いっ(577)ぴゃくじゅうじょう問答もんどう だいじゅう

二十二、 一百四十五箇条問答 一

一 ふるき堂塔どうとうしゅうしてそうははんをば、 ようそうろうべきか。

こたう。 かならずようすべしといふことそうらはず。 またようしてそうらはんも、 あしきことにもそうらはず。 どくにてそうらへば、 またようせねばとてつみのえ、 あしきことにてはそうらはず。

二十二、 一百四十五箇条問答 二

一 ほとけの開眼かいげんようとは、 ひとことにてそうろうか。

こたう開眼かいげんようとは、 べつことにて0578そうろうべきを、 おなじことにしあひてそうろうなり開眼かいげんもうすは、 本体ほんたいぶっがまなこをいれ、 ひらきまいらせそうろうもうしそうろうなり。 これをば、 開眼かいげんもうしそうろうなり。 つぎにそう仏眼ぶつげん真言しんごんをもてまなこをひらき、 大日だいにち真言しんごんをもてほとけの一切いっさいどくじょうじゅそうろうをば、 開眼かいげんもうしそうろうなり。 つぎにようといふは、 ほとけにこうぶつおんあかしなんどをもまいらせ、 さらぬたからをもまいらせそうろうを、 ようとはもうしそうろうなり

二十二、 一百四十五箇条問答 三

一 この真如しんにょかんはしそうろうべきことにてそうろうか。

こたう。 これはしんのともうしそうらへども、 わろきものにてそうろうなり。 おほかた真如しんにょかんをば、 われらしゅじょうはえせぬことにてそうろうぞ、 おうじょうのためにもおもはれぬことにてそうらへば、 やくそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 四

一 またこれにさんしてそうろうところは、 何事なにごともむなしとかんぜよともうしそうろう空観くうかんもうしそうろうは、 これにてそうろうな。 さればかんそうろうべきやうは、 たとへばこののことを執着しゅうじゃくしておもふまじきとおしへてそうろうへてそうらへば、 おほやうらんのためにまいらせそうろう

こたう。 これはみなかんとて、 かなはぬことにてそうろうなりそうのとしごろならひたるだにもえせず、 ましてにょうぼうなんどのつやつやないもしらざらんは、 いかにもかなふまじくそうろうなりたづねまでもやくそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 五

この七仏しちぶつみょうごうとなふべきようとして、 ひとのたびてそうろうまゝにしんそうらへば、 つみはう0579そうろうべきか。 なにごともそれよりおほせおんそうろうことは、 たのもしくそうらひて、 かやうにもうしそうろう

こたう。 これさなくともそうらいなん。 念仏ねんぶつにこれらのつみのうせそうろうまじくはこそそうらはめ。

二十二、 一百四十五箇条問答 六

一 一文いちもんをもおろかにもうしそうらへば、 ならひたるものみょうなしともうしそうろうは、 まことにてそうろうか。

こたうことはおろかならずそうろうおんなかにふかきこと、 これにすぎそうらはず。

二十二、 一百四十五箇条問答 七

一 こころひとつにして、 こころよくなをりそうらはずとも、 何事なにごとをおこなひそうらはずとも、 念仏ねんぶつばかりにてじょうへはまいりそうろうべきか。

こたうこころのみだるゝは、 これぼんならひにて、 ちからおよばぬことにてそうろう。 たゞこころひとつにして、 よく念仏ねんぶつせさせたまそうらはゞ、 そのつみをめっしておうじょうせさせたまふべきなり。 その妄念もうねんよりもおもきつみも、 念仏ねんぶつだにしそうらへば、 うせそうろうなり

二十二、 一百四十五箇条問答 八

一 きょう陀羅だらは、 かんじょうそうにうけそうろうべきか。

こたう。 ¬法華ほけきょう¼ のはくるしからず、 かんじょうそうのうけさする陀羅だらべつこと、 それはおぼしめしよるな。

二十二、 一百四十五箇条問答 九

一 ¬げんぎょう¼ (観普賢経意) に、 「ほとけのははねんずべし」 ともうしそうろうは。

こたう。 いざおぼへず。

二十二、 一百四十五箇条問答 一〇

id="l579-14"一 ひゃくにちのうちのあかじょうかゝりたるは、 ものまうでにはゞかりありともうしたるは。

こたうひゃくにちのうちのあかじょうくるしからず。 なにもきたなきもののゝつきてそうらはんは0580、 きたなくこそそうらへ。 あかにかぎるまじ。

二十二、 一百四十五箇条問答 一一

一 念仏ねんぶつひゃく万遍まんべんひゃくもうしてかならずおうじょうすともうしそうろうに、 いのちみじかくてはいかゞしそうろうべき。

こたう。 これもひがごとそうろうひゃくもうしてもしそうろうじゅうねんもうしてもしそうろうまた一念いちねんにてもしそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一二

