すみげさ 墨袈裟 墨で染めた袈裟のこと。 黒袈裟ともいう。 もとは墨染の淡黒色の小五条袈裟であったが、 次第に濃黒色のものが用いられるようになった。 鎌倉時代には墨袈裟と裳付衣が僧侶の常服で、 「安城御影」 で親鸞が着用しているのがその一例である。 一方、 覚如は ¬改邪鈔¼ 第3条△で末法相応の袈裟は白色であるとして、 一遍ら時衆が黒袈裟を裳無衣とともに用いることを批判した。 現在の本願寺派では、 黒色の小五条袈裟に、 白色の威儀を付したものを墨袈裟といい、 小五条袈裟の代用として用いるほか、 葬儀の際などに着用する。