りっしゅう 律宗 戒律の受持をもって仏のさとりに至ろうとする一宗。 中国では、 道宣の南山宗、 法礪の相部宗、 懐素の東塔宗の三派があり、 このうち南山宗のみがさかえた。 日本では南都六宗の一に数えられる。 天平勝宝6年 (754)、 南山宗の系統を主に受けた鑑真により伝来し、 東大寺、 下野国薬師寺、 筑紫国観世音寺に相次いで戒壇が設けられた。 平安時代末頃には、 衰微していた戒律の復興が貞慶、 高弁、 叡尊 (1201-1290) などにより主張されるようになり、 また俊芿 (1166-1227) は入宋して多くの律宗典籍を持ち帰った。