一 ¬弥陀みだきょう¼ じゅうまんかんよみそうろうべしともうしそうろうは、 いかに。

こたう。 これもよみつべからんにとりてのことそうろう。 たゞつとめをたかくつみそうらはんれうにてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一三

一 ひのしょは、 かならずかずをきわめそうらはずとも、 よまれんにしたがひてよみ、 念仏ねんぶつもうしそうろうべきか。

こたう。 かずをさだめそうらはねばだいになりそうらへば、 かずをさだめたるがよきことにてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一四

一 にら・き・ひる・しゝをくひて、 かうせそうらはずとも、 つねに念仏ねんぶつもうしそうろうべきやらん。

こたう念仏ねんぶつはなにゝもさはらぬことにてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一五

一 六斎ろくさいときをしそうらはんには、 かねてしょうじんをし、 いかけをし、 きよきものをきてしそうろうべきか。

こたう。 かならずさそうらはずともそうらいなん。

二十二、 一百四十五箇条問答 一六

一 一七日しちにち七日しちにちなんど服薬ぶくやくそうらはんに、 六斎ろくさいにあたりてそうらはんをば、 いかゞしそうろうべき。

こたう。 それちからおよばぬことにてそうろう。 さればとてつみにてはそうろうまじ。

0581二十二、 一百四十五箇条問答 一七

一 六斎ろくさいいっしょうすべくそうろうか、 なんねんすべくそうろうぞ。

こたう。 それもこころによるべきことにてそうろう。 いくらすべしともうすことそうらはず。

二十二、 一百四十五箇条問答 一八

一 念仏ねんぶつをば、 ひのしょにいくらばかりあてゝかもうしそうろうべき。

こたう念仏ねんぶつのかずは、 一万いちまんべんをはじめにて、 まん三万さんまんまん六万ろくまんないじゅうまんまでもうしそうろうなり。 このなかにこころにまかせておぼしめしそうらはんほどを、 もうさせおはしますべし。

二十二、 一百四十五箇条問答 一九

一 ¬弥陀みだきょう¼ をば、 一日いちにちになんかんばかりあてゝかよみそうろうべき。

こたう。 「¬弥陀みだきょう¼ は、 ちかひていっしょうちゅうじゅうまんかんをだにもよみまいらせそうらいぬれば、 けつじょうしておうじょうす」 (観念法門意) と、 善導ぜんどうしょうのおほせられてそうろうなり毎日まいにちじゅうかんづゝよめば、 じゅうねんじゅうまんかんにみちそうろうなりさん十巻じっかんづゝよめば、 じゅうねんにみちそうろうなり

二十二、 一百四十五箇条問答 二〇

一 しきのいとは、 ほとけには、 ひだりにとおほせそうらいき。 わがてには、 いづれのかたにていかゞひきそうろうべき。

こたう左右さうにてひかせたまふべし。

二十二、 一百四十五箇条問答 二一

一 ぶつのなをもかき、 たっとことをもかきてそうろうを、 あだにせじとてやきそうろうつみのうるに、 誦文じゅもんをしてやくともうしそうろうは、 いかゞそうろうべき。

こたう。 さる反故ほごやきそうらはんに、 なにじょう誦文じゅもんそうろうべき。 おほかたは法文ほうもんをばうやまふことにてそうらへば、 もしやかんなんどせられそうらはゞ、 きよきところにてやかせたまふべし。

0582二十二、 一百四十五箇条問答 二二

一 かいうけそうろうときしょうとなりたまへ、 じゃとなりたまへともうすことそうろうこころそうらはず。 なにといふことにてそうろうぞ。

こたうしょうもうしそうろうは、 かいうくるとき法門ほうもんならひたるもうしそうろうなりじゃもうしそうろうは、 まさしくかいをさづくるにてそうろうなり。 これをばかつじゃもうしそうろうなり

二十二、 一百四十五箇条問答 二三

一 ときそうろうどくにてそうろうやらん。 かならずゝべきことにてそうろうやらん。

こたうときどくうることにてそうろうなり六斎ろくさい御時おんときぞ、 さもそうらひぬべき。 まただいにてそうろうやまひなんどもおこらせおはしましぬべくそうらはゞ、 さなくとも、 たゞ念仏ねんぶつだにもよくよくそうらはゞ、 それにてしょうをはなれ、 じょうにもおうじょうせさせおはしまさんずることは、 これによるべくそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 二四

