0343◎*仏説ぶっせつ大だい乗じょう無む量りょう寿じゅ荘しょう厳ごん経きょう 巻かん*上じょう

*西天さいてん*訳やく経きょう三蔵さんぞう朝ちょう散さん大たい夫ふ試し光こう禄ろく卿きょう明教うきょう大だい師し*臣しん法賢ほっけん奉ぶ詔しょう訳やく

 

一 序分
  Ⅰ 証信序
    ⅰ 六事成就

【1】 ◎かくのごとくわれ聞ききたてまつりき。

◎○如ク↠是クノ我聞キタテマツリキ。

ひと時とき仏ぶつ、 王舎おうしゃ城じょう鷲じゅ峰ぶ山せんのうちにましまして、 大だい苾芻びっしゅ衆しゅ三万さんまん二に千人せんにんと倶ともなりき。 みな阿羅あら漢かんを得え、 大だい神通じんずうを具ぐせり。

○一時仏在シテ↢王舎城鷲峰山ノ中ニ↡、○与↢大苾芻衆三万二千人↡倶ナリキ。皆得↢阿羅漢ヲ↡、具セリ↢大神通ヲ↡。

その名なをば尊者そんじゃ阿あ若にゃ憍きょう陳ちん如にょ・尊者そんじゃ馬め勝しょう・尊者そんじゃ麼ま瑟しつ比拏ひな・尊者そんじゃ大だい名みょう・尊者そんじゃ跋ばっ多婆たば・尊者そんじゃ称しょう天てん・尊者そんじゃ離垢りく・尊者そんじゃ妙みょう臂ひ・尊者そんじゃ布ふ闌らん拏な枳き曩のう・尊者そんじゃ憍きょう梵ぼん波は提だい・尊者そんじゃ優楼うる頻びん螺ら迦か葉しょう・尊者そんじゃ那な提だい迦か葉しょう・尊者そんじゃ舎しゃ利子りし・尊者そんじゃ大目だいもく乾連けんれん・尊者そんじゃ摩訶まか迦か旃延せんえん・尊者そんじゃ摩訶まか倶絺くち羅ら・尊者そんじゃ劫賓こうひん那な・尊者そんじゃ摩訶まかそん那な・尊者そんじゃ弥多みた羅尼らに子し・尊者そんじゃ阿那あな律りつ・尊者そんじゃ喜き・尊者そんじゃ緊きん鼻哩びり拏な・尊者そんじゃ須しゅ菩ぼ提だい・尊者そんじゃ哩り嚩帝はくてい・尊者そんじゃ佉か禰ね囉ら嚩はく你枳にき曩のう・尊者そんじゃ摩賀まが囉ら倪げい・尊者そんじゃ波囉はら野尼やに枳き曩のう・尊者そんじゃ嚩はっ拘く隷ら曩のう・尊者そんじゃ阿あ難なん陀だ・尊者そんじゃ羅ら睺羅ごら・尊者そんじゃ善来ぜんらいといひき。 かくのごときらの三万さんまん二に千人せんにんと倶ともなりき。

○其ノ名ヲバ曰ヒキ↢尊者阿若憍陳如・尊者馬勝・尊者麼瑟比拏・尊者大名・尊者跋多婆・尊者称天・尊者離垢・尊者妙臂・尊者布闌拏枳曩・尊者憍梵波提・尊者優楼頻螺迦葉・尊者那提迦葉・尊者舎利子・尊者大目乾連・尊者摩訶迦旃延・尊者摩訶倶絺羅・尊者劫賓那・尊者摩訶那・尊者弥多羅尼子・尊者阿那律・尊者喜・尊者緊鼻哩拏・尊者須菩提・尊者哩嚩帝・尊者佉禰囉嚩*你枳曩・尊者摩賀囉倪・尊者波囉野尼枳曩・尊者嚩拘隷曩・尊者阿難陀・尊者羅睺羅・尊者善来ト↡。如キ↠是クノ等ノ三万二千人ト倶ナリキ。

一 Ⅱ 発起序

【2】 その時とき尊者そんじゃ阿あ難なんすなはち座ざより起たちて、 ひとへに右みぎの肩かたを袒かたぬぎ、 右みぎの膝ひざを地じに著つけ、 合がっ掌しょうし頂ちょう礼らいして、 仏ぶつにまうしてまうさく、

○爾ノ時尊者阿難即チ従リ↠座起チテ、偏ニ袒ギ↢右ノ肩ヲ↡、右ノ膝ヲ著ケ↠地ニ、合掌シ頂礼シテ、白シテ↠仏ニ言ク、

世せ尊そん・如来にょらい・応おう・正しょう等覚とうがく、 諸根しょこん清浄しょうじょうにして、 面色めんしき円満えんまんし、 宝刹ほうせつ荘しょう厳ごんせり。 かくのごときの功く徳どく未み曽ぞ有うなることを得えたり。

○世0344尊・如来・応・正等覚、諸根清浄ニシテ、面色円満シ、宝刹荘厳セリ。如キノ↠是クノ功徳得タリ↢未曽有ナルコトヲ↡。

いかんが所しょ行ぎょう、 広大こうだいの妙行みょうぎょう、 および過去かこ・未み来らいの諸仏しょぶつの所しょ行ぎょうなる。 願ねがはくはために宣説せんぜつしたまへと。

○云何ガ所行、広大ノ妙行、○及ビ過去・未来ノ諸仏ノ所行ナル。○願クハ為ニ宣説シタマヘト。

仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 善哉ぜんざい善哉ぜんざい、 なんぢ一切いっさい衆しゅ生じょうを利り益やくせんがために、 慈じ愍みんの心こころを懐いだき、 よく如来にょらいに微み妙みょうの義ぎを問とへり。

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、善哉善哉、○汝為ニ↣利↢益セムガ一切衆生ヲ↡、懐キ↢慈愍ノ心ヲ↡、能ク問リ↢如来ニ微妙之義ヲ↡。

