たんどくもん 嘆徳文◎ ¬報恩講嘆徳文¼ のこと。 1巻。 存覚の著。 延文4年 (正平14・1359) 存覚70歳のとき、 善如の求めによって報恩講に用いるために著した。 その後、 貞治5年 (正平21・1366) に再治している。 覚如の ¬報恩講私記¼ (式文) の上に、 さらに重ねて親鸞の徳と法門を讃嘆したもの。 古来より ¬報恩講私記¼ とともに報恩講の際に拝読される。 親鸞の博覧が内外にわたっていたこと、 聖道の教えを捨てて浄土真実の教えに帰したこと、 ¬教行信証¼ 述作のこと、 二双四重の教判のこと、 ¬愚禿鈔¼ の述作の意趣と愚禿の名のりの意義、 流罪化導のことなど、 親鸞の宗義を中心に華麗な文体で簡潔に要を得て讃嘆している。
古写本には本願寺派本願寺蔵寛正2年蓮如書写本、 本願寺派本願寺蔵伝実如書写本、 大阪府願船寺蔵室町末期書写本などがある。