あじゃせ 阿闍世 梵語アジャータシャトル (Ajātaśatru) の音訳。 闍世・闍王ともいい、 またしょうおんなどとも意訳する。 また ¬涅槃経¼ (信巻引文) には 「善見」 としてその名が見える。 釈尊在世当時のインドのマガダ国の王。 父はびんしゃ、 母はだいだいだっより自らの出生の因縁を聴かされて、 父母を怨み、 父王を幽閉して王位を奪い、 さらに王を助けようとした母韋提希をも幽閉した。 このことを嘆いた韋提希の願いによって説かれたのが ¬観経¼ である。 阿闍世はのちにこの罪を悔い、 釈尊に帰依して、 仏教教団の外護者となった。 釈尊の滅後、 八分された遺骨の一を王舎城に迎えて、 塔を建て供養した。 また、 第一けつじゅう (最初の聖典編集会議) の際には、 財的に援助をしたという。 32年間在位し、 釈尊の滅後24年に没したと伝えられる。