なんぢ、 いまあきらかに聴きき、 よくこれを思し念ねんせよ。 如来にょらい・応おう供ぐ・正しょう遍へん知ち、 いまなんぢがために説とかんと。

○汝、今諦ニ聴キ、善ク思↢念セヨ之ヲ↡。如来・応供・正遍知、今為ニ↠汝ガ説カムト。

二 正宗分
  Ⅰ 菩薩発願
    ⅰ 三十八仏

【3】 仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 過去かこ無む量りょう無む辺へん不可ふか思議しぎ阿あ僧そう祇ぎ劫こうのごとき、 その時とき仏ぶつ世せ尊そんましまして世よに出しゅつ現げんしたまへり。 名なをば然灯ねんとう如来にょらい・応おう・正しょう等覚とうがくといひき。

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、如キ↢過去無量無辺不可思議阿僧祇劫ノ↡、爾ノ時有シテ↢仏世尊↡出↢現シタマヘリ於世ニ↡。名ヲバ曰ヒキ↢然灯如来・応・正等覚ト↡。

かの然灯ねんとう仏ぶつの前まえにまた世せ尊そんましまして世せ間けんに出しゅつ現げんしたまへり、 鉢囉はら多た波野はや輸しゅ如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 発光はっこう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 賛さん那な曩のう誐囉がら護ご如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 須しゅ弥み劫こう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 月面がつめん如来にょらいとなづく。

○彼ノ然灯仏ノ前ニ復有シテ↢世尊↡出↢現シタマヘリ世間ニ↡、名ク↢鉢囉多波野輸如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢発光如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢賛那曩誐囉護如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢須弥劫如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢月面如来ト↡。

またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 無垢むく面めん如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 無む著じゃく如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 竜りゅう主しゅ如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 日面にちめん如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 山響せんこう音王おんおう如来にょらいとなづく。

~又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢無垢面如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢無著如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢竜主如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢日面如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢山響音王如来ト↡。

またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 須しゅ弥峰みぶ如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 金蔵こんぞう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 火か光こう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 不ふ動どう地じ如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 瑠璃るり光こう如来にょらいとなづく。

~又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢須弥峰如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢金蔵如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢火光如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢不動地如来ト↡。又彼0345ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢瑠璃光如来ト↡。

またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 月王がつおう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 日音にっとん如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 散さん華げ荘しょう厳ごん如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 吉きっ祥しょう峰ぶ如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 持じ海かい慧え自じ在ざい通王つうおう如来にょらいとなづく。

~又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢月王如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢日音如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢散華荘厳如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢吉祥峰如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢持海慧自在通王如来ト↡。

またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 施せ光こう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 大香だいこう象光ぞうこう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 離り一切いっさい垢く如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 勇ゆう猛みょう峰ぶ如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 宝光ほうこう如来にょらいとなづく。

~又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢施光如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢大香象光如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢離一切垢如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢勇猛峰如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢宝光如来ト↡。

またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 持じ多た徳どく得通とくつう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 過か日にち月光がっこう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 最さい上じょう瑠璃るり光こう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 慧花えけ開心かいしん行ぎょう出生しゅっしょう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 大だい華け林りん通王つうおう如来にょらいとなづく。

~又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢持多徳得通如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢過日月光如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢最上瑠璃光如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢慧花開心行出生如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢大華林通王如来ト↡。

またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 一いち月光がっこう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 破は無む明みょう黒暗こくあん如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 真珠しんじゅ珊さん瑚ご蓋がい如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 三さん乗じょう法ほう自じ在ざい王おう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 師子しし海かい峰ぶ自じ在ざい王おう如来にょらいとなづく。 またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 梵音ぼんのん声じょう自じ在ざい王おう如来にょらいとなづく。

~又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢一月光如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢破無明黒暗如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢真珠珊瑚蓋如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢三乗法自在王如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢師子海峰自在王如来ト↡。又彼ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢梵音声自在王如来ト↡。

またかの仏ぶつの前まえに仏ぶつましまして世よに出いでたまへり、 世せ自じ在ざい王おう如来にょらい・応おう・正しょう等覚とうがく・明行みょうぎょう足そく・善逝ぜんぜい・世せ間けん解げ・無む上じょう士し・調じょう御ご丈じょう夫ぶ・天人てんにん師し・仏ぶつ・世せ尊そんと名なづく。

○又彼0346ノ仏ノ前ニ有シテ↠仏出デタマヘリ↠世ニ、名ク↢世自在王如来・応・正等覚・明行足・善逝・世間解・無上*士・調御丈夫・天人師・仏・世尊ト↡。

しかうして法ほう中ちゅうにおいて一いちの苾芻びっしゅあり、 名なをば作さ法ほうといふ。 信しん解げ第一だいいち、 明みょう記き第一だいいち、 修しゅ行ぎょう第一だいいち、 精しょう進じん第一だいいち、 智慧ちえ第一だいいち、 大だい乗じょう第一だいいちなり。

○而シテ於テ↢法中ニ↡有リ↢一ノ苾芻↡、名ヲバ曰フ↢作法ト↡。信解第一、明記第一、修行第一、精進第一、智慧第一、大乗第一ナリ。

二 Ⅰ ⅱ 讃仏偈

その時とき苾芻びっしゅみづからの本処ほんじょを離はなれて仏前ぶつぜんに来らい詣げいし、 頭ず面めんをもつて礼足らいそくし、 一面いちめんにおいて立たち、 すなはち伽他かだをもつて仏ぶつの面色めんしき端厳たんごんなるを嘆たんじ、 また広大こうだいの誓願せいがんを発おこし、 頌じゅしていはく、

○爾ノ時苾芻離レテ↢自ラノ本処ヲ↡来↢詣シ仏前ニ↡、頭面ヲモテ礼足シ、於テ↢一面ニ↡立チ、即チ以テ↢伽*他ヲ↡嘆ジ↢仏ノ面色端厳ナルヲ↡、復発シ↢広大ノ誓願ヲ↡、頌シテ曰ク、

