ゆいえん 唯円 ❶ (-1288、 一説に1222-1289) 親鸞の門弟。 和田わだの唯円。 常陸国河和田の人で報仏寺開基とされる。 もとは北条平次郎といい、 大部平太郎真仏の弟という。 妻が親鸞に帰していたことを縁として自らも親鸞の門弟となったといわれる。 親鸞の信仰をよく伝え、 ¬歎異抄¼ の著者と推定されている。 覚恵の異父弟唯善を弟子とし、 また弘長10年 (1287) に上洛し、 覚恵・覚如父子に法義を授けた。 そのきょう大和国吉野方面にも及び、 同地で没したとされる。 大和国下市の立興寺 (奈良県下市市) はその遺跡である。 ❷ (生没年未詳) 親鸞の門弟。 鳥喰とりばみの唯円。 もと橋本綱宗と称する武蔵国の武士で、 一子を喪って無常を感じ各地を遍歴していたが、 常陸国鳥喰 (現在の茨城県那珂市) で夢告を受け、 稲田で教化していた親鸞を訪ねてその門弟になったという。 また一説には、 俗名を鳥喰朝業と称する領主で、 稲田に親鸞を訪ねてその門弟になったといわれる。 西光寺 (茨城県常陸太田市)、 本泉寺 (茨城県常陸大宮市) の開基とされる。