あんじょうのごえい 安城御影 親鸞の絵像。 親鸞83歳 (建長7年・1255) のとき、 法眼朝円が描き親鸞が自ら銘を記したもの。 親鸞が嘯く (口