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そもそも毎年まいねんやくそく代物だいもちこと、 たしかに請取うけとりさふらふ。 このおもむき惣中そうちうろうさふらふ。 かへすがへすありがたくおぼさふらふ就↠ついてそれに一念ゐちねむに、 もろもろのざふぎやうこゝろをふりすてゝ、 弥陀みだ如来によらいしやうたすけたまへとまふさんひとは、 かならずかならずわうじやうゐちぢやうにてあるべし。 そのぶんよくよく惣中そうちうろうそろはゞしかるさふらふ。 なにごともしやうにすぎたる一大ゐちだいはあるまじくさふらふこむじやうはたゞ一端ゐちたんのことにてさふらふ。 よくよくこゝろゑられさふらひて、 わうじやうせられさふらはゞ、 しかるべきことにてさふらふ。 あなかしこ、 あなかしこ。

*明応七年霜月廿六日
六日講中へ

実如(花押)