 如来にょらい微み妙みょうの色しき端厳たんごんなり 一切いっさい世せ間けんに等ひとしきものあることなし

○如来微妙ノ色端厳ナリ○一切世間ニ無シ↠有ルコト↠等シキモノ

 光こう明みょう無む量りょうにして十方じっぽうを照てらす 日月にちがつ・火か珠しゅもみな曜かがやきを暱かくせり

○光明無量ニシテ照ス↢十方ヲ↡○日月・火珠モ○皆*暱カクセリ↠曜ヲ

 願ねがはくはわれ仏ぶつの清浄しょうじょうの声こえを得え 法音ほうおんあまねく無む辺へん界かいに及およぼし

○願クハ我得↢仏ノ清浄ノ声ヲ↡~法音普ク及ボシ↢無辺界ニ↡

 戒かい・定じょう・精しょう進じんの門もんを宣揚せんようし 甚深じんじん微み妙みょうの法ほうに通達つうだつせん

○宣↢揚シ戒・定・精進ノ門ヲ↡○通↢達セム甚深微妙ノ法ニ↡

 智慧ちえ広大こうだいにして深ふかきこと海うみのごとく 内心ないしん清浄しょうじょうにして塵労じんろうを絶ぜっし

○智慧広大ニシテ深キコト如ク↠海ノ○内心清浄ニシテ絶シ↢塵労ヲ↡

 無む辺へんの悪趣あくしゅの門もんを超ちょう過かし すみやかに菩ぼ提だい究く竟きょうの岸きしに到いたらん

○超↢過シ無辺ノ悪趣ノ門ヲ↡~速ニ到ラム↢菩提究竟ノ岸ニ↡

 また過去かこ無む量りょうの仏ぶつのごとく 威い光こうあまねく衆しゅ生じょう界かいを照てらし

○亦如ク↢過去無量ノ仏ノ↡○威光普ク照シ↢衆生界ヲ↡

 かの群ぐん生じょうの大だい導どう師しとなり 老ろう・死しを度ど脱だつして安隠あんのんならしめ

○為リ↢彼ノ群生ノ大導師ト↡○度↢脱シテ老・死ヲ↡令メ↢安隠ナラ↡

 つねに布施ふせおよび戒かい・忍にん・ 精しょう進じん・定じょう・慧えの六ろっ波羅ぱらを行ぎょうじて

○常ニ行ジテ↢布施及ビ戒・忍・○精進・定・慧ノ六波羅ヲ↡

 未度みどの有う情じょうをして度どすることを得えしめ 已度いどのものをして成じょう仏ぶつせしむ

○0347未度ノ有情ヲシテ令メ↠得↠度スルコトヲ~已度之者ヲシテ使ム↢成仏セ↡

 われ一切いっさいをもつて 百ひゃく千せん倶く胝てい那由なゆ他た

○我以テ↢一切ヲ↡伸ベ↣供↢養ヲ○百千倶胝那由他

 恒ごう河が沙数しゃしゅの仏ぶつ世せ尊そんに供く養ようを伸のべ われをして寂じゃく滅めつの果かを成じょう就じゅせしめたまへ

○恒河沙数ノ仏世尊ニ↡○令メタマヘ↣我ヲシテ成↢就セ寂滅ノ果ヲ↡

 また十方じっぽう諸仏しょぶつの刹せつあらんに つねに光こう明みょうを放はなちて一切いっさいを照てらし

○復有ラムニ↢十方諸仏ノ刹↡○恒ニ放チテ↢光明ヲ↡照シ↢一切ヲ↡

 殊しゅ勝しょうの荘しょう厳ごん等倫とうりんなからん 願ねがはくはわれ成じょう就じゅして群品ぐんぼんを利りせん

○殊勝ノ荘厳無カラム↢等倫↡○願クハ我成就シテ利セム↢群品ヲ↡

 あらゆる無む辺へん世せ界かい中ちゅうの 諸趣しょしゅを輪りん廻ねする衆しゅ生じょうの類るい

○所有ル無辺世界中ノ~輪↢廻スル諸趣ヲ↡衆生ノ類

 すみやかにわが刹くにに生しょうじて快け楽らくを受うけ 久ひさしからずしてともに無む上じょう道どうを成じょうぜん

○速ニ生ジテ↢我ガ刹ニ↡受ケ↢快楽ヲ↡~不シテ↠久シカラ倶ニ成ゼム↢無上道ヲ↡

 願ねがはくはわれ精しょう進じんしてつねに決けつ定じょうし つねに慈じ心しんを運めぐらし有う情じょうを抜ぬかん

○願クハ我精進シテ恒ニ決定シ~常ニ運メグラシ↢慈心ヲ↡抜カム↢有情ヲ↡

 阿鼻あびの苦くの衆しゅ生じょうを度どし尽つくすとも 発おこすところの弘ぐ誓ぜいは永ながく断たえざらんと

○度シ↢尽ストモ阿鼻ノ苦ノ衆生ヲ↡~所ノ↠発ス弘誓ハ永ク不ラムト↠断エ

二 Ⅰ ⅲ 思惟摂取

【4】 その時とき世せ尊そん、 阿あ難なんに告つげてのたまはく、 かの作さ法ほう苾芻びっしゅこの偈げを説ときをはりて、 世せ自じ在ざい王おう如来にょらいにまうさく、 われいま阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だい心しんを発おこし、 無む上じょう正しょう等とう正しょう覚がくを楽ぎょう求ぐす。

○爾ノ時世尊告ゲテ↢阿難ニ↡言ク、彼ノ作法苾芻説キ↢是ノ偈ヲ↡已リテ、白サク↢世自在王如来ニ↡、我今発シ↢阿耨多羅三藐三菩提心ヲ↡、楽↢求ス無上正等正覚ヲ↡。

やや願ねがはくは世せ尊そん、 もろもろの仏刹ぶっせつの功く徳どく荘しょう厳ごんを説ときたまへ。 もしわれ聞きくことを得えば、 つねにみづから厳ごん土どの行ぎょうを修しゅ持じせんと。

○唯願クハ世尊、説キタマヘ↢諸ノ仏刹ノ功徳荘厳ヲ↡。若シ我得バ↠聞クコトヲ、恒ニ自ラ修↢持セムト厳土之行ヲ↡。

その時とき世せ自じ在ざい王おう如来にょらい、 作さ法ほう苾芻びっしゅに告つげてのたまはく、 なんぢみづから思し惟ゆいせよ、 いかなる方便ほうべんを修しゅしてかよく仏刹ぶっせつの荘しょう厳ごんを成じょう就じゅせんと。

○爾ノ時世自在王如来告ゲテ↢作法苾芻ニ↡言ク、汝自ラ思惟セヨ、修シテカ↢何ナル方便ヲ↡而能ク成↢就セムト仏刹ノ荘厳ヲ↡。

苾芻びっしゅまうしてまうさく、 われ智慧ちえ微み浅せんにして、 厳刹ごんせつの行ぎょうを了りょう知ちすることあたはず。 如来にょらい・応おう・正しょう遍へん知ち、 願ねがはくはために諸仏しょぶつ刹せつ土どの荘しょう厳ごんの事じを宣説せんぜつしたまへと。

