ねはんぎょう 涅槃経 ¬大般涅槃経¼ のこと。 小乗涅槃経類と大乗涅槃経類とがある。 前者は釈尊の晩年、 最後の地であるクシナガラで涅槃に入る前後の事跡を中心に説くもので、 漢訳には西晋の白法祖訳 ¬仏般泥洹ないおん経¼ 2巻、 東晋の法賢訳 ¬大般涅槃経¼ などがある。 後者ではとくに如来常住 (如来法身は永遠不変であること)、 悉有仏性 (すべての衆生ぶっしょうを有していること) が説かれ、 さらに一闡いっせんだい成仏を明かしている。 漢訳には東晋の法顕・ぶっばっ陀羅だら訳 ¬大般泥洹経¼ 6巻、 北涼のどんしん訳 ¬大般涅槃経¼ 40巻 (北本という) があり、 またこの北本を劉宋の慧観・慧厳・謝霊雲らが法顕等訳の6巻本を参照しつつきょうごうした南本 (36巻) などがある。