の

【15】^幾重にも重なる宝楼は人間が造ったものではない せんことを 願わくは往生

宝幢や樹林もまたみなそうである 楽しみ無量の

池渠ちこの四方の岸にそれらがあまねくちている せんことを 願わくは往生

そよ風がしばらくそれに触れると浄らかな音楽をかなでる 楽しみ無量の

法の響きが心にそそぎ毛孔に入って せんことを 願わくは往生

そこで恒河沙の三昧の門をさとるのである 楽しみ無量の

^一々のみぞの中に華があまねく満ち せんことを 願わくは往生

あるいは開きあるいは合している 楽しみ無量の

人は無数であるいは坐りあるいは立って互いに招き喚びあい せんことを 願わくは往生

競って香華を取って互いに供養する 楽しみ無量の

あるいは語りあるいは笑って身も心も楽しみ せんことを 願わくは往生

娑婆世界の念仏の同行人を思う 楽しみ無量の

そこでおのおのが誓いをおこし はるかに加被して せんことを 願わくは往生

心を西方にとどめて退かずすべて浄土に来るように 楽しみ無量の

一たび浄土に到ればすなわち清虚の楽しみを受ける せんことを 願わくは往生

清虚はすなわちこれ涅槃の因である 楽しみ無量の

わが心が衆生を憶念することをあらわして せんことを 願わくは往生

おのおの半座を分けて往生人に与える 楽しみ無量の

^共に仏道を行ずるものは連れだって十方世界に遊ぶ せんことを 願わくは往生

十方世界はすなわちこれ如来の国である 楽しみ無量の

一々の仏国に無数の説法の会座がある せんことを 願わくは往生

菩薩は身を分ってそれらの会座で法を聞き供養する 楽しみ無量の

諸仏の慈悲のみ光のお照らしを蒙ることを得 せんことを 願わくは往生

頂をなでられ記別を受けて無余さとりに入る 楽しみ無量の

こころに他方世界にとどまろうと思えばすなわちとどまり せんことを 願わくは往生

本国に帰ろうと思えばたちまち帰る 楽しみ無量の

とどまるも還るもみな利益を得ること せんことを 願わくは往生

本国も他方もまた別がない 楽しみ無量の

すべてがこれ涅槃平等のさとりである せんことを 願わくは往生

諸仏の智慧もまた同様である 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

到る処すべてこれ法王の家である 楽しみ無量の

供養しおわって記別を受け安楽浄土に還り せんことを 願わくは往生

無量の陀羅尼ちえを証得する 楽しみ無量の

多くの数限りない菩薩がたと共に せんことを 願わくは往生

虚空に遍満して来たりて供養する 楽しみ無量の

あるいは衣や華を散らせば変じて天蓋となり せんことを 願わくは往生

あるいは音楽を奏でると変じて雲となる 楽しみ無量の

その現れた幢幡はたぼこは無億数である せんことを 願わくは往生

一食をとる間に安楽国に到ると 楽しみ無量の

安楽の衆聖たちは遥かに見て せんことを 願わくは往生

これは他方の同行人であると知り 楽しみ無量の

おのおのって華をもって迎えて供養し せんことを 願わくは往生

導いてただちに弥陀の説法の会座に入らせる 楽しみ無量の

他方の菩薩は同じく仏を礼し せんことを 願わくは往生

華を持って仏を百千重にとりかこむ 楽しみ無量の

あるいは香華を散じて浄らかな音楽を奏で せんことを 願わくは往生

また神通をあらわして虚空に満ち 楽しみ無量の

光と光はあい照らして仏を供養し せんことを 願わくは往生

異口同音に極楽を讃嘆する 楽しみ無量の

^弥陀仏はその時に慶びのすがたをあらわして せんことを 願わくは往生

その御身より放つ光明があまねく十方世界を照らす 楽しみ無量の

放つところの不思議の光は尽きることなく せんことを 願わくは往生

その光が還ってまた弥陀の会座を照らす 楽しみ無量の

照らしおわって光が仏の頂上より入ると せんことを 願わくは往生

大衆はみな記別を授けられる光であることを知る 楽しみ無量の

また光が収まりおわらないうちに弥陀仏はほほえんで せんことを 願わくは往生

あまねく大衆に告げられる 「専心に聴けよ 楽しみ無量の

我は今そなたたちに菩提さとりの記別を授ける せんことを 願わくは往生

久しからずしてすべて成仏するであろう」 と 楽しみ無量の

本から浄土にいる者も他方から生れた者も せんことを 願わくは往生

遭い難い尊い法を得たことを慶ぶ 楽しみ無量の

【16】^永き娑婆の苦難を免れることは せんことを 願わくは往生

とりわけ釈尊のお導きの御恩である 楽しみ無量の

種々のおはからい巧みなてだてをもって せんことを 願わくは往生

ことに弥陀本願の門に入らせてくださる 楽しみ無量の

一切の善根は回向して往生を得る利益はあるが せんことを 願わくは往生

専ら弥陀の名号を弥えるにしくはない 楽しみ無量の

念々に称名して常に懴悔せよ せんことを 願わくは往生

人よく仏を念ずるならば仏もまた知ってくださる 楽しみ無量の

衆生と弥陀と互いに憶念しそのことがあらわれるならば せんことを 願わくは往生

すなわちこれ衆生のもっともすぐれた力である 楽しみ無量の

^「ただ心を浄くさえすればここがすべて浄土である」 せんことを 願わくは往生

