正信偈 ¬教行きょうぎょうしんしょう¼ 「ぎょう文類もんるい」 の末尾にある百二十句のじゅ (詩句)。 詳しくは 「正信念仏偈」 という。 内容は、 初めに阿弥陀仏の尊号をあげて自らの帰敬の意をあらわし (きょうじゅ)、 次に ¬りょう寿じゅきょう¼ の説示にしたがって阿弥陀仏の浄土のいんしゅじょう往生の因果を示し (依経段)、 次に七高僧 (りゅうじゅさつ天親てんじん菩薩・曇鸞どんらんだいどうしゃくぜん善導ぜんどう大師・源信げんしんしょう源空げんくうしょうにん) の論釈にしたがってそれぞれの釈功をたたえ (依釈段)、 終りに真実の信心を得て浄土の往生を願うべきことを述べて結んでいる。
 なお、 讃銘にある 「獲信見敬得大慶」 の句について、 本願寺派本願寺蔵本および高田派専修寺蔵本の ¬教行信証¼ には 「獲信見敬大慶喜」 とあり、 また、 大谷派本願寺蔵本 (板東ばんどうぼん) では 「見敬得大慶喜人」 を抹消して 「獲信見敬大慶人」 と改めている。