○苾芻白シテ言ク、我智慧微浅ニシテ、不↠能ハ↣了↢知スルコト厳刹之行ヲ↡。如来・応・正遍知、願クハ為ニ宣↢説0348シタマヘト諸仏刹土ノ荘厳之事ヲ↡。

時ときに世せ自じ在ざい王おう如来にょらい、 すなはちために八はち十じゅう四し百ひゃく千せん倶く胝てい那由なゆ他たの仏刹ぶっせつの功く徳どく荘しょう厳ごんの広大こうだい円満えんまんの相そうを宣説せんぜつしたまふに、 一劫いっこうを経へてまさに究く竟きょうすべし。

○時ニ世自在王如来、即チ為ニ宣↢説シタマフニ八十四百千倶胝那*由仏刹ノ功徳荘厳ノ広大円満之相ヲ↡、●経テ↢於一劫ヲ↡方ニ可シ↢究竟ス↡。

その時とき阿あ難なんこの事じを聞ききをはりて、 仏ぶつにまうしてまうさく、 世せ尊そん、 かの世せ自じ在ざい王仏おうぶつの寿じゅ量りょうの長ちょう短たんいかんぞ土どを説ときて一劫いっこうを経ふると。

○爾ノ時阿難聞キ↢是ノ事ヲ↡已リテ、白シテ↠仏ニ言ク、世尊、彼ノ世自在王仏ノ寿量ノ長短云何ゾ説キテ↠*土ヲ経ルト↢於一劫ヲ↡。

仏ぶつ、 阿あ難なんに告つげたまはく、 かの仏ぶつの寿じゅ命みょう満まん四し十劫じっこうなり。

○仏告ゲタマハク↢阿難ニ↡、彼ノ仏ノ寿命満四十劫ナリ。

阿あ難なん、 かの作さ法ほう苾芻びっしゅ仏ぶつの所説しょせつの八はち十じゅう四し百ひゃく千せん倶く胝てい那由なゆ他たの仏刹ぶっせつの功く徳どく荘しょう厳ごんの事じを聞ききて、 明了みょうりょうに通達つうだつすること一いち仏刹ぶっせつのごとし。

○阿難、彼ノ作法苾芻聞キテ↢仏ノ所説ノ八十四百千倶胝那由他ノ仏刹ノ功徳荘厳之事ヲ↡、明了ニ通達スルコト如シ↢一仏刹ノ↡。

即そく時じに会え中ちゅうにして頭ず面めんをもつて礼足らいそくし、 仏ぶつを辞じして退しりぞき、 一ひとつの静じょう処しょに往ゆきて独どく坐ざし、 功く徳どくを修しゅ習じゅうして仏刹ぶっせつを荘しょう厳ごんせんことを思し惟ゆいし大だい誓願せいがんを発おこして五ご劫こうを経へたり。

○即時ニ会中ニシテ頭面ヲモテ礼足シ、辞シテ↠仏ヲ而退キ、往キテ↢一ノ静*処ニ↡独坐シ、思↧惟シ修↢習シテ功徳ヲ↡荘↦厳セムコトヲ仏刹ヲ↥発シテ↢大誓願ヲ↡○経タリ↢於五劫ヲ↡。

その時とき作さ法ほう苾芻びっしゅまた世せ自じ在ざい王おう如来にょらいの所みもとに詣いたり、 五ご体たいを地じに投なげて世せ尊そんの足みあしを礼らいしたてまつる。 礼らいしをはりて合がっ掌しょうし仏ぶつにまうしてまうさく、 世せ尊そん、 かくのごときの八はち十じゅう四し百ひゃく千せん倶く胝てい那由なゆ他たの仏刹ぶっせつの功く徳どく荘しょう厳ごんの所しょ行ぎょうの行ぎょう願がん、 われいま成じょう就じゅせりと。

○爾ノ時作法苾芻復詣リ↢世自在王如来ノ所ニ↡、五体ヲ投ゲテ↠地ニ礼シタテマツル↢世尊ノ足ヲ↡。礼シ已リテ合掌シ白シテ↠仏ニ言ク、世尊、如キノ↠是クノ八十四百千倶胝那由他ノ仏刹ノ功徳荘厳ノ所行ノ行願、我今成就セリト。

時ときに世せ自じ在ざい王おう如来にょらい、 苾芻びっしゅに告つげてのたまはく、 善哉ぜんざい善哉ぜんざい、 なんぢの行ぎょう願がん、 思し惟ゆい究く竟きょうせり。 いままさにこれ時ときなり、 衆しゅのために解げ説せつせよ。 時ときに諸しょ菩ぼ薩さつこの法ほうを聞ききをはらば大善だいぜん利りを得えて、 よく仏刹ぶっせつにおいて修しゅ習じゅうし荘しょう厳ごんせんと。

○時ニ世自在王如来告ゲテ↢苾芻ニ↡言ク、善哉善哉、汝之行願、思惟究竟セリ。今正ニ是時ナリ、為ニ↠衆ノ解説セヨ。時ニ諸菩薩聞キ↢是ノ法ヲ↡已ラバ得テ↢大善利ヲ↡、能ク於テ↢仏刹ニ↡修習シ荘厳セムト。

二 Ⅰ ⅳ 三十六願

【5】 その時とき作さ法ほう苾芻びっしゅ、 仏ぶつの聖しょう旨しを聞ききて、 ひとへに右みぎの肩かたを袒かたぬぎ、 右みぎの膝ひざを地じに著つけ、 合がっ掌しょうして仏ぶつに向むかひて、 すなはちために宣説せんぜつす。

