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一 法蔵菩薩の五劫兆載の願行の、 凡夫願行を成ずるゆへなり。 阿弥陀仏の願行を成ぜしいはれを領解するを、 三心ともいひ、 三信ともとき、 信心ともいふなり。

一 阿みだ仏の凡夫の願行を名に成ぜしゆへを口業にあらはすを、 南無あみだ仏といふ。

一 第十八の願をこゝろうるといふは、 名号をこゝろうるなり。
名号をこゝろうるといふは、 阿みだ仏の衆生とかはりて願行を成就して、 凡夫の往生機にさきだちて成就せしきざみ、 十方衆生の往生を正覚の機とせしことを願行するなり。

一 ひしと我等が往生成就せしすがたを南無あみだ仏とはいひけるといふ信心をこりぬれば、 仏体すなはち我等が往生の行なるがゆへに、 一声のところに往生決定す也。

一 名号をきゝても、 形儀を拝して、 我往生を成じたまへるみなときゝ、 われらをわたさずは仏にならんとちかひたまひし法蔵誓願むなしからずして、 正覚を成じたまへる御すがたよとおもはざらんは、 きくともとかざるがごとし、 みるともみざるがごとし。

 の之文点、  の之文点可↠用↠之。
 り↠現 る に文点、 当流之相 と可↠知也。

0444明応六年十月廿六日書之

八十三歳(花押)