とんぎょう 頓教 漸教に対する語。 すみやかに仏果を得る教法をいう。 親鸞は頓教について ¬愚禿鈔¼ に 「一には難行聖道の実教なり。 いはゆる仏心・真言・法華・華厳等の教なり。 二には易行浄土本願真実の教、 ¬大無量寿経¼ 等なり」 と示し、 聖道門のなか華厳・天台・真言・禅の各宗と、 浄土門のなか第十八願の教え (弘願法) を頓教とし、 さらに 「本願一乗は、 頓極・頓速・円融・円満の教なれば、 絶対不二の教、 一実真如の道なりと、 知るべし。 専がなかの専なり、 頓がなかの頓なり」 と述べ、 他力念仏の教えは頓教の中の頓教、 頓教の極致であるとしている。 なお、 天台宗などでは釈尊の説法の形式の上から、 頓教・漸教・秘密教・不定教という四教を説き、 ただちにさとる教えとして ¬華厳経¼ を頓教に配している。 →二双四重