という他の人の言葉を信用してはならない 楽しみ無量の

もしここが同じく諸仏の国であるというならば せんことを 願わくは往生

どういうわけで六道のものが生れたり死んだりするのか 楽しみ無量の

【17】^とげ・いばらの林は三界に満ち せんことを 願わくは往生

山河や大地も同じくみな高低がある 楽しみ無量の

水・陸・虚空に生きるものの心は せんことを 願わくは往生

同じように無明煩悩があり貪欲・瞋恚をいだく 楽しみ無量の

念々に財や色を貪り求めて苦しみ せんことを 願わくは往生

^愛欲・*愚痴ぐちの業の縄は人を縛って悪道へ送る 楽しみ無量の

*えんおうは使を遣してひきつれて行き せんことを 願わくは往生

牛頭ごずの獄卒がしきりにせきたてる 楽しみ無量の

盛んなる火は四面同時に起り せんことを 願わくは往生

業の風の吹くに従って苦の中に落ちる 楽しみ無量の

火の最もはげしい地獄の四門の外に せんことを 願わくは往生

門のいずれにも八万四千のへだてがある 楽しみ無量の

一々の隔の中に人々が到れば せんことを 願わくは往生

無数の責め道具がその中にある 楽しみ無量の

罪人の身体から煙炎が起り せんことを 願わくは往生

飛輪・刀剣が縦横に身に入る 楽しみ無量の

すべての地獄に同じくこの苦しみがある せんことを 願わくは往生

いずれの時にこの苦しみの止むことがあろうか 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

三途はとこしえに絶えてその名さえもないことを願う 楽しみ無量の

七重の鉄城に七重の網があり せんことを 願わくは往生

幾重にも重なった城の内に鉄の林樹がある 楽しみ無量の

樹々の枝条えだえだは八万四千で せんことを 願わくは往生

その葉や華や果実このみは刀輪のようである 楽しみ無量の

飛輪が上に踊り上ってはまた下におちる せんことを 願わくは往生

こうべから入って足に出るその痛さは忍ぶことができない 楽しみ無量の

重々の門のほとりに八万の釜があり せんことを 願わくは往生

とけた銅や鉄の汁が沸くこと泉のようである 楽しみ無量の

沸きつ波は八万由旬の高さにあがり せんことを 願わくは往生

ただちに門の外千由旬にとどく 楽しみ無量の

四門の四道より罪人が入ってくると せんことを 願わくは往生

門は開かれ業火が出てこれを迎える 楽しみ無量の

燃えさかる鉄汁は流れて人の膝を没し せんことを 願わくは往生

触れるところたちまちに煙や炎が起る 楽しみ無量の

牛頭の獄卒が道のほとりで罪人をしかると せんことを 願わくは往生

大地が震動してその声は天雷のようである 楽しみ無量の

罪人はこれを聞いてはらわたが裂け せんことを 願わくは往生

鉄虫・鉄鳥が争い来たってこれをくらう 楽しみ無量の

鉄丸や刀剣が空中から降り せんことを 願わくは往生

とけた銅や鉄の汁が身の上に注ぐ 楽しみ無量の

鉄城の門から四万里も離れていても せんことを 願わくは往生

必ずその中を通って行かせて避けるところがない 楽しみ無量の

その行くことは風よりも早くを射るがようである せんことを 願わくは往生

たちまちに七重の門に入る 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

専心に念仏して貪欲・瞋恚を断ぜねばならぬ 楽しみ無量の

この七重の鉄門の中に入れば せんことを 願わくは往生

また何時いつのときにか還ることができようか 楽しみ無量の

罪人がみな入りおわれば鉄門はみな閉ざされる せんことを 願わくは往生

罪人の身が地獄に満ちみちても互いに妨げない 楽しみ無量の

一たびそこに堕ちれば八万長時劫である せんことを 願わくは往生

みなこれ仏法を破った罪の因縁による 楽しみ無量の

三宝を謗り他人の善を妨害すると せんことを 願わくは往生

またこの大*阿鼻あびごくの中に堕ち 楽しみ無量の

たわむれ笑って造る罪も多劫の苦しみを受ける せんことを 願わくは往生

仏のみ心を尊重せずして人のこころに随ってはならぬ 楽しみ無量の

慎んで心を軽々しくしてほしいままに三業の悪を造ってはならない せんことを 願わくは往生

業道は明らかであって欺くことはできない 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

ただちに迷いの業道を裁ち切って西方に入れ 楽しみ無量の

七重の鉄城のそれぞれの門の外に せんことを 願わくは往生

鉄のうわばみがいて頭を挙げ城の上より出る 楽しみ無量の

火炎や刀輪がその口から出て せんことを 願わくは往生

またみな流れて罪人の上に注ぐ 楽しみ無量の

すみにいる鉄狗の身の毛孔から せんことを 願わくは往生

また煙火を人身の上に雨ふらす 楽しみ無量の

*せつさすまたをささげて心眼こころを刺す せんことを 願わくは往生

みな心眼こころで罪を造って地獄に堕ちるからである 楽しみ無量の

熱鉄の地面の上に無窮の苦しみがある せんことを 願わくは往生

罪人はあるいは臥したりあるいは歩き走る 楽しみ無量の