一 りんじゅうのをり、 弥陀みだじょういんなんどをならひて、 ひかへそうろうやらん。 たゞさそうらはずとも、 左右さうにてひかへそうろうやらん。

こたう。 かならずじょういんをむすぶべきにてそうらはず、 たゞがっしょう本体ほんたいにて、 そのなかにひかへられそうろうべし。

二十二、 一百四十五箇条問答 二五

一 ちかくてかならずしもまいらせそうらはねども、 とをらかにてひかへそうろうやらん。

こたう。 とをくもちかくも、 便びんによるべくそうろう。 いかなるもくるしみそうらはず。

二十二、 一百四十五箇条問答 二六

一 かならずほとけを、 いとをひかへそうらはずとも、 われもうさずともひともうさんねん0583ぶつをきゝても、 しにそうらはゞじょうにはおうじょうそうろうべきやらん。

こたう。 かならずいとをひくといふことそうらはず。 ほとけにむかひまひらせねども、 念仏ねんぶつだにもすればおうじょうそうろうなりまたきゝてもしそうろう。 それはよくよく信心しんじんふかくてのことそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 二七

一 ながくしょうをはなれ三界さんがいにむまれじとおもひそうろうに、 極楽ごくらくしゅじょうとなりても、 またそのえんつきぬればこのにむまるともうしそうろうは、 まことにてそうろうか。 たとひ国王こくおうともなり、 てんじょうにもむまれよ、 たゞ三界さんがいをわかれんとおもひそうろうに、 いかにつとめおこなひてか、 かえそうらはざるべき。

こたう。 これもろもろのひがごとにてそうろう極楽ごくらくへひとたびむまれそうらいぬれば、 ながくこのかえことそうらはず、 みなほとけになることにてそうろうなり。 たゞしひとをみちびかんためには、 ことさらにかえことそうろう。 されどもしょうにめぐるひとにてはそうらはず。 三界さんがいをはなれ極楽ごくらくおうじょうするには、 念仏ねんぶつにすぎたることそうらはぬなり。 よくよく念仏ねんぶつそうろうべきなり

二十二、 一百四十五箇条問答 二八

一 にょうぼうちょうもんそうろうに、 かいをたもたせそうろうをやぶりそうらはんずればとて、 たもつとももうしそうらはぬは、 いかゞそうろうべき。 たゞちょうもんのにわにては、 いちもたもつともうしそうろうがめでたきこともうしそうろうは、 まことにてそうろうか。

こたう。 これはくるしくそうらはず。 たとひのちにやぶれども、 そのときたもたんとおもふこころにてたもつともうすは、 よきことにてそうろう

0584二十二、 一百四十五箇条問答 二九

一 ぶつはくをおして、 またようそうろうか。

こたう。 さそうらはずとも。

二十二、 一百四十五箇条問答 三〇

一 しょをかきてひとにしいれさせそうろうは、 いかゞそうろうべき。

こたう。 さなくともそうらひなむ。

二十二、 一百四十五箇条問答 三一

一 かんきょうそうにたゝむは、 つみもうしそうろうはいかゞそうろうべき。

こたう。 つみえぬことにてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 三二

一 ほとけにするきょうを、 とりはなちてひとにもたぶは、 つみにてそうろうか。

こたう。 ひろむるはどくにてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 三三

一 いちとあるきょう一巻いっかんづゝとりはなちてよまんは、 つみにてそうろうか。

こたう。 つみにてもそうらはず。

二十二、 一百四十五箇条問答 三四

一 ほとけに厨子ずしをさしてすゑまいらせては、 ようすべくそうろうか。

こたう一切いっさいあるまじ。

二十二、 一百四十五箇条問答 三五

一 きょうをおがむことそうろうべきか。

こたう。 このごろのひとの、 えこころえぬことにてそうろうなり

二十二、 一百四十五箇条問答 三六

一 七歳しちさいしにて、 いみなしともうしそうろうはいかに。

こたうぶっきょうにはいみといふことなし。 ぞくもうしたらんやうに。

二十二、 一百四十五箇条問答 三七

一 ぶつににかはをそうろうが、 きたなくそうろう。 いかゞしそうろうべき。

こたう。 まことにきたなけれども、 せではかなふまじければ。

二十二、 一百四十五箇条問答 三八

一 あま服薬ぶくやくそうろうは、 わろくそうろうか。

こたう。 やまひにくふはくるしからず、 たゞはあ0585し。

二十二、 一百四十五箇条問答 三九

一 父母ぶものさきにぬるは、 つみともうしそうろうはいかに。

こたう穢土えどのならひ、 ぜんちからなきことにてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 四〇

一 いきてつくりそうろうどくはよくそうろうか。

こたう。 めでたし。

二十二、 一百四十五箇条問答 四一

一 ひとのまぼりをえてそうらはんは、 ようそうろうべきか。

こたう。 せずともくるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 四二

一 わゝくにものくるゝは、 つみにてそうろうか。

こたう。 つみにてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 四三

一 きょうをしてようせずとも、 くるしからずそうろうか。

こたう。 たゞよむ。

二十二、 一百四十五箇条問答 四四

一 きょうせんよみては、 ようそうろうべきか。

こたう。 さもそうろうまじ。

二十二、 一百四十五箇条問答 四五

一 さんことはんまんなんどかざりそうろうべきか。

こたう。 されでも、 たゞ一心いっしん大切たいせつそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 四六

