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静おもんみれば、 此比は当山之内にも其外往来の諸人等を見及ぶに、 凡後生には心を入たる風情なり。 しかれども誠にとりつめては、 其意不同なる様にみえたり。 さればこのたび安心のとをり、 もし真実に決定せずは極楽往生は不定なり。 一大事これにすぐべからず、 よくよく思慮すべし。 されば上古の堅哲も往生之一道にはまどへる子細あり、 いはんや末代の我等においては*……

 

以下欠失。