けちみゃくもんじゅう 血脈文集 1巻。 親鸞の御消息5通を集成したもの。 このうち4通が性信宛のもので、 1通が慶西宛である。 慶西は性信を中心とした横曽根門徒の一人と推定されているので、 本書は性信系統の横曽根門徒によって編集されたものと考えられている。 ¬親鸞聖人血脈文集¼ という題号がつけられ、 第4通と第5通の間に、 法然・親鸞の流罪記録と、 法然・親鸞・性信と伝わった本尊の銘文のことなどが記されていることなどから、 法然・親鸞・性信の三代伝持の血脈を強調するために編集されたものといわれている。 したがって、 本集の成立年次も、 三代伝持を強調しなければならなくなった背景となる、 いわゆる唯善事件が解決した延慶2年 (1309) 以降と推定する説が有力である。 一方、 本書は親鸞の晩年に性信が編集したもので、 血脈相承を主張したものではないとする説もある。 →親鸞聖人御消息。