一 こうをほとけにまいらせそうろうこと

こたう。 あかつきようほうにかならずまいらせそうろう。 たゞは、 はなかめにさし、 ちらしてもようすべし。 こうはかならずたくべし。 便たよりあしくは、 なくとも。

二十二、 一百四十五箇条問答 四七

一 きょうをば、 そうにうけそうろうべきか。

こたう。 われとよみつべくは、 そうにうけずとも。

二十二、 一百四十五箇条問答 四八

一 ちょうもん・ものまうでは、 かならずしそうろうべきか。

こたう。 せずとも。 中々なかなかわろくそうろう。 し0586づかにたゞ念仏ねんぶつそうらへ。

二十二、 一百四十五箇条問答 四九

id="l586-2"一 かみ後世ごせもうしそうろうこと、 いかむ。

こたうぶつもうすにはすぐまじ。

二十二、 一百四十五箇条問答 五〇

一 せっきょうは、 つみふかくそうろうか。 またにならんものも、 つみふかしともうしそうろうは、 まことにてそうろうか。

こたう本体ほんたいどくうべくそうろうに、 まっのはつみえつべし。 にならんものは、 つみ。

二十二、 一百四十五箇条問答 五一

一 麝香じゃこうちょうをもちそうろうは、 つみにてそうろうか。

こたう。 かをあつむるは、 つみ。

二十二、 一百四十五箇条問答 五二

一 、 おとこにきょうならふこと、 いかゞそうろうべき。

こたう。 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 五三

一 還俗げんぞくのものにあはせずともうしそうろうは、 まことにてそうろうか。

こたう。 さまでとかず、 ひがごと

二十二、 一百四十五箇条問答 五四

一 還俗げんぞくこころならずしてそうらはんは、 いかに。

こたう。 あさくや。

二十二、 一百四十五箇条問答 五五

一 神仏しんぶつへまいらんに、 三日みっか一日いちにちしょうじん、 いづれかよくそうろう

こたうしんほんにす。 いくかと本説ほんせつなし、 三日みっかこそよくそうらはめ。

二十二、 一百四十五箇条問答 五六

一 うたよむは、 つみにてそうろうか。

こたう。 あながちにえそうらはじ。 たゞしつみもえ、 どくにもなる。

二十二、 一百四十五箇条問答 五七

一 さけのむは、 つみにてそうろうか。

こたう。 まことにはのむべくもなけれども、 こののな0587らひ。

二十二、 一百四十五箇条問答 五八

一 さかなとり鹿しかは、 かはりそうろうか。

こたう。 たゞおなじこと。

二十二、 一百四十五箇条問答 五九

一 あまになりてひゃくにちしょうじんは、 よくそうろうか。

こたう。 よし。

二十二、 一百四十五箇条問答 六〇

一 ぶつつくりて、 きょうはかならずそうろうべきか。

こたう。 かならずすべしともそうらはず、 またしてもよし。

二十二、 一百四十五箇条問答 六一

一 どくのたふるほどゝもうしそうろうは、 まことにてそうろうか。

こたう沙汰さたにおよびそうらはず、 ちからのたふるほど。

二十二、 一百四十五箇条問答 六二

一 きょうぶつと、 かならずいちにすゑそうろうか。

こたう。 さもそうらはず、 ひとつゞつも。

二十二、 一百四十五箇条問答 六三

一 ¬錫杖しゃくじょう¼ はかならずじゅすべきか。

こたう。 さなくとも、 そのいとまに念仏ねんぶつ一遍いっぺんもうすべし。 あまほうこそ、 ありくときむしのためにじゅそうらへ。

二十二、 一百四十五箇条問答 六四

一 いみのものまうでしそうろうはいかに。

こたう。 くるしからず。 ほん命日めいにちも。

二十二、 一百四十五箇条問答 六五

一 ぎゃくじゅうあく一念いちねんじゅうねんにほろびそうろうか。

こたう。 うたがひなくそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 六六

一 りんじゅうぜんしきにあひそうらはずとも、 ごろの念仏ねんぶつにておうじょうはしそうろうべきか。

こたうぜんしきにあはずとも、 りんじゅうおもふようならずとも、 念仏ねんぶつもうさばおうじょうすべし。

二十二、 一百四十五箇条問答 六七

一 ほうしょうぼうぎゃくのつみにおほくまさりともうしそうろうは、 まことにてそうろうか。

こたう。 これはい0588ひとのせぬことにてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 六八

一 しにそうらはんものゝかみは、 そりそうろうべきか。

こたう。 かならずさるまじ。

二十二、 一百四十五箇条問答 六九

一 こころ妄念もうねんのいかにもおもはれそうろうは、 いかゞしそうろうべき。

こたう。 たゞよくよく念仏ねんぶつもうさせたまへ。

二十二、 一百四十五箇条問答 七〇

一 わがれうのりんじゅうもの、 まづひとにかしそうろうは、 いかゞそうろうべき。

こたう。 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 七一

一 しきのいと、 うむこと

こたう。 おさなきものにうます。

二十二、 一百四十五箇条問答 七二

一 ふしあるようをばつかはず、 続帯ぞくたい青帯あおおびもんおびするはいむともうしそうろうは。

こたう。 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 七三

一 服薬ぶくやくのわたは、 あらひそうらはざらんはいかゞそうろう

こたう。 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 七四

一 よきものをき、 わろきところにゐて、 おうじょうねがひそうろうはいかゞそうろう

