いちねん〔一念〕 ❶極めて短い時間。 一瞬。 六十刹那、 九十刹那、 あるいは一刹那を一念という。 →せつな〔刹那ˇ。 ❷ひとおもい。 ひとたび念ずること。 この場合の 「念」 は、 心念・観念・称念の意味に通じる。 ❸法然上人は、 第十八願成就文や ¬大教¼ 付属の 「乃至一念」 を一声の念仏の意味に取り、 それは本願の行であるがゆえに、 「一念一無上十念十無上」 の功徳の行であると理解された。 これを行の一念という。 ❹信の一念。 信心を獲得したそのはじめ、 つまり阿弥陀仏の本願のいわれを聞きひらいた最初の時をいう (時剋の一念)。 また、 一心に阿弥陀仏をたのんで二心のないことを指していう (信相の一念)。 →補註7。 ❺行の一念。 念は称念の意で、 一声の称名念仏のこと。 大行が衆生の上にあらわれる初一声の称名をいう (遍数の一念)。 また、 ただ念仏して他の行を並べ修しないことをいう (行相の一念)。