この一大劫の尽きるとき せんことを 願わくは往生

眼に東門の城外に清らかな林泉があるのが見える 楽しみ無量の

罪人は同時に東に向って走り せんことを 願わくは往生

まさに到達せんとする時に門は閉じてしまう 楽しみ無量の

こういうように四門にさまようこと半劫である せんことを 願わくは往生

鉄の網が身をひきかけることはいばらの林のようである 楽しみ無量の

上には鷹がいて人間の肉をついばみ せんことを 願わくは往生

地面には銅のいぬがいて争い来たってくらう 楽しみ無量の

地上にも虚空にも避けるところがない せんことを 願わくは往生

動けばすなわち責め道具がいよいよ多い 楽しみ無量の

【18】^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

この苦しみを説くのを聞くさえ心がくだける 楽しみ無量の

父母に孝養を尽さず三宝を罵れば せんことを 願わくは往生

臨終の時に地獄の火が自ら迎えに来る 楽しみ無量の

*六親ろくしんをこぼち辱しめ戒律を破るものも せんことを 願わくは往生

またこういうように地獄の中に堕ちる 楽しみ無量の

生きものを殺し他の生きものの肉を食べるものは せんことを 願わくは往生

命終ればただちに地獄の火の中に入る 楽しみ無量の

人の殺害をみて喜び方法をめぐらし殺害を許可するものは せんことを 願わくは往生

前に説くより倍の苦しみを受けるのである 楽しみ無量の

三宝物や他人のものを盗めば せんことを 願わくは往生

一たび地獄に堕ちてまたそこから逃れる時がない 楽しみ無量の

父母や六親のものをぬすかすめるものも せんことを 願わくは往生

またこのような地獄に堕ちる 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

身も財産も惜しまないで常に人に恵み施せ 楽しみ無量の

師僧をけがし清浄の行をやぶるものは せんことを 願わくは往生

地獄に沈んで永劫ようごうに出る時がない 楽しみ無量の

衆生や眷属をけがせば せんことを 願わくは往生

定んで地獄に入って長劫の苦しみを受けるであろう 楽しみ無量の

たとい人間に生れても去勢される報いがあり せんことを 願わくは往生

六親がともに住んでも互いにかたき同志のようであろう 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

願わくはよこしまな心を断って清浄の行を修めんことを 楽しみ無量の

三宝や衆生の類をあざむきだますと せんことを 願わくは往生

命終って地獄に堕ちて逃れる時がない 楽しみ無量の

*あっ*りょうぜつ・貪欲・瞋恚・*きょうまんのものは せんことを 願わくは往生

八万の地獄をすべて経めぐる 楽しみ無量の

他人の三宝についてとがありというものは せんことを 願わくは往生

命終って舌を抜かれる地獄に堕ちる 楽しみ無量の

【19】^あまねく衆生にすすめる 身口意の三業を護って せんことを 願わくは往生

行住坐臥に弥陀を念じ 楽しみ無量の

一切の時に地獄の苦しみを憶うて せんことを 願わくは往生

強い往生の心を起せよ 楽しみ無量の

誓って三途の業を作ってはならない せんことを 願わくは往生

人天の楽報もまた心にかけず 楽しみ無量の

たちまちに地獄の長い苦しみを憶って せんことを 願わくは往生

しばらくも浄土の安楽のことを忘れてはならない 楽しみ無量の

安楽仏国は無為さとりのところである せんことを 願わくは往生

ついに身をくのに実にこれすぐれたところである 楽しみ無量の

【20】^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

ただ仏の一道のみ独り清らかである 楽しみ無量の

浄土の荘厳は尽くることがなく せんことを 願わくは往生

十方より往生する者もまたきわまりがない 楽しみ無量の

千劫・万劫・恒河沙劫にも せんことを 願わくは往生

すべての往生人を妨げることがない 楽しみ無量の

十方世界の衆生はいまだかつて減らず せんことを 願わくは往生

弥陀仏国もまた増すことがない 楽しみ無量の

^弥陀の願力はその慈悲に随って大であり せんことを 願わくは往生

四種の荘厳はあまねくみなそなわっている 楽しみ無量の

三明六通は常に自在であって せんことを 願わくは往生

あまねく衆生の心想の中に入られる 楽しみ無量の

仏身の相好は衆生の観想により せんことを 願わくは往生

その念に随って真金の仏身を現したもう 楽しみ無量の

真金はすなわちこれ弥陀のすがたである せんことを 願わくは往生

*円光えんこうから出る化仏は衆生の前に現れる 楽しみ無量の

その相好はいよいよ多くて八万四千である せんことを 願わくは往生

その一々の光明は十方世界を照らす 楽しみ無量の

余の行者を照らさず せんことを 願わくは往生

ただ念仏の行者を求めて照らされる 楽しみ無量の

^万行をともに回向してみな往生を得るが せんことを 願わくは往生

念仏の一行が最も尊い 楽しみ無量の

回向の*りきの善はおそらくは力が弱く せんことを 願わくは往生