こたう。 くるしからず。 八斎はっさいかいときこそ、 さはそうらはめ。

二十二、 一百四十五箇条問答 七五

一 つきのはゞかりのとききょうよみそうろう、 いかゞそうろう

こたう。 くるしみあるべしとへずそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 七六

一 もうしそうろうことのかなひそうらはぬにきょうよみそうろう、 いかゞそうろう

こたう。 うらむべからず。 えんにより、 しんのありなしによりて、 しょうはあり。 この・のちのぶつをたのむには0589しかず。

二十二、 一百四十五箇条問答 七七

一 ひる・しゝは、 いづれも七日しちにちにてそうろうか。 またしゝのひたるは、 いみふかしともうしそうろうは、 いかに。

こたう。 ひるもこううせなば、 はゞかりなし。 しゝのひたるによりて、 いみふかしということは、 ひがごと

二十二、 一百四十五箇条問答 七八

一 つきのはゞかりのあひだ、 かみのれうに、 きょうはくるしくそうろうまじか。

こたうかみやはゞかるらん、 仏法ぶっぽうにはいまず。 おんみょうにとはせたまへ。

二十二、 一百四十五箇条問答 七九

一 うみて、 仏神ぶつじんへまいることひゃくにちはゞかりともうしそうろうは、 まことにてそうろうか。

こたう。 それも仏法ぶっぽうにいまず。

二十二、 一百四十五箇条問答 八〇

一 ¬法華ほけきょう¼ 一品いちぼんよみさして、 さかなくはずともうしそうろうは、 いかに。

こたう。 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 八一

一 ずゞ・かけをびかけずして、 きょうをうけそうろうことは、 いかに。

こたう。 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 八二

一 ときにまめ・あづきのれうくはずともうしそうろうは、 まことにてそうろうか。

こたう。 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 八三

一 ねてもさめても、 くちあらはで念仏ねんぶつもうしそうらはんは、 いかゞそうろうべき。

こたう。 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 八四

一 しんをうくるは、 つみにてそうろうか。

こたう。 つとめしてくふそうは、 くるしからず。 せ0590ねばふかし。

二十二、 一百四十五箇条問答 八五

一 かみのあたりのものくふはくちなわともうしそうろうは、 いかに。

こたう禰宜ねぎ神主かんぬしは、 ひとへにそのになるにこそさらぬが、 すこしくはんはおもからじ。

二十二、 一百四十五箇条問答 八六

一 そうものくひそうろうも、 つみにてそうろうか。

こたう。 つみうるもそうろう、 えぬもそうろうぶつのもの、 ほう結縁けちえんものくふはつみ。

二十二、 一百四十五箇条問答 八七

一 大仏だいぶつ天王てんのうなんどのへんにゐて、 そうものくひて、 後世ごせとらんとしそうろうひとは、 つみか。

こたう念仏ねんぶつだにもうさば、 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 八八

一 ときするあした、 れうあまたにむかふ、 いかゞそうろう

こたう。 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 八九

一 ときのつとめて、 みそうつ、 いかに。

こたう。 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 九〇

一 かいをたもちてのち、 しょうじんいくかゝしそうろう

こたう。 いくかもこころ

二十二、 一百四十五箇条問答 九一

一 ちょうもんどくそうろうか。

こたうどくそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 九二

一 念仏ねんぶつぎょうにしたるものが、 ものまうでは、 いかに。

こたう。 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 九三

一 ものまうでして、 きょうこうすべきに、 きょうをばよまで念仏ねんぶつこうする、 くるしからずともうしそうろうは、 いかに。

こたう。 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 九四

一 わがこころざゝぬさかなは、 せっしょうにてはそうらはぬか。

こたう。 それはせっしょうならず。

0591二十二、 一百四十五箇条問答 九五

一 服薬ぶくやくのずゞは、 あらひそうろうべきか。

こたう。 あらひあらはず、 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 九六

一 千手せんじゅやくは、 ものいませたまふともうす、 いかに。

こたう。 さることなし。

二十二、 一百四十五箇条問答 九七

一 六斎ろくさいに、 にら・ひる、 いかに。

こたう。 めさゞらんはよくそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 九八

一 ときのくひものは、 きよくしそうろうべきか。

こたう。 れいのじょうぎょうずいそうろうまじ、 かねてしょうじんそうろうまじ。 ひされも、 たゞのおりのにてそうろうべし。 とき誦文じゅもんにょうぼうはせずとも、 たゞ念仏ねんぶつもうさせたまへ。 さしたることありてときをかきたらば、 いつのにてもせさせたまへ。

