ぶせんしょう 歩船鈔 2巻。 存覚の著。 建武5年 (延元3・1338) 存覚49歳のとき、 備後国山南 (現在の広島県福山市) で慶空の求めによって著されたもの。 龍樹の難易二道判によって、 法相ほっそう・三論・華厳・天台・真言・律・倶舎・成実・仏心 (禅) は陸地を歩むような難行道であるとし、 浄土の一門のみが、 船に乗るような易行道であり凡夫相応の法であると説く。 古写本には兵庫県毫ごう摂しょう寺蔵乗専書写本、 愛知県上宮寺蔵寛正56年書写本、 大阪府慈願寺蔵室町末期書写本などがある。