さいねんじ 西念寺 ❶浄土真宗の寺院。 茨城県笠間市稲田。 稲田禅坊・稲田御坊ともいう。 関東在住の頃の親鸞の旧跡。 建保2年 (1214)、 越後国から妻子とともに常陸に移住した親鸞が、 関東での活動の拠点とした草庵に始まる。 稲田の城主である稲田九郎頼重がこの地に親鸞を招いてきょうを受け、 親鸞の帰洛後、 草庵跡にこの寺を建立したという。 なお、 「化身土巻」 に 「元仁元年」 という記述が見られ、 この地で ¬教行信証¼ の執筆が進められたといわれる。 ❷大谷派の寺院。 茨城県坂東市辺田。 二十四輩の第七西念の由緒を伝える寺院。 もとは天台宗の寺院で聖徳寺と称し、 西念の弟信証が親鸞の門弟となって真宗寺院に改めたという。 一方、 西念は野田 (一説に現在のさいたま市) に道場を開いたが、 その道場は南北朝時代に至って兵火で失われたという。 聖徳寺には西念の道場跡から遺物が移されたといい、 この縁により江戸時代に寺号を西念寺と改めた。