二十二、 一百四十五箇条問答 九九

一 三年さんねんおがみのこと、 しそうろうべきか。

こたう。 さらずともそうらいなん。

二十二、 一百四十五箇条問答 一〇〇

一 ときのさばには、 あはせをそうろうべきか。 とき散飯さばをば、 おくのうゑにうちあげそうろうべきか、 かはらけにとりそうろうべきか、 わがひきれのさらにとりそうろうべきか。

こたう。 いづれもこころ

二十二、 一百四十五箇条問答 一〇一

一 おんなのものねたむことは、 つみにてそうろうか。

こたう世世せせおんなとなるほうにて、 ことにこころうきことなり

二十二、 一百四十五箇条問答 一〇二

一 しゅっそうらはねども、 おうじょうはしそうろうか。

こたうざいながらおうじょうするひとおほし。

二十二、 一百四十五箇条問答 一〇三

一 しきのいとを、 あまたにきりてひとにたばんは、 いかゞそうろうべき。

こたう。 きるべから0592ず。

二十二、 一百四十五箇条問答 一〇四

一 念仏ねんぶつもうしそうろうに、 はらのたつこころのさまざまにそうろう、 いかゞしそうろうべき。

こたう散乱さんらんこころ、 よにわろきことにてそうろう。 かまへて一心いっしんもうさせたまへ。

二十二、 一百四十五箇条問答 一〇五

一 かみつけながら、 おとこ・おんなのしにそうろうは、 いかに。

こたう。 かみによりそうらはず、 たゞ念仏ねんぶつへたり。

二十二、 一百四十五箇条問答 一〇六

一 あまの、 うみ、 おとこもつことは、 ぎゃく罪ほどゝもうす、 まことにてそうろうか。

こたうぎゃくほどならねども、 おもくへてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一〇七

一 あまほう、 かみをおほす、 つみにてそうろうか。

こたうさん悪道まくどうごうにてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一〇八

一 きょうぶつなんどうりそうろうは、 つみにてそうろうか。

こたう。 つみふかくそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一〇九

一 ひとをうりそうろうも、 つみにてそうろうか。

こたう。 それもつみにてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一一〇

一 しょうじんとき、 つめきらぬともうすまたおんなにかみそらせぬともうしそうろう、 いかに。

こたう。 みなひがごと

二十二、 一百四十五箇条問答 一一一

一 われもひとも、 さゑもんかく、 つみにてそうろうか。

こたう。 すごさゞらんには、 なにかつみにてそうろうべき。

二十二、 一百四十五箇条問答 一一二

一 さけのいみ、 七日しちにちもうしそうろうは、 まことにてそうろうか。

こたう。 さにてそうろう。 されども、 やまひに0593はゆるされてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一一三

一 ぎょちょうくひては、 いかけしてきょうはよみそうろうべきか。

こたう。 いかけしてよむ、 本体ほんたいにてそうろう。 せでよむは、 どくつみとゝもにそうろう。 たゞしいかけせでも、 よまぬよりは、 よむはよくそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一一四

一 ・おとこ、 ひとつにてきょうよみそうらはんこと、 いかけしそうろうべきか。

こたう。 これもおなじこと本体ほんたいはいかけしてよむべくそうろう念仏ねんぶつはせでもくるしからず、 きょうはいかけしてよみそうろうべし。 毎日まいにちによみそうろうとも。

二十二、 一百四十五箇条問答 一一五

一 大根だいこんゆずは、 おこなひにはゞかりともうしそうろうは、 いかに。

こたう。 はゞかりなし。

二十二、 一百四十五箇条問答 一一六

一 あまになりたるかみ、 いかゞしそうろうべき。

こたうきょうりょうにすき、 もしはぶつなかにこそはこめそうらへ。

二十二、 一百四十五箇条問答 一一七

一 あまほうの、 こんのきぬきそうろうはいかに。

こたう。 よにつみうることにてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一一八

一 ものまうでしそうらはんに、 男女なんにょかみあらひ、 せめてはいたゞきあらふともうしそうろうは、 まことそうろうか。

こたう。 いづれもさることそうらはず。

二十二、 一百四十五箇条問答 一一九

一 ぶつをうらむることは、 あるまじきことにてそうろうな。

こたう。 いかさまにも、 ぶつをうらむることなかれ。 しんあるもの大罪だいざいすらめっす、 しんなきものしょうざいだにもめっせず。 わがしんのな0594ことをはづべし。

