りょうもん

 

 *もろもろの*ぞうぎょう*雑修ざっしゅ*りきのこころをふりすてて、 一心いっしん*弥陀みだ如来にょらい、 われらがこんいちだい*しょう*おんたすけそうらへとたのみまうしてそうろふ。

*たのむ*一念いちねんのとき、 *おうじょういちじょうおんたすけ*じょうぞんじ、 このうへの*称名しょうみょうは、 おん報謝ほうしゃぞんじよびまうしそうろふ。

*このおんことわりちょうもんもうしわけそうろふこと、 *開山かいさんしょうにん (*親鸞) しゅっおんだいそうじょう*ぜんしきのあさからざる*かんおんと、 ありがたくぞんそうろふ。

*このうへはさだめおかせらるるおんおきて*いちをかぎりまもりまうすべく候ふ

もろもろの… この一段は安心あんじんを顕す。
御たすけ候へとたのみ 「御たすけ候へ」 は 「たすけたまへ」 に同じ。 →たすけたまへたのむ
たのむ一念… この一段は報謝を顕す。
この御ことわり… この一段は師徳を述べる。
このうへは… この一段ははっを守るべきことを明かす。

                       *本願ほんがんしゃく*法如ほうにょ (花押)

 みぎ*りょうしゅつごんもんは、 しんしょういん*蓮如れんにょさだめおかせらるるところなり。 *しんしゅう念仏ねんぶつぎょうじゃすでに*一念いちねんみょう*信心しんじん発得ほっとくせるりょうそうじょうなり。 このゆゑにこんいっしゅう*道俗どうぞく時々じじぶっぜんにしてこの*安心あんじんしゅつごんし、 みづからのりょうあやまりなきことをけいびゃくするなり。

しかるにこのごろそのしょういちだい*きょうこつし、 みづからたしかに弥陀みだをたのみたる一念いちねんりょうもなく、 またこの*りょうもんをも*とくせざるたぐいあり。 あるいはとくしゅつごんしながら、 *しんかくにして*ざんせざるのものあり。 はなはだたんすべきところなり。

こひねがはくはいっしゅう道俗どうぞく、 このしゅつごんのごとく、 一念いちねんみょう本源ほんげんをあやまらず*如実にょじつ相応そうおうして、 すみやかにいちだいおうじょうぐべきものなり。

このゆゑにいまひめおきしれん (蓮如) の真蹟しんせきしゃ印刻いんこくして、 いえごとにつたへ、 ごとにさずけて、 なが*じょうしんしゅういちしょうせしめんとおもふものなり。

軽忽 軽くみてなおざりにすること。
記得 記憶し身につけること。
心口各異 心に思っていることと口に出して言うことが一致しないこと。 ¬大経¼ (下) 「五善五悪」 に出る言葉。
如実相応 真実にかなうこと。

  *天明てんめいしちひのとのひつじのとしがつ        しゃく*文如もんにょこれをしるす (花押)

天明七 1787年。