本書は、 前の ¬さいだんのしょ¼ とほとんど同時 (日付は一日前) に出されたものであるが、 両者の関係は定かではない。 ちょうねん師の ¬はんせいりゃく¼ には ¬裁断さいだんしょ¼ として ¬申明しんめいしょ¼ の文を挙げ、 ¬裁断さいだんうつし¼ として ¬しょ¼ の文を挙げている。
 内容は ¬御裁断御書¼ とほとんど同じであるが、 三業さんごう派の異解いげが、 「たのむ一念」 の語に対する誤った理解にもとづくことを明らかにし、 信心のすがたとしてしゅ深信じんしんを引いて願力にまかせきる心であることが詳しく説示されている。 また誤りと知って誤るものはないので、 明師の指南によるべきことを説くなど、 懇切丁寧な教示となっている。