二十二、 一百四十五箇条問答 一二〇

一 八専はっせんに、 ものまうでせぬともうすは、 まことにてそうろうか。

こたう。 さることそうらはず。 いつならんからに、 ぶつみみきかせたまはぬことの、 なじかそうろうべき。

二十二、 一百四十五箇条問答 一二一

一 きゅうときものまうでせず、 そのおりのきものもすつるともうしそうろうは。

こたう。 これまたきはめたるひがごとにてそうろう。 たゞきゅうをいたはりて、 ありきなんどをせぬことにてこそそうらへ。 きゅうのいみ、 あることそうらはず。

二十二、 一百四十五箇条問答 一二二

一 ひる・しゝくひて、 三年さんねんがうちにしにそうらへばおうじょうせずともうしそうろうは、 まことにてそうろうやらむ。

こたう。 これまたきわめたるひがごとにてそうろうりんじゅうしんくひたるものをばよせずともうしたることそうらへども、 三年さんねんまでいむことは、 おほかたそうらはぬなり

二十二、 一百四十五箇条問答 一二三

一 やくびょうやみてぬるものうみてぬるものは、 つみともうしそうろうはいかに。

こたう。 それも念仏ねんぶつせばおうじょうそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一二四

一 きょうよう、 おやのするはうけずともうしそうろう、 いかに。

こたう。 ひがごとなり。

二十二、 一百四十五箇条問答 一二五

一 さんのいみ、 いくかにてそうろうぞ、 またいみもいくかにてそうろうぞ。

こたうぶっきょうには、 いみといふことそうらはず。 けんには、 さん七日しちにちまたさんじゅうにちもうすげにそうろう、 いみもじゅうにちもうす。 こころそうろう

0595二十二、 一百四十五箇条問答 一二六

一 もつぶっきょうしをくことは、 いちじょうすべくそうろうか。

こたういちじょうにてそうろう、 すべくそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一二七

一 しょかきてしいれ、 かねてかゝんずるを、 まづしそうろうはいかに。

こたう。 しいるゝはくるしからず、 かねてはだいなり

二十二、 一百四十五箇条問答 一二八

一 しゅっは、 わかきとおひたると、 いづれかどくにてそうろう

こたうおいては、 どくばかりえそうろう。 わかきは、 なをめでたくそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一二九

一 ぶつはなまいらする誦文じゅもんじっ波羅ぱらみつおうじょうすともうしそうろうらんのためにまいらせそうろう

こたう。 これせんなし、 念仏ねんぶつもうさせたまへ。

二十二、 一百四十五箇条問答 一三〇

一 いみのものの、 ものへまいりそうろうことは、 あしくそうろうか。

こたう。 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 一三一

一 ものまうでしてかえさにわがもとへかえらぬことはあし。 またぎょちょうにやがてみだれそうろうこと、 いかに。

こたうくまのほかは、 くるしからず。

二十二、 一百四十五箇条問答 一三二

一 ときのおりの誦文じゅもんは、 かくしそうろうべしともうしそうろうらんのためにまいらせそうろう

こたうときのおりも、 たゞ念仏ねんぶつもうさせたまへ。 にょうぼう誦文じゅもんせずとも。

二十二、 一百四十五箇条問答 一三三

一 にょうぼうものねたみのこと、 さればつみふかくそうろうな。

こたう。 たゞよくよく一心いっしん念仏ねんぶつもうさせたまへ。

二十二、 一百四十五箇条問答 一三四

一 きりのはい、 かみにつくるは、 仏神ぶつじんもうすことのかなはぬともうしそうろうは、 まことにてそうろうか。

0596。 そらごとなり。

二十二、 一百四十五箇条問答 一三五

一 ものへまいりそうろうしょうじん三日みっかといふまいりそうろうべきか、 四日よっかのつとめてか。

こたう三日みっかのつとめてまいる。

二十二、 一百四十五箇条問答 一三六

一 ものこもりてそうろうに、 三日みっかとおもひそうらはんは四日よっかになしていで、 七日なのかとおもひてそうらはんは八日ようかになしていでそうろうべきか。

こたう。 それはひとのせんやうに。

二十二、 一百四十五箇条問答 一三七

一 ずゞには、 さくら・くりいむともうしそうろうは、 いかに。

こたう。 さることそうらはず。

二十二、 一百四十五箇条問答 一三八

一 ほうのつみは、 ことにふかしともうしそうろうは。

こたう。 とりわきそうらはず。

二十二、 一百四十五箇条問答 一三九

一 げんをいのりそうろうに、 しるしのそうらはぬひとはいかにそうろうぞ。

こたうげんをいのるにしるしなしともうすことぶつおんそらごとにはそうらはず。 わがこころせつのごとくせぬによりて、 しるしなきことそうろうなり。 されば、 よくするにはみなしるしはそうろうなり観音かんのんねんずるにも、 一心いっしんにすればしるしそうろう、 もし一心いっしんなければしるしそうらはず。