○爾ノ時作法苾芻聞キテ↢仏ノ聖旨ヲ↡、偏ニ袒ギ↢右ノ肩ヲ↡、右ノ膝ヲ著ケ↠地ニ、合掌シテ向ヒテ↠仏ニ、即チ為ニ宣説ス。

一 世せ尊そん、 われ誓言せいごんを発おこせり、 願ねがはくは世せ尊そんのごとく阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを証しょう得とくせんに、 所しょ居ごの仏刹ぶっせつ、 無む量りょう不可ふか思議しぎの功く徳どく荘しょう厳ごんを具ぐ足そくして、 あらゆる一切いっさい衆しゅ生じょうおよび焔えん摩羅まら界かい、 三さん悪道まくどうのなかの地じ獄ごく・餓鬼がき・畜ちく生しょう、 みなわが刹くにに生しょうじてわが法ほう化けを受うけ、 久ひさしからずしてことごとく阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを成じょうじて、 一切いっさいみな身み真しん金色こんじきなることを得えん。

○世尊、我発セリ↢誓言ヲ↡、願クハ如ク↢世尊ノ↡証↢得セムニ阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡、所居ノ仏刹、具0349↢足シテ無量不可思議ノ功徳荘厳ヲ↡、所有ル一切衆生及ビ焔摩羅界、三悪道ノ中ノ地獄・餓鬼・畜生、皆生ジテ↢我ガ刹ニ↡受ケ↢我ガ法化ヲ↡、不シテ↠久シカラ悉ク成ジテ↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡、一切皆得ム↢身真金色ナルコトヲ↡。

二 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 十方じっぽう世せ界かいのあらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめ、 諸仏しょぶつ土どの人天にんでんの衆しゅのごとく、 分別ふんべつを遠おん離りし諸根しょこん寂静じゃくじょうにして、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、十方世界ノ所有ル衆生ヲシテ令メ↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、如ク↢諸仏土ノ人天之衆ノ↡、遠↢離シ分別ヲ↡諸根寂静ニシテ、悉ク皆令メム↠得↢阿羅多羅三藐三菩提ヲ↡。

三 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 十方じっぽう世せ界かいのあらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめ、 大だい神通じんずうを得え、 一念いちねんを経ふるあひだに百ひゃく千せん倶く胝てい那由なゆ他たの仏刹ぶっせつを周しゅう遍へんし巡歴じゅんりゃくして、 諸仏しょぶつを供く養ようし深ふかく善本ぜんぽんを植うえ、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、十方世界ノ所有ル衆生ヲシテ令メ↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、得↢大神通ヲ↡、経ル↢一念ヲ↡中アヒダニ周↢遍シ巡↣歴シテ百千倶胝那由他ノ仏刹ヲ↡、供↢養シ諸仏ヲ↡深ク植エ↢善本ヲ↡、悉ク皆令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

四 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめ、 一切いっさいみな宿命しゅくみょう通つうを得えて、 よく百ひゃく千せん倶く胝てい那由なゆ他た劫こうの過去かこの事じを観察かんざつし、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生ヲシテ令メ↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、一切皆得テ↢宿*命通ヲ↡、能善ヨク観↢察シ百千倶胝那由他劫ノ過去之事ヲ↡、悉ク皆令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

五 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめ、 一切いっさいみな清浄しょうじょう天眼てんげんを得えて、 よく百ひゃく千せん倶く胝てい那由なゆ他た世せ界かいの麁そ細さいの色相しきそうを見み、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生ヲシテ令メ↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、一切皆得テ↢清浄*天眼ヲ↡、能ク見↢百千倶胝那由他世界ノ麁細ノ色相ヲ↡、悉ク皆令メム↠得↢阿*耨多羅三藐0350三菩提ヲ↡。

六 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめ、 一切いっさいみな他た心通しんつうを得えて、 よく百ひゃく千せん倶く胝てい那由なゆ他た衆しゅの心しん・心所しんじょの法ほうを了りょう知ちし、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生ヲシテ令メ↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、一切皆得テ↢他*心通ヲ↡、善能ヨク了↢知シ百千倶胝那由他衆ノ心・心所ノ法ヲ↡、悉ク皆令メム↠得↢阿*耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

七 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめ、 一切いっさいみな正しょう信しん位いに住じゅうすることを得えて、 顛倒てんどうの想おもいを離はなれ堅けん固ごに修しゅ習じゅうし、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生ヲシテ令メ↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、一切皆得テ↠住スルコトヲ↢正信位ニ↡、離レ↢顛倒ノ想ヲ↡堅固ニ修習シ、悉ク皆令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

八 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめ、 所修しょしゅの正行しょうぎょうの善根ぜんごん無む量りょうにして、 円えん寂じゃく界かいに徧へんして、 しかも間断けんだんなく、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生ヲシテ令メ↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、所修ノ正行ノ善根無量ニシテ、徧シテ↢円寂界ニ↡、而モ無ク↢間断↡、悉ク皆令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

九 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめ、 声しょう聞もん・縁覚えんがくの位くらいに住じゅうすといへども、 百ひゃく千せん倶く胝てい那由なゆ他たの宝刹ほうせつの内うちに往ゆきて、 あまねく仏ぶつ事じをなし、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

●世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生ヲシテ令メ↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、雖モ↠住スト↢声聞・縁覚之位ニ↡、往キテ↢百千倶胝那由他ノ宝刹之内ニ↡、徧ク作シ↢仏事ヲ↡、悉ク皆令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

一〇 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめ、 一切いっさいみな無む辺へんの光こう明みょうを得えて、 しかもよく百ひゃく千せん倶く胝てい那由なゆ他たの諸仏しょぶつ刹せつ土どを照しょう曜ようし、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生ヲシテ令メ↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、一切皆得テ↢無辺ノ光明ヲ↡、而モ能ク照↢曜シ百千倶胝那由他ノ諸仏刹土ヲ↡、悉ク皆令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

一一 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめ、 命いのち中ちゅう夭ようせず、 寿いのち百ひゃく千せん倶く胝てい那由なゆ他た劫こうにして、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世0351尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生ヲシテ令メ↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、命不↢中夭セ↡、寿百千倶胝那由他劫ニシテ、悉ク皆令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

一二 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめ、 不ふ善ぜんの名ななく、 無む量りょう無む数しゅの諸仏しょぶつ刹せつ土どの無む名みょう・無む号ごう・無む相そう・無む形ぎょうなるを聞ききても、 称しょう讃さんするところなく、 しかも疑ぎ謗ほうすることなく、 身心しんしん不ふ動どうにして、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生ヲシテ令メ↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、無ク↢不善ノ名↡、聞キテモ↢無量無数ノ諸仏刹土ノ無名・無号・無相・無形ナルヲ↡、無ク↠所↢称讃スル↡、而モ無ク↢疑謗スルコト↡、身心不動ニシテ、悉ク皆令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

