ごさいだんのごしょ 御裁断御書 本願寺19代本如の消息。 本願寺派最大の安心あんじん上の騒動である三業惑乱教義上の決着をつけたもの。 文化3年 (1806) 11月6日に出された。 内容は3段に分かれている。 第1段において、 経論所説の他力信心を、 親鸞は、 「ふたごころなく疑なし」 (¬銘文¼) と無疑の信楽をもって示し、 その信心の蓮如は ¬御文章¼ のなかで、 「後生御たすけ候へとたのみたてまつる」 と教えたとして、 信楽帰命説が正しい法義であると明確にする。 第2段においては、 三業帰命説を異義とし、 しんけつじょうの年月の覚不覚を論ずることの誤りを指摘する。 第3段においては、 迷心をひるがえして本願真実の他力信心にもとづくようきょうして全体を結ぶ。 ほぼ同時に出された ¬御裁断申明書¼ もほとんど同内容であるが、 本書との関係は定かではない。 超然の ¬反正紀略¼ には ¬御裁断書¼ として ¬御裁断申明書¼ の文を挙げ、 ¬御裁断写¼ として本書の文を挙げている。