むかしのえんあつきひとは、 じょうごうすらなをてんず。 むかしもいまもえんあさきひとは、 ちりばかりのくるしみにだにも、 しるしなしともうしそうろうなり

ぶつをうらみおぼしめすべからず。 たゞこの・のちののために、 ぶつにつかへむには、 こころをいたし、 まことをはげむこと、 このもおもふことかなひ、 のちのじょうにむまるゝことにてそうろうなり。 しるしなくは、 わが0597こころをはづべし。

二十二、 一百四十五箇条問答 一四〇

  建仁けんにん元年がんねんじゅうがつじゅう四日よっか、 げざんにいりて、 とひまいらすること

一 りんじゅうときじょうのものゝそうろうには、 ぶつのむかへにわたらせたまひたるもかえらせたまふともうしそうろうは、 まことにてそうろうか。

こたうぶつのむかへにおはしますほどにては、 じょうのものありといふとも、 なじかはかえらせたまふべき。 ぶつはきよき・きたなきの沙汰さたなし。 みなされどもかんずれば、 きたなきもきよく、 きよきもきたなくしなす。 たゞ念仏ねんぶつぞよかるべき、 きよくとも念仏ねんぶつもうさゞらんにはやくなし。 ばんをすてゝ念仏ねんぶつもうすべし、 しょうのみおほかり。

二十二、 一百四十五箇条問答 一四一

  これは御文おんふみにてたづねもう

一 いえのうちのものゝ、 したしき・うときをきらはず、 おうじょうのためとおもひて、 くひもの・きものたばんは、 ぶつようせんとおなじことにてそうろうか。

こたう。 したしき・うときをえらばず、 おうじょうのためとおぼしめして、 ものたびおはしまさん、 めでたきどくにてそうろうおんつかひによくよくもうしそうらいぬ。

二十二、 一百四十五箇条問答 一四二

一 かいそう愚痴ぐちそうようせんもどくにてそうろうか。

こたうかいそう愚痴ぐちそうを、 すゑのにはぶつのごとくたとむべきにてそうろうなり。 このおんつかひにもうしそうらいぬ。 きこしめし0598そうらへ。

 このことばゝ、 しょうにんのまさしき御手みてなり。 あみだきょうのうらにおしたり。

二十二、 一百四十五箇条問答 一四三

  見参けんざんにいりてうけたまはること

一 毎日まいにちしょに、 六万ろくまんじゅうまん数遍しゅへんをずゞをくりてもうしそうらはんと、 まん三万さんまんをずゞをたしかにひとつづゝもうしそうらはんと、 いづれかよくそうろうべき。

こたうぼんのならひ、 まん三万さんまんあつとも、 如法にょほうにはかなひがたからん。 たゞ数遍しゅへんのおほからんにはすぐべからず、 みょうごう相続そうぞくせんためなり。 かならずしもかずをようとするにはあらず、 たゞつねに念仏ねんぶつせんがためなり。 かずをさだめぬはだい因縁いんねんなれば、 数遍しゅへんをすゝむるにてそうろう

二十二、 一百四十五箇条問答 一四四

一 真言しんごん弥陀みだようほうは、 正行しょうぎょうにてそうろうべきか。

こたう仏体ぶったいひとつにはにたれども、 そのこころどうなり。 真言しんごんきょう弥陀みだは、 これしん如来にょらい、 ほかをたづぬべからず。 このきょう弥陀みだは、 これ法蔵ほうぞう比丘びくじょうぶつなり西方さいほうにおはしますゆへに、 そのこころおほきにことなり。

二十二、 一百四十五箇条問答 一四五

一 つねにあくをとゞめ、 ぜんをつくるべきことをおもはへて念仏ねんぶつもうしそうらはんと、 たゞ本願ほんがんをたのむばかりにて念仏ねんぶつもうしそうらはんと、 いづれかよくそうろうべき。

こたう廃悪はいあく修善しゅぜんは、 しょ0599ぶつ通戒つうかいなり。 しかれども、 とうのわれらは、 みなそれにはそむきたるともなれば、 たゞひとへにべっがんのむねをふかくしんじて、 みょうごうをとなへさせたまはんにすぎそうろうまじ。 有智うち无智むちかいかいをきらはず、 弥陀みだほとけは来迎らいこうたまうことにてそうろうなりこころそうらへ。