一三 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょうわが刹くにに生しょうぜんことを求もとめ、 わが名みょう号ごうを念ねんじて、 志し誠じょう心しんを発おこし、 堅けん固ご不ふ退たいならん。 かの命終みょうじゅうの時とき、 われ無む数しゅの苾芻びっしゅと前まえに現げんじ囲い繞にょうせられて来迎らいこうせしめむ。 かの人ひと須しゅ臾ゆのあひだを経へてわが刹くにに生しょうずることを得えて、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生求メ↠生ゼムコトヲ↢我ガ刹ニ↡、念ジテ↢吾ガ名号ヲ↡、発シ↢志誠心ヲ↡、堅固不退ナラム。彼ノ命終ノ時、▼我令メム↢無数ノ苾芻ト現ジ↠前ニ囲繞セラレテ来迎セ↡。彼ノ人経テ↢須臾ノ間ヲ↡得テ↠生ズルコトヲ↢我ガ刹ニ↡、悉ク皆令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

一四 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる十方じっぽう無む量りょう無む辺へん無む数しゅ世せ界かいの一切いっさいの衆しゅ生じょう、 わが名みょう号ごうを聞ききて、 菩ぼ提だい心しんを発おこし、 もろもろの善根ぜんごんを種うえて、 意こころに随したがひて諸仏しょぶつ刹せつ土どに生しょうぜんことを求もとめんに、 生しょうを得えずといふことなく、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル十方無量無辺無数世界ノ一切ノ衆生、聞キテ↢吾ガ名号ヲ↡、発シ↢菩提心ヲ↡、種エテ↢諸ノ善根ヲ↡、随ヒテ↠意ニ求メムニ↠生ゼムコトヲ↢諸仏刹土ニ↡、無ク↠不トイフコト↠得↠生ヲ、悉ク皆令メム↠得↢*阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

一五 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめ、 みな三さん十じゅう二に種しゅ大だい丈じょう夫ぶの相そうを具ぐして、 一いっ生しょうに阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生ヲシテ令メ↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、皆具シテ↢三十二種大丈夫ノ相ヲ↡、一生ニ令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

一六 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめん、 もし大願だいがんありて、 いまだ成じょう仏ぶつを欲ほっせず、 菩ぼ薩さつとなるものをば、 われ威い力りきをもつてかれをして一切いっさい衆しゅ生じょうを教きょう化けしてみな信心しんじんを発おこさしめ、 菩ぼ提だいの行ぎょう・普ふ賢げんの行ぎょう・寂じゃく滅めつの行ぎょう・浄じょう梵ぼんの行ぎょう・最さい勝しょうの行ぎょうおよび一切いっさいの善ぜん行ぎょうを修しゅして、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生ヲシテ令メム↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、若シ有リテ↢大願↡、未ダ↠欲セ↢成仏0352ヲ↡、為ル↢菩薩ト↡者ヲバ、我以テ↢威力ヲ↡令メ↧彼ヲシテ教↢化シテ一切衆生ヲ↡皆発サ↦信心ヲ↥、修シテ↢菩提ノ行・普賢ノ行・寂滅ノ行・浄梵ノ行・最勝ノ行及ビ一切ノ善行ヲ↡、悉ク皆令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

一七 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょうをしてわが刹くにに生しょうぜしめ、 一切いっさいの処ところにおいて無む量りょう百ひゃく千せん倶く胝てい那由なゆ他たの諸仏しょぶつを承じょう事じし供く養ようして、 もろもろの善根ぜんごんを種うえて、 意こころの所しょ求ぐに随したがひて願がんを満みたさずといふことなく、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生ヲシテ令メ↠生ゼ↢我ガ刹ニ↡、於テ↢一切ノ処ニ↡承↢事シ供↣養シテ無量百千倶胝那由他ノ諸仏ニ↡、種エテ↢諸ノ善根ヲ↡、随ヒテ↢意ノ所求ニ↡無ク↠不トイフコト↠満サ↠願ヲ、悉ク皆令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

一八 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 わが刹せつ土どのなかのあらゆる菩ぼ薩さつ、 みな一切いっさい智慧ちえを成じょう就じゅすることを得えて、 よく諸法しょほう秘ひ要ようの義ぎを談だんじ、 久ひさしからずしてすみやかに阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを成じょうぜん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、我ガ刹土ノ中ノ所有ル菩薩、皆得テ↣成↢就スルコトヲ一切智慧ヲ↡、善ク談ジ↢諸法秘要之義ヲ↡、不シテ↠久シカラ速ニ成ゼム↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

一九 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 わが居こする宝刹ほうせつのあらゆる菩ぼ薩さつ、 勇ゆう猛みょうの心しんを発おこし、 大だい神通じんずうを運めぐらし、 無む量りょう無む辺へん無む数しゅの世せ界かいの諸しょ仏刹ぶっせつのなかに往ゆき、 真珠しんじゅ・瓔珞ようらく・宝蓋ほうがい・幢幡どうばん・衣え服ぶく・臥具がぐ・飲食おんじき・湯薬とうやく・香こう華げ・伎ぎ楽がくをもつて供く養ようし承じょう事じし、 回えして菩ぼ提だいを求もとめ、 すみやかに阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを成じょう就じゅすることを得えん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、我ガ居スル宝刹ノ所*有ル菩薩、発シ↢勇猛ノ心ヲ↡、運メグラシ↢大神通ヲ↡、往キ↢無量無辺無数ノ世界ノ諸仏刹ノ中ニ↡、以テ↢真珠・瓔珞・宝蓋・幢幡・衣服・臥具・飲食・湯薬・香華・伎楽ヲ↡供養シ承事シ、廻シテ求メ↢菩提ヲ↡、速ニ得ム↣成↢就スルコトヲ阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

