だいちどろん 大智度論◎ 100巻。 龍樹の著とされるが、 現在では疑問も出されている)。 後秦の鳩摩羅什訳。 ¬大論¼ ¬智度論¼ ¬智論¼ ¬摩訶衍論¼ などともいう。 ¬大品経¼ を註釈したもの。 梵本やチベット訳は現存しないが、 元来は十万頌あったと伝えられ、 鳩摩羅什がそれを百巻に要約したといわれる。 般若空の思想を基本的立場としながらも、 自著 ¬中論¼ にみられる否定面と比べてむしろ諸法実相の積極的な肯定面に力を注いでおり、 大乗の菩薩思想や六波羅蜜などの宗教的実践面を明らかにしている。