くしゃしゅう 倶舎宗 世親 (天てん親じん) の ¬倶舎論¼ にもとづいて成立した一宗。 三さん世ぜ実じつ有う・法体ほったい恒ごう有うを説く。 中国では初め毘曇宗と呼ばれたが、 ¬倶舎論¼ が訳出されたのちに倶舎宗と呼ばれるようになった。 日本には道昭 (629-700) によって伝来したといわれ、 南都六宗の一に数えられる。 いわゆる小乗仏教の教義であるとされ、 独立した一宗ではなく法相宗の寓宗として東大寺などで講学された。