(415)、 御誓言の書

誓言せいごんしょ だい

もろこし・わがちょうにも、 もろもろのしゃたちの沙汰さたもうさるゝ観念かんねんねんにもあらず。 また学問がくもんをしてねんこころをさとりてもう念仏ねんぶつにもあらず。 たゞおうじょう極楽ごくらくのためには0416南無なも弥陀みだぶつもうして、 うたがひなくおうじょうするぞとおもひとりてもうすほかにはべつさいそうらはず。

たゞし三心さんしんしゅなんどもうことそうろうは、 みなけつじょうして南無なも弥陀みだぶつにておうじょうするぞとおもふうちにこもりそうろうなり。

このほかにおくふかきことぞんぜば、 そんおんあはれみにはづれ、 本願ほんがんにもれそうろうべし。 念仏ねんぶつしんぜんひとは、 たとひ一代いちだいのりをよくよくがくすとも、 一文いちもん不知ふちどんになして、 あまにゅうどう无智むちのともがらにおなじくして、 しゃのふるまひをせずして、 たゞ一向いっこう念仏ねんぶつすべし。

これはひつしょなり、 勢観せいかんしょうにんにさづけられき。