そく 即 別々のものが本来的には一つであることをいう。 不二・不離などに同じ。 天台教学では3種に分けて説明する。 ①もつ相合そうごうの即。 二つの物が離れない関係にあることをいう。 ②背面はいめん相翻そうほんの即。 表と裏のように一見異なっているが、 その本質からいえば一であることをいう。 ③当体全是の即。 あるものがそのまま違うものと同じであることをいい、 「権即実 (方便がそのまま真実である)」 などと用いられる。 また、 「即」 の時間的関係をいうものに同時即と異時即とがある。 同時即とは ¬一多文意¼ に 「即得往生といふは、 即はすなはちといふ、 ときをへず、 日をもへだてぬなり」 とあるように、 信心がおこることと正定聚に住することとが同時である場合をいう。 異時即とは、 ¬高僧和讃¼ に 「煩悩具足と信知して 本願力に乗ずれば すなはち穢身すてはてて 法性常楽証せしむ」 とあるように、 信心がおこることと穢身を捨てることとは時間的な隔たりがあり異時である場合をいう。