むえん 無縁 ❶有縁に対する語。 縁の無いこと。 仏法に縁の無いこと、 また仏道に入る縁の無いこと。 ¬御消息¼ 第10通には 「一には無縁、 二には有縁なり。 いまこの浄土は有縁の教なり」 とある。 また後世、 転じて親類縁者の縁なきものをいうようになった。 ❷無縁の慈悲。 差別の見解を離れた平等絶対の慈悲のこと。 初地以上の菩薩や仏のおこす大悲をいう。 →三縁。 ❸空くう・無む相そうに同じ。 すべては空であって差別相を離れているということ。