二〇 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 わが居こする宝刹ほうせつのあらゆる菩ぼ薩さつ、 大だい道心どうしんを発おこし、 真珠しんじゅ・瓔珞ようらく・宝蓋ほうがい・幢幡どうばん・衣え服ぶく・臥具がぐ・飲食おんじき・湯薬とうやく・香こう華げ・伎ぎ楽がくをもつて他た方ほう世せ界かいの無む量りょう無む辺へんの諸仏しょぶつ世せ尊そんに承じょう事じし供く養ようせんと欲ほっすれども往ゆくことあたはずは、 われその時ときにおいて、 宿しゅく願力がんりきをもつて、 かの他た方ほうの諸仏しょぶつ世せ尊そんをして、 おのおの手しゅ臂ひを舒のべてわが刹くにのなかに至いたりてこの供く養ようを受うけしめ、 かれをしてすみやかに阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを成じょうぜしめん。

●世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、我ガ居スル宝刹ノ所有ル菩薩、発シ↢大道心ヲ↡、欲スレドモ↫以テ↢真珠・瓔珞・宝蓋・幢幡・衣服・臥具・飲食・湯薬・香華・伎楽ヲ↡承↩事シ供↪養セムト他方世0353界ノ無量無辺ノ諸仏世尊ニ↨而不ハ↠能ハ↠往クコト、我於テ↢爾ノ時ニ↡、以テ↢宿願力ヲ↡、令メ↧彼ノ他方ノ諸仏世尊ヲシテ、各ノ舒ベテ↢手臂ヲ↡至リテ↢我ガ刹ノ中ニ↡受ケ↦是ノ供養ヲ↥、令メム↣彼ヲシテ速ニ成ゼ↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

二一 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 わが居こする宝刹ほうせつのあらゆる菩ぼ薩さつ、 みづからの意い楽ぎょうに随したがひてこの界かいを離はなれず、 真珠しんじゅ・瓔珞ようらく・宝蓋ほうがい・幢幡どうばん・衣え服ぶく・臥具がぐ・飲食おんじき・湯薬とうやく・香こう華げ・伎ぎ楽がくをもつて他た方ほう無む量りょうの諸仏しょぶつを供く養ようせんと欲ほっせんに、 また思し惟ゆいすらく、 もし仏ぶつ、 臂ひじを展のべここに至いたりて供くを受うけなば、 諸仏しょぶつを劬く労ろうせしめわれをして益やくなからしめんと。 この念おもいをなす時とき、 われ神力じんりきをもつて、 この供具くぐをしてみづから他た方ほう諸仏しょぶつの面前めんぜんに至いたらしめ一々いちいちに供く養ようせしめん。 その時とき菩ぼ薩さつ、 久ひさしからずしてことごとく阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを成じょうぜん。

●世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、我ガ居スル宝刹ノ所有ル菩薩、随ヒテ↢自ラノ意楽ニ↡不↠離レ↢此ノ界ヲ↡、欲セムニ↧以テ↢真珠・瓔珞・宝蓋・幢幡・衣服・臥具・飲食・湯薬・香華・伎楽ヲ↡供↦養セムト他方無量ノ諸仏ヲ↥、又復思惟スラク、如モシ仏展ベ↠臂ヲ至リテ↠此ニ受ケナバ↠供ヲ、劬↢労セシメ諸仏ヲ↡令メムト↢我ヲシテ無カラ↟益。作ス↢是ノ念ヲ↡時、我以テ↢神力ヲ↡、令メム↧此ノ供具ヲシテ自ラ至ラシメ↢他方諸仏ノ面前ニ↡一一ニ供養セ↥。爾ノ時菩薩、不シテ↠久シカラ悉ク成ゼム↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

二二 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 わが居こする宝刹ほうせつのあらゆる菩ぼ薩さつ、 身みの長たけ十じゅう六ろく由ゆ旬じゅんにして、 那羅なら延えんの力りきを得え、 身相しんそう端厳たんごんに、 光こう明みょう照しょう曜ようし、 善根ぜんごん具ぐ足そくして、 阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを成じょう就じゅせん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、我ガ居スル宝刹ノ所有ル菩薩、身ノ長十六由旬ニシテ、得↢那羅延ノ力ヲ↡、身相端厳ニ、光明照曜シ、善根具足シテ、成↢就セム阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

二三 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 わが居こする宝刹ほうせつのあらゆる菩ぼ薩さつ、 もろもろの衆しゅ生じょうのために法蔵ほうぞうに通達つうだつし、 無む辺へんの一切いっさい智慧ちえを安あん立りゅうし、 諸結しょけつを断尽だんじんして、 ことごとく阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを証成しょうじょうすることを得えん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、我ガ居スル宝刹ノ所有ル菩薩、為ニ↢諸ノ衆生ノ↡通↢達シ法蔵ニ↡、安↢立シ無辺ノ一切智慧ヲ↡、断↢尽シテ諸結ヲ↡、悉ク得ム↣証↢成スルコトヲ阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

二四 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 わが居こする宝刹ほうせつのあらゆる菩ぼ薩さつ、 百ひゃく千せん倶く胝てい那由なゆ他たの種々しゅじゅの珍宝ちんぽうをもつて、 香こう炉ろを造ぞう作さし、 下しも地じ際さいより上かみ空界くうかいに至いたるまで、 つねに無価むげ栴檀せんだんの香こうをもつてあまねく薫くんじて、 十方じっぽうの諸仏しょぶつを供く養ようせしめ、 すみやかに阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを成じょうずることを得えしめん。

○世0354尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、我ガ居スル宝刹ノ所有ル菩薩、以テ↢百千倶胝那由他ノ種種ノ珍宝ヲ↡、造↢作シ香*炉ヲ↡、下従リ↢地際↡上至ルマデ↢空界ニ↡、常ニ以テ↢無価栴檀之香ヲ↡普ク薫ジテ、供↢養セシメ十方ノ諸仏ヲ↡、令メム↠得↣速ニ成ズルコトヲ↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

二五 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 所しょ居ごの仏刹ぶっせつ広博こうはく厳ごん浄じょうにして、 光こう瑩ようなること鏡かがみのごとく、 ことごとくよく無む量りょう無む辺へんの一切いっさいの仏刹ぶっせつを照しょう見けんせん。 衆しゅ生じょう覩みんもの、 希有けうの心しんを生しょうじ、 久ひさしからずしてすみやかに阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを成じょうぜん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所居ノ仏刹広博厳浄ニシテ、光瑩ナルコト如ク↠鏡ノ、悉ク能ク照↢見セム無量無辺ノ一切ノ仏刹ヲ↡。衆生覩ム者、生ジ↢希有ノ心ヲ↡、不シテ↠久シカラ速ニ成ゼム↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

