ごあくだん 五悪段 ¬大経¼ のなか、 五悪を誡めて五善をたもたせることが説かれる一段。 五善五悪ともいう。 異訳のうち ¬大阿弥陀経¼ ¬平等覚経¼ には見られるが、 ¬如来会¼ ¬荘厳経¼、 サンスクリット本には説かれていない。 ¬大経¼ には 「群生を教化して五悪を捨てしめ、 五痛を去らしめ、 五焼を離れしめ、 その意を降化して五善を持たしめて、 その福徳・度世・長寿・泥洹の道を獲しめん」 と説かれている。 この五悪の内容について、 浄土真宗では、 不殺生戒・不偸盗戒・不邪婬戒・不妄語戒・不飲酒戒の五戒に背くこと、 あるいは儒教の五常に背いた行いのことと解釈され、 このような五悪をとどめることが五善とされてきた。