けごんしゅう 華厳宗 円明具徳宗・法界宗などともいう。 唐の賢首大師法蔵によって大成され、 奈良時代に日本に伝えられた一宗。 一代仏教を五経十宗に分類し、 ¬華厳経¼ の教えが最もすぐれたものであるとする。 十玄門、 六相円融の説を立て、 一切は縁起の法であり、 事と事とが互いに融けあい一体化してさまたげあうことのない、 一即一切、 一切即一の事事無礙なるありようをしていると説く。 新羅では元暁らによって華厳教学が興隆した。 日本には新羅へ留学した僧審祥 (生没年未詳) によって奈良時代に伝えられ、 南都六宗の一に数えられる。 東大寺を中心に研究され、 鎌倉時代には高弁や凝然などが出た。