しょうしんげたいい 正信偈大意 1巻。 蓮如の著。 親鸞の ¬教行信証¼ 「行巻」 の末尾に置かれる 「正信念仏偈」 の文意を簡明に訳し述べたもの。 長禄年間 (1457-1460) に金森の道西に与えられた。 内容は、 多くを存覚の ¬六要鈔¼ の釈をうけ、 それに準拠しながらも、 より平易に解釈している。 初めに 「正信偈」 一部を2段に分けて釈すべきことを述べ、 前段は ¬大経¼ の意、 後段は七高僧の意があらわされたものとするなど、 「正信偈」 の見方の基本を示したものといえる。 次いで題号を釈し、 本文を追って解釈するが、 そのなか随所に蓮如独自の釈義をうかがうことができる。 なお、 蓮如には漢文体の ¬正信偈註¼ と ¬正信偈釈註¼ との著作があるが、 いずれも本書以前の撰述と推定されている。
古写本に京都府西法寺蔵室町末期書写本、 滋賀県禅立寺蔵室町末期書写本、 奈良県教行寺蔵室町末期書写本などがある。