二六 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 わが居こする宝刹ほうせつのあらゆる菩ぼ薩さつ、 昼ちゅう夜や六ろく時じにつねに快け楽らくを受うくること諸天しょてんに過すぎ、 平びょう等どう総そう持じ門もんに入いりて、 身光しんこうあまねく無む辺へん世せ界かいを照てらし、 久ひさしからずして阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを成じょうずることを得えん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、我ガ居スル宝刹ノ所有ル菩薩、昼夜六時ニ恒ニ受クルコト↢快楽ヲ↡過ギ↢於諸天ニ↡、入リテ↢平等総持門ニ↡、身光普ク照シ↢無辺世界ヲ↡、不シテ↠久シカラ得ム↠成ズルコトヲ↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

二七 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる十方じっぽう無む量りょう無む辺へん無む数しゅの世せ界かいの一切いっさいの女人にょにん、 もし女身にょしんを厭えん離りするものありて、 わが名みょう号ごうを聞きき、 清浄しょうじょう心しんを発おこし、 帰依きえし頂ちょう礼らいせん。 かの人ひと命終みょうじゅうしてすなはちわが刹くにに生しょうじ、 男なん子しの身みとなりて、 ことごとくみな阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを得えしめん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル十方無量無辺無数ノ世界ノ一切ノ女人、若シ有リテ↧厭↢離スル女身ヲ↡者↥、聞キ↢我ガ名号ヲ↡、発シ↢清浄心ヲ↡、帰依シ頂礼セム。彼ノ人命終シテ即チ生ジ↢我ガ刹ニ↡、成リテ↢男子ノ身ト↡、悉ク皆令メム↠得↢阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

二八 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる十方じっぽう無む量りょう無む辺へん無む数しゅの仏刹ぶっせつの声しょう聞もん・縁覚えんがく、 わが名みょう号ごうを聞ききて、 浄じょう戒かいを修しゅ持じし、 堅けん固ご不ふ退たいにして、 すみやかに道どう場じょうに坐ざし、 阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを成じょう就じゅせん。

●世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル十方無量無辺無数ノ仏刹ノ声聞・縁覚、聞キテ↢我ガ名号ヲ↡、修↢持シ浄戒ヲ↡、堅固不退ニシテ、速ニ坐シ↢道場ニ↡、成↢就セム阿耨多羅三藐三0355菩提ヲ↡。

二九 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる十方じっぽう無む量りょう無む辺へん不可ふか思議しぎ無む等とうの仏刹ぶっせつの一切いっさいの菩ぼ薩さつ、 わが名みょう号ごうを聞ききて、 五ご体たいを地じに投なげて礼拝らいはいし帰き命みょうせん。 また天てん上じょう人間にんげん一切いっさい有う情じょうに尊そん重じゅうし恭く敬ぎょうし親近しんごんし侍奉じぶせらるることを得えて、 功く徳どくを増益ぞうやくし、 阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを成じょう就じゅせん。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル十方無量無辺不可思議無等ノ仏刹ノ一切ノ菩薩、聞キテ↢我ガ名号ヲ↡、五体ヲ投ゲテ↠地ニ礼拝シ帰命セム。復得テ↢天上人間一切有情ニ尊重シ恭敬シ親近シ侍奉セラルルコトヲ↡、増↢益シ功徳ヲ↡、成↢就セム阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

三〇 世せ尊そん、 われ菩ぼ提だいを得え、 正しょう覚がくを成じょうじをはらんに、 あらゆる衆しゅ生じょう、 浄じょう信心しんじんを発おこし、 もろもろの沙門しゃもん・婆羅ばら門もんのために衣ころもを染そめ衣ころもを洗あらひ、 衣ころもを裁たち衣ころもを縫ぬひ、 修しゅして僧服そうぶくをなし、 あるいはみづから手てづから作つくり、 あるいは人ひとをして作つくらしめ、 作つくりをはりて回え向こうせん。 この人ひと感かんずるところの八はち十じゅう一いち生しょうに、 最さい上じょうの衣ころもを得えて、 身みに随したがひて豊ぶ足そくし、 最さい後ごの身みにおいてわが刹くにに来らい生しょうし、 阿あ耨のく多羅たら三さん藐みゃく三さん菩ぼ提だいを成じょう就じゅせんと。

○世尊、我得↢菩提ヲ↡、成ジ↢正覚ヲ↡已ラムニ、所有ル衆生、発シ↢浄信心ヲ↡、為ニ↢諸ノ沙門・婆羅門ノ↡染メ↠衣ヲ洗ヒ↠衣ヲ、裁チ↠衣ヲ縫ヒ↠衣ヲ、修シテ作シ↢僧服ヲ↡、或ハ自ラ手ヅカラ作リ、或ハ使メ↢人ヲシテ作ラ↡、作リ已リテ廻向セム。是ノ人所ノ↠感ズル八十一生ニ、得テ↢最上ノ衣ヲ↡、随ヒテ↠身ニ豊足シ、於テ↢最後ノ身ニ↡来↢生シ我ガ刹ニ↡、成↢就セムト阿耨多羅三藐三菩提ヲ↡。

 

仏説ぶっせつ大だい乗じょう無む量りょう寿じゅ荘しょう厳ごん経きょう 巻かん上じょう

 

延書は底本の訓点に従って有国が行った(固有名詞の訓は保証できない)。
底本は◎高麗版(再雕本)¬大蔵経¼所収本、 Ⓐ金版¬大蔵経¼所収本、 Ⓑ宋版(思溪版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓒ元版(普寧寺版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓓ明版(万歴版)¬大蔵経¼所収本、 Ⓔ¬房山石経(遼金刻経)¼所収本 と対校。
你→ⒸⒹ弥
仏説 Ⓒになし
上→Ⓓ上[中下同巻]
西→Ⓓ[宋]西
訳経 Ⓓになし
臣 Ⓓになし
士→Ⓐ上
他→Ⓒ陀
暱→Ⓒ匿
由→ⒹⒺ由[他]
土→Ⓒ此
処独→Ⓔ独処
命→ⒸⒹ命[智]
天→Ⓒ王
耨→Ⓔ藐
心→ⒸⒹ心[智]
阿→Ⓔ耨
有→Ⓑ存
炉→Ⓒ鑪