一日乃至七日の念仏にすぎたるものはない 楽しみ無量の

命終ろうとする時に聖衆が現れて せんことを 願わくは往生

ただちに華台に坐して浄土に至る 楽しみ無量の

沢山な清浄なる聖衆がたは せんことを 願わくは往生

はるかに往生人を見てみな歓ぶ 楽しみ無量の

【21】^観音菩薩の相好は阿弥陀仏と異なるところがなく せんことを 願わくは往生

慈悲をもって苦しみを救われるのに最もすぐれている 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

師教にそむかないで阿弥陀仏を念ぜよ 楽しみ無量の

苦を救いたもうのに遥かに世界は別であるけれども せんことを 願わくは往生

衆生が急に念ずればその時に応じて来られる 楽しみ無量の

あるいは声聞や菩薩のすがたを現して せんことを 願わくは往生

衆生の願いに随って済度される 楽しみ無量の

悲心は苦を抜いて三界を超えさせ せんことを 願わくは往生

慈心は楽を与えて涅槃を期せしめる 楽しみ無量の

衆生の機類に随って現れる身が異なり せんことを 願わくは往生

六道に身を分けてその時の衆生を済度する 楽しみ無量の

礼拝し称名し観ずれば身の罪障を除かれる せんことを 願わくは往生

これは深き慈悲の発願である 楽しみ無量の

一切の時にあらゆる世界を縁じ せんことを 願わくは往生

六道をおさめて身中に現される 楽しみ無量の

眼に見 耳に聞き 心に衆生のことを思い せんことを 願わくは往生

衆生の称える声を尋ねて*せつのうちに苦を救われる 楽しみ無量の

^天冠の化仏は高さ千里であって せんことを 願わくは往生

弥陀の恩を報ずるために常に頂戴していられる 楽しみ無量の

眉間の*びゃくごう相に七宝の色があり せんことを 願わくは往生

その色ごとに八万四千の光がある 楽しみ無量の

その一々の光明に化仏・菩薩がたがいられ せんことを 願わくは往生

極楽界にみちて神通をあらわしている 楽しみ無量の

身は紫金色の光明を放ち せんことを 願わくは往生

内外に透きとおることは明鏡のようである 楽しみ無量の

すべて光明は瓔珞のようで せんことを 願わくは往生

全身にまとうて鈴やたまが垂れ下がっている 楽しみ無量の

両手はほそくまろやかでいろいろな華の色をしていて せんことを 願わくは往生

常にこの手をもって衆生を導かれる 楽しみ無量の

み足を挙げると*せん輻輪ぷくりん相が宝地に印せられ せんことを 願わくは往生

み足をおろすと金の蓮華が世界に満ちみちる 楽しみ無量の

^本国でも他方でも歩んだり坐ったりされるところ せんことを 願わくは往生

これに触れるものはすなわち無生法忍を悟る 楽しみ無量の

初地以前のものも初地以上のものも元より無二で せんことを 願わくは往生

根機の利鈍によってさとりの位を増す 楽しみ無量の

念々のうちに常にさとりを得 せんことを 願わくは往生

その功徳を行じないのにまさに悟りを得るのである 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

命終るまで同じく往生を願うものは誓って退いてはならない 楽しみ無量の

浄土はこのように逍遥快楽の地である せんことを 願わくは往生

それなのに何事を貪って往生を求めないのか 楽しみ無量の

苦を救うのに身を分けて平等に化益する せんことを 願わくは往生

化益しおわってみな弥陀のみ国へ送る 楽しみ無量の

われらはことごとく大悲の力を蒙っている せんことを 願わくは往生

身を砕き慚謝して慈恩を報ぜよ 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

観音菩薩が導いて弥陀仏にまみえさせる 楽しみ無量の

【22】^勢至菩薩の威光は大である せんことを 願わくは往生

身色相好などは観音菩薩と等しい 楽しみ無量の

身から放つ光明はよろずの世界に行きわたり せんことを 願わくは往生

その照らすところはみな同じく紫金色である 楽しみ無量の

有縁の衆生はそのお照らしを蒙り せんことを 願わくは往生

智慧を増して安楽国に生れる 楽しみ無量の

いただくところの華の冠は瓔珞を垂れ せんことを 願わくは往生

ほうびょうより光が出て不思議をあらわす 楽しみ無量の

^勢至菩薩が歩まれる時には法界を震わし せんことを 願わくは往生

その震動するところに蓮華が自然に咲き出る 楽しみ無量の

その蓮華の荘厳は極楽と同じい せんことを 願わくは往生

すべての仏国もみなそうである 楽しみ無量の

坐られる時まず阿弥陀仏の国を動かし せんことを 願わくは往生

そののち上下の無量の国々を震わす 楽しみ無量の

一々の国に分身が集まっている せんことを 願わくは往生

みなこれは弥陀三尊の化身である 楽しみ無量の

化現の仏や観音菩薩・勢至菩薩が集まって せんことを 願わくは往生

極楽の上空を塞ぐ 楽しみ無量の

おのおの百宝の蓮華座に坐り せんことを 願わくは往生

声をそろえて妙なる法を説かれる 楽しみ無量の

^極楽の衆生は見聞の益があって せんことを 願わくは往生

普通の諸地の菩薩に超えてさとる 楽しみ無量の

大いに利益を集めようと多くの人々が せんことを 願わくは往生

法を聴き供養して諸劫を経る 楽しみ無量の

このゆえにかの国を極楽と名づける せんことを 願わくは往生

あまねくすすめる 同じく往生を願う人たちが常に憶念するように 楽しみ無量の

【23】^一切の時に西方に向って せんことを 願わくは往生

心に阿弥陀仏の御身を見たてまつろうと想え 楽しみ無量の

地上の荘厳は数限りなく せんことを 願わくは往生

宝楼や林樹はみな瓔珞を垂れている 楽しみ無量の

*けっ趺坐ふざして往生すると想え せんことを 願わくは往生

ただちに蓮華の池の大会に集まり 楽しみ無量の

華の中に入ることを想え また華が合することを想え せんことを 願わくは往生

そこで華が開けて仏身を見たてまつると想え 楽しみ無量の

阿弥陀仏を見たてまつるに雑色の光があり せんことを 願わくは往生

その光が来たってそれぞれ自身を照らすと想え 楽しみ無量の

また自身が慈光に照らされると想え せんことを 願わくは往生

そしておぼろに心眼が開けると想え 楽しみ無量の

虚空の化仏がたを見ると想え せんことを 願わくは往生

林樹が清浄なる音楽を奏で 楽しみ無量の

水鳥・流波が妙なる法を説くのを聞くと想え せんことを 願わくは往生

心を専注して観想を成就せしめよ 楽しみ無量の

観想が成就すると宝国が現じ せんことを 願わくは往生

すなわち化仏が来たって加被せられることを得る 楽しみ無量の

観音菩薩・勢至菩薩は無数の身を示して せんことを 願わくは往生

常にこの行人のほとりに来たりたもう 楽しみ無量の

【24】^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

心を専らにして仏を想えば見たてまつることは疑いない 楽しみ無量の

仏は衆生の迷いが久しく無明の障りが重くて せんことを 願わくは往生

悟りを開くことがむずかしいことを知りたもう 楽しみ無量の

仏は大身を観ずることの尽し難いのを恐れたもうて せんことを 願わくは往生

さらに教えて小身の池中にあることを観ぜしめる 楽しみ無量の

一つの蓮華に百宝のはなびらがあって せんことを 願わくは往生

一丈六尺の化仏がその上に坐したもうと想え 楽しみ無量の

仏身に大小の別はあってもよく障りを除く せんことを 願わくは往生

観音菩薩・勢至菩薩も同じくそうである 楽しみ無量の

行住座臥に常に自らつとめるならば せんことを 願わくは往生

命尽きればたちまちに自然に帰する 楽しみ無量の

自然はすなわち阿弥陀仏の国である せんことを 願わくは往生

きょうして常に安らかで退く時がない 楽しみ無量の

たとい百年といっても一日のようである せんことを 願わくは往生

一日はしばらくである どうしてあてにできようか 楽しみ無量の

【25】^*じょうぼん上生じょうしょうの凡夫らは せんことを 願わくは往生

専ら*かいたもち念仏し経を誦んで 楽しみ無量の

一切の時に常にはげむから せんことを 願わくは往生

臨終には聖衆が自ら来迎してくださる 楽しみ無量の

^観音菩薩・勢至菩薩は華をささげて行者のところに至り せんことを 願わくは往生

同時に手をって金台にせてくださる 楽しみ無量の

無数の化仏菩薩がたは せんことを 願わくは往生

頭をでてほめ 仏に随ってくと 楽しみ無量の

一念のうちに浄土に到って せんことを 願わくは往生

そこで仏や菩薩がたを見たてまつる 楽しみ無量の

浄土の光明や宝林はみな法を説いており せんことを 願わくは往生

たちまちに無生法忍をさとる 楽しみ無量の

しばらくの間に他方世界の仏がたにつかえ せんことを 願わくは往生

一念の間に浄土に帰って無量のさとりを得る 楽しみ無量の

【26】^*じょうぼん中生ちゅうしょうの凡夫らは せんことを 願わくは往生

経を誦み念仏し専ら戒をたもつ 楽しみ無量の

一日乃至七日それぞれの功徳を回向すれば せんことを 願わくは往生

臨終に聖衆がみな来たり現れる 楽しみ無量の

^観音菩薩・勢至菩薩は華をささげて立ち せんことを 願わくは往生

行者はそこで紫金のうてなのぼる 楽しみ無量の

千の化仏とともに同時に行者を讃め せんことを 願わくは往生

仏に従ってしばらくの間に宝池に入る 楽しみ無量の

一夜のうちに障りが尽きて蓮華が開け せんことを 願わくは往生

仏を見たてまつって金台より下りようとすると 楽しみ無量の

まだ地面に着かないうちに華が足を承け せんことを 願わくは往生

仏は金色の光をはなって行者の身を照らされる 楽しみ無量の

ただちに阿弥陀仏の前に到って立ち せんことを 願わくは往生

仏を讃めたてまつること七日にして無生のさとりを得る 楽しみ無量の

たちまちの間に他方世界の仏がたにつかえ せんことを 願わくは往生

百千の三昧の法門をさとる 楽しみ無量の

しばらくの間に三劫を経て せんことを 願わくは往生

そこで*ひゃっぽうみょうもんのさとりを得て*かんに入る 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

持戒や作善をおこたってはならない 楽しみ無量の

おこたればすなわち迷いに輪廻する業を造る せんことを 願わくは往生

弥陀の浄土へどうして行かれようか 楽しみ無量の

熱湯や火が身を焼く時は急に自らはらう せんことを 願わくは往生

他人がそれをはらい除くのを待つものはいない 楽しみ無量の

*三毒さんどくの火宅には次々に焼かれる苦しみがある せんことを 願わくは往生

障り重く心かたくなにしていまだその痛みをさとらない 楽しみ無量の

痛みを覚ればすなわち愚痴の業を断ち せんことを 願わくは往生

悔心慚愧して安楽国に生れるであろう 楽しみ無量の

安楽国はすなわち無漏の地であり せんことを 願わくは往生

凡夫や六道はとこしえにその名さえもない 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

極楽は清浄寂静でまことにすぐれている 楽しみ無量の

【27】^*じょうぼんしょうの凡夫らは せんことを 願わくは往生

深く因果を信じて非を生ずることがない 楽しみ無量の

身口意の三業の行に憍慢が多いけれども せんことを 願わくは往生

ただ無上菩提心を起す 楽しみ無量の

心を向けて念々に安楽に生れようとするならば せんことを 願わくは往生

臨終の時に金蓮華が至るのを見る 楽しみ無量の

五百の化仏 観音菩薩などが せんことを 願わくは往生

同時に手をって華の中に入れてくださる 楽しみ無量の

一念のうちに華に乗じて宝池の内にあり せんことを 願わくは往生

一日一夜にして蓮華が開く 楽しみ無量の

華が開いて仏を見たてまつるけれどもわずかな障りがあって せんことを 願わくは往生

三七日の後に始めて分明はっきりとなる 楽しみ無量の

耳にいろいろな音声を聴いて心にさとりを得 せんことを 願わくは往生

他方の仏土につかえて成仏の記別を蒙る 楽しみ無量の

十劫の長い時間もたちまち知らないうちに尽き せんことを 願わくは往生

進んで百法明門をさとり歓喜地に入る 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

命の尽きるまで疑いを起してはならない 楽しみ無量の

もし釈迦のまことの弟子であるならば せんことを 願わくは往生

誓って仏語を行じて安楽国に生れよ 楽しみ無量の

悠々としていて人の言葉を信じてはならない せんことを 願わくは往生

縁に随い病を治すことはそれぞれの方法によれ 楽しみ無量の

たちまち災危わざわいに遇うならば身は急である せんことを 願わくは往生

いくら*道俗どうぞくが集まってもこれをよく救うものはいない 楽しみ無量の

口には諸法の*くうを説いても心にあだを行ずる せんことを 願わくは往生

是非の我見が山岳やまのようである 楽しみ無量の

このような人々には近づいてはならない せんことを 願わくは往生

近づけば永いあいだ迷いの苦に沈むであろう 楽しみ無量の

耳をそばだて心を傾けて常に仏法をたずね せんことを 願わくは往生

この身に道を修めて無生のさとりを得よ 楽しみ無量の

もしこの法のすぐれた利益を聞くならば せんことを 願わくは往生

身命をかえりみないでかならず往生を求めよ 楽しみ無量の

もしよく命を惜しまずして専ら行ずるならば せんことを 願わくは往生

命終ってたちまちに安楽国に生れるであろう 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

念仏はすなわち涅槃に入る門である 楽しみ無量の

【28】^*ちゅうぼん上生じょうしょうの凡夫らは せんことを 願わくは往生

あまねく声聞・縁覚の行をまなぶ 楽しみ無量の

戒律・禅定・慈悲が常にゆうみょうで せんことを 願わくは往生

それを一心に回向して浄土に生れようと願うから 楽しみ無量の

臨終に化仏や声聞が来られ せんことを 願わくは往生

七宝の蓮華が行者の前に到る 楽しみ無量の

仏は光明を放たれて身の頂を照らされ せんことを 願わくは往生

行者は自身を見れば華台に上っている 楽しみ無量の

頭を下げて仏を礼拝する時はこの国であるが せんことを 願わくは往生

頭を挙げればすでに弥陀界に入っている 楽しみ無量の

かしこに到れば華が開けてやがて仏を見たてまつり せんことを 願わくは往生

*たいの道理を説かれるのを聞いて真如をさとる 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

まことにこれ弥陀願力の恩である 楽しみ無量の

【29】^*ちゅうぼん中生ちゅうしょうの凡夫らは せんことを 願わくは往生

それぞれの戒を一日一夜たもち 楽しみ無量の

この*戒福かいふくの善根の力を回向して せんことを 願わくは往生

ただちに弥陀の安養国に到る 楽しみ無量の

臨終に化仏・師僧が現れて せんことを 願わくは往生

七宝の華が来たって行者の前に到る 楽しみ無量の

行者はこの華を見て心をおどらせ せんことを 願わくは往生

すなわち華台に上り仏に随ってく 楽しみ無量の

一念の間に浄土に入って せんことを 願わくは往生

ただちに八功徳水の宝池に入る 楽しみ無量の

池のうちの蓮華は無億数である せんことを 願わくは往生

それらはすべて十方から往生した人である 楽しみ無量の

七日七夜で蓮華が開け せんことを 願わくは往生

華が開けて仏を見たてまつり*しょをさとる 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

勤修実行して人を欺いてはならない 楽しみ無量の

【30】^*ちゅうぼんしょうの凡夫らは せんことを 願わくは往生

父母に孝養をつくし人の道を行ずる 楽しみ無量の

臨終に善知識に遇値い せんことを 願わくは往生

極楽や弥陀の願を説くのに遇う 楽しみ無量の

説法を聞いて合掌し心を西方に向け せんことを 願わくは往生

念によってただちに宝池の中に到る 楽しみ無量の

百宝の蓮台の上に座し せんことを 願わくは往生

七七日にして蓮華が開く 楽しみ無量の

蓮華が開けて仏や多くの聖衆を見たてまつり せんことを 願わくは往生

一劫の後に無生をさとる 楽しみ無量の

^無生はすなわち阿羅漢のさとりである せんことを 願わくは往生

阿羅漢は心を転じて*だいじょうに向かう 楽しみ無量の

一たび大乗の心をおこして後は*小乗しょうじょうの心がなくなり せんことを 願わくは往生

ただちに仏果に至るまで退くことはない 楽しみ無量の

こういうわけで*天親てんじんさつ*じょうろんを作っていわれる せんことを 願わくは往生

*じょうの心はとこしえに起らない 楽しみ無量の

故に大乗の善根界という せんことを 願わくは往生

永くいやなそしりのとがを断つ」 楽しみ無量の

大乗・小乗の凡夫を平等に摂めて せんことを 願わくは往生

また六道三途の難をのがれしめる 楽しみ無量の

弥陀の浄土の中に住むことを願えよ せんことを 願わくは往生

すでに無生を証った者もいまだ証らない者もともに心がしずかである 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

すみやかに生死を超えて娑婆を出でよ 楽しみ無量の

【31】^*ぼん上生じょうしょうの凡夫らは せんことを 願わくは往生

つぶさに十悪を造って他の善はない 楽しみ無量の

煩悩を増長し ただこころにそれを喜び せんことを 願わくは往生

他人が善根を修するのを見てそしりを起す 楽しみ無量の

このような人がさとり難いのは せんことを 願わくは往生

まことに悪い知識の悪縁によるからである 楽しみ無量の

ただ目の前の酒肉を貪ることを知って せんことを 願わくは往生

地獄にすべての名を記されることを知らない 楽しみ無量の

一たび地獄に入って長い苦しみを受ける時に せんことを 願わくは往生

はじめて人間界の善知識をおもうことであろう 楽しみ無量の

罪人は臨終に重病を得て せんことを 願わくは往生

こころがくらくなり狂い乱れる 楽しみ無量の

地獄の相が明らかに眼の前に現れる時 せんことを 願わくは往生

身から白汗が流れ出て手は虚空をつかむ 楽しみ無量の

^このような苦しみを誰がよく救おうか せんことを 願わくは往生

必ずこれは善知識と弥陀仏の恩によるのである 楽しみ無量の

手に香爐をとって懴悔させ せんことを 願わくは往生

合掌して弥陀の名を称えることを教える 楽しみ無量の

一声称名すれば多くの苦を除き せんことを 願わくは往生

五百万劫の罪を消す 楽しみ無量の

化仏・菩薩は称名の声を尋ねて到り せんことを 願わくは往生

「われはことに華をもって汝を迎えに来た」 という 楽しみ無量の

行者は仏の光明を見て喜び せんことを 願わくは往生

すなわち七宝の蓮華の上に坐る 楽しみ無量の

仏に従ってたちまち浄土にまいり せんことを 願わくは往生

到ればただちに宝池の中に生れる 楽しみ無量の

七七日で華開けて仏を見たてまつることができる せんことを 願わくは往生

観音菩薩・勢至菩薩は慈光をもって照らし 楽しみ無量の

眼が明らかで心にさとりを得 せんことを 願わくは往生

合掌してはじめて菩提心をおこす 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

三途をのがれることのできるのは善知識の恩である 楽しみ無量の

もし善知識が教えて仏名を称えさせてくださらなかったなら せんことを 願わくは往生

どうして弥陀の浄土に入ることができようか 楽しみ無量の

【32】^*ぼん中生ちゅうしょうの凡夫らは せんことを 願わくは往生

戒を破り僧物を盗むなどいろいろの罪を造る 楽しみ無量の

名聞利養のために法をといて慚愧の心がなく せんことを 願わくは往生

戒律の因果を破って師僧を打つ 楽しみ無量の

このような愚かな人は臨終のとき せんことを 願わくは往生

節々が痛んで錐刀きりで刺すようである 楽しみ無量の

地獄の猛火がみな来たりまる せんことを 願わくは往生

^その時にすなわち善知識が 楽しみ無量の

大慈悲を発して念仏を教えるのにうであろう せんことを 願わくは往生

そこで地獄の猛火が涼しい風と変る 楽しみ無量の

清浄な華は風に乗ってひらひらと落ち せんことを 願わくは往生

化仏菩薩は華に乗ってこられる 楽しみ無量の

そこで行者は清浄なる華の上に坐り せんことを 願わくは往生

仏に従ってたちまちに宝池に入る 楽しみ無量の

障り重くして華が開くのに六劫を経る せんことを 願わくは往生

華開けてはじめて菩提心を発す 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

身を砕いて慚愧し釈迦の恩を謝せよ 楽しみ無量の

【33】^*ぼんしょうの凡夫らは せんことを 願わくは往生

十悪*ぎゃくの罪をみなことごとく造る 楽しみ無量の

このような愚人は多く罪を造り せんことを 願わくは往生

地獄を経めぐって窮まる時がない 楽しみ無量の

^臨終にたちまち善知識が せんことを 願わくは往生

そのために法を説いて安穏ならしめるのに遇う 楽しみ無量の

臨終に刀風が身をさくとき痛みに堪えず せんことを 願わくは往生

仏を念ずることを教えるが行者は念ずることができない 楽しみ無量の

そこで善知識は教えて 「専ら合掌して せんことを 願わくは往生

弥陀を信じて専ら仏名を称えよ」 という 楽しみ無量の

声を続けて十念に満つると せんことを 願わくは往生

その念々に五逆の障りを消す 楽しみ無量の

*謗法ほうぼう*一闡いっせんだいや十悪を行ずるものも せんことを 願わくは往生

心をひるがえして念仏すれば罪がみな除かれる 楽しみ無量の

病者の身心が覚醒めざめると せんことを 願わくは往生

眼の前にすなわち金の蓮華が現れ 楽しみ無量の

その蓮華の光明が行者を照らすと せんことを 願わくは往生

身も心も歓喜して華台に上る 楽しみ無量の

華に乗じて一念のうちに仏国に至り せんことを 願わくは往生

ただちに説法の会座の前の池に入る 楽しみ無量の

残りの罪がいまだ尽きないから華の中に閉じられ せんことを 願わくは往生

十二劫を経て後にはじめて華が開く 楽しみ無量の

華の内に坐しているときわずかの苦もなく せんことを 願わくは往生

色界三禅天の楽に超えすぐれている 楽しみ無量の

^般舟三昧の楽しみ せんことを 願わくは往生

地獄に入ることを免れて金の蓮華に坐せよ 楽しみ無量の

むしろ金蓮華に閉じられること百千劫であっても せんことを 願わくは往生

地獄のしばしの苦しみにも及ばない 楽しみ無量の

観音菩薩・勢至菩薩は慈光をもって照らし せんことを 願わくは往生

おもむろに心を安んずる法を説いてくださる 楽しみ無量の

行者は尊い法を聞くことを得て せんことを 願わくは往生

智慧の法眼が明らかに開く 楽しみ無量の

法眼が開いて仏の説法の会座を見て せんことを 願わくは往生

そこで無上菩提心を発す 楽しみ無量の

^あるいは坐しあるいは立ち遊行して観ると せんことを 願わくは往生

到るところただ説法の声のみを聞く 楽しみ無量の

身心毛孔ともにみなさとることができる せんことを 願わくは往生

菩薩や聖衆がたがみな充満している 楽しみ無量の

みずから神通力をもってかの仏会に入る せんことを 願わくは往生

その本を憶えばみな娑婆の善知識の御恩である 楽しみ無量の

もし釈迦仏が念仏をすすめるのでなかったなら せんことを 願わくは往生

弥陀の浄土を何によって見ることができようか 楽しみ無量の

心に念じ香華をもってあまねく供養し せんことを 願わくは往生

長時長劫に仏の慈恩を報ぜよ 楽しみ無量の

あまねく十方の生死界の人々にすすめる せんことを 願わくは往生

心を同じくして悪を断じことごとく往生することを 楽しみ無量の

一たび涅槃常住の国に入ってしまうと せんことを 願わくは往生

未来永遠にわたって何の憂いがあろうか 楽しみ無量の

念々のうちに常にさとりを得て せんことを 願わくは往生

菩薩の十地の行願が自然に成就する 楽しみ無量の

一地一地に慈悲をもって人を利益することは せんことを 願わくは往生

仏を師として行うからあやまりなく悟る 楽しみ無量の

【34】^*じょうぜんは ¬観経¼ の十三観によって せんことを 願わくは往生

一々にくわしく浄土の荘厳のことがらを説いた 楽しみ無量の

行住坐臥に常に観察せよ せんことを 願わくは往生

常に観ずると心眼におぼろに浄土を見る 楽しみ無量の

*散善さんぜん*ぼんは ¬観経¼ によって讃じた せんことを 願わくは往生

一々回向すればみな往生することができる 楽しみ無量の

定善の一門は*だいの請によって説かれ せんことを 願わくは往生

散善の一行は釈迦仏がみずから開き説かれた 楽しみ無量の

定散ともに回向して浄土に入れよ せんことを 願わくは往生

これは釈迦如来のすぐれた方便である 楽しみ無量の

【35】^韋提希はこれ女人のすがたであり せんことを 願わくは往生

貪欲・瞋恚を具足した凡夫の位である 楽しみ無量の

娑婆を厭うて仏国を求めさせると せんことを 願わくは往生

そこで極楽の荘厳の世界が現れた 楽しみ無量の

極楽を見ることができて心に歓喜し せんことを 願わくは往生

さらに阿弥陀仏を見たてまつって無生法忍を成就した 楽しみ無量の

五百の女官も同じように仏に申しあげる せんことを 願わくは往生

「誓って同じく安楽国に生れたいと願う」 と 楽しみ無量の

その時に世尊はみな記別を与えられた せんことを 願わくは往生

「同じく往生して三昧を証するであろう」 と 楽しみ無量の

*梵天ぼんてん*たいしゃくてん*天王てんのうは空中にあって法を聞き せんことを 願わくは往生

また同じく安楽に生れたいと願うた 楽しみ無量の

【36】^あまねく有縁の人々にすすめる 常に念仏して せんことを 願わくは往生

観音菩薩・勢至菩薩と同学となれ 楽しみ無量の

もしよく念仏すれば人中の上である せんことを 願わくは往生

願わくは同じく諸仏の家に生れることを得て 楽しみ無量の

長時長劫に仏のおそばにいて証りうることを せんことを 願わくは往生

仏果のさとりはどうして遠いことであろうか 楽しみ無量の

【37】^すべての行者たちに云う。 凡夫は迷いの境界に執着して、 これを厭わずにいてはならぬ。 弥陀の浄土を軽んじてこれをねがわずにいてはならぬ。 迷いを厭えば娑婆を永遠に離れ、 浄土を忻えば、 またさとりの境界にいつも居るのである。 娑婆を隔ててしまえば六道の因も輪廻の果もおのずから滅んでしまう。 すでに迷いの因果が亡んで浄土に至れば、 迷いの形も名も速やかに断ちきってしまうのである。

 ^仰いでおもうに、 同じく浄土を願う人々よ、 よくみずから考えるがよい。 ふりかえって我々の生命を受けた始めを考えてみると、 大空と同時である。 同時にしてしかも心識こころがある。 もし我々が大空と同時にあるのではないとするならば、 すべての衆生はすなわち因がなくして生れたことになる。 心識がもしその本がなくしてあるのなら、 まったく木石と同じことになる。 もし木石と同じであるというならば、 六道を経めぐる因縁もない。 因業がないならば、 凡夫と聖者、 苦とか楽とかの因果を誰が味わい、 誰が知るであろうか。 この道理をもって推し考えるならば、 すべての衆生にはかならず心識がある。 もし心識があるならばすなわち大空と同時にある。 そのあることがもし大空と同時にあるとすれば、 すなわちただ仏と仏とのみがその本元を知ることができるのである。 行者よ、 自分自身が大空と同時にあることを知るならば、 乃至それより今時に至るまで、 悪を断ち貪欲を除くことができず、 一切の煩悩がただ増すことを知らねばならぬ。

 ^また釈迦・諸仏が同じようにすすめて、 専ら弥陀を念じ極楽を観想してこの一身が終ったら、 すなわち安楽世界に生れさせてくださる。 まことにとこしえの大きな利益ではないか。 行者よ、 努力し、 つとめてこれを行ぜよ。 常に慚愧の心をいだいて、 仰いで仏恩を謝せよ。 まさに知るべきである。

 

般舟三昧行道の往生讃 一巻

 

空有の理 空の立場と有の立場。
真門 真如門。 安楽浄土のこと。