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いまの時の世にあらむ女人は、 あひかまいてみなみな心をひとつにして、 一心に阿弥陀如来をふかくたのみたてまつるべし。 そのほかにはいづれの法を信ずといふとも、 後生のたすかるといふ事ゆめゆめあるべからずとおもふべし。 されば弥陀をばなにとやうにたのみ、 後生をばなにとねがふべきぞといふに、 なにのわづらひもなくたゞ一心に弥陀をたのみ、 後生たすけたまへとふかくたのみ申さむ人を、 かならず御たすけあらむ事は、 さらさら露ほどもそのうたがひあるべからざるものなり。 このうへには、 しかと御たすけあるべき事の御うれしさよとおもひて、 仏恩報謝のために念仏申べきばかりなり。 あなかしこ、 あなかしこ。