くじょうかねざね 九条兼実 (1149-1207) 五摂家の一つである九条家の祖で、 親鸞出家の師とされる慈円の兄。 月輪殿・禅定博陸・後法性寺殿などともいう。 文治2年 (1186) に摂政、 建久2年 (1191) には関白に就いた。 法然戒師として出家し、 法名を円証 (円照) と与えられ、 南都北嶺による専修念仏批判から法然らを守るために尽力した。 「化身土巻」 によると、 法然の ¬せんじゃくしゅう¼ は、 兼実の求めによって著された。 日記 ¬玉葉¼ をのこしている。 また兼実の娘たまが親鸞に嫁したとする伝承が後世に広く流布した。