わこうどうじん 和光同塵 「光を和らげて塵に同ず」 と読む。 ¬老子¼ に 「その鋭を挫き、 その粉を解き、 その光を和らげて、 その塵に同ず」 とある。 自己の才能をかくして、 塵の世に交わり入るという意。 仏教ではこの語を転用して、 仏・菩薩が衆生を救うために、 光輝くような本来の姿をかくし、 さまざまな姿を示して、 煩悩の衆生を教化していくことをいう。 ¬摩訶止観¼ にある 「和光同塵は結縁のはじめ、 八相成道はもつてその終を論ず」 という文は、 この語の用例として有名である。 日本では、 仏本神迹の本地垂迹説に応用し、 仏・菩薩が民衆に仏縁を結ぶために、 さまざまな神祇となってあらわれているのであるから、 諸神の本意は衆生を仏道に引き入れるためであると説く際に用いることが多かった。