ほっそうしゅう 法相宗 唯識宗・慈恩宗・有相宗ともいう。 ¬解深密教¼ ¬瑜伽師地論¼ ¬成唯識論¼ にもとづいて成立した一宗。 玄奘がインドの戒賢から中国に伝えた護法系の唯識学説をうけて、 その弟子慈恩大師基が法相宗として大成した。 中国十三宗の一に数えられる。 一切の諸法は識の所変にほかならないことを説く。 また、 釈尊一代の教に有・空・中の三時教判を立て、 衆生の機類を声聞定姓・独覚定姓 (声聞・独覚の二乗の果を得ると定まっている者)・菩薩定姓 (仏果を得ると定まっている者)・不定姓 (いずれの果を得るとも定まっていない者)・無姓有情 (仏果も二乗の果も得ることができないと定まっている者) の五に分ける五姓各別を主張する。 日本には、 白雉4年 (653) に入唐した道昭 (629-700) が玄奘から直接瑜伽唯識を伝授され、 帰国し伝えたのをはじめとして、 計4度にわたって伝来したとされる。 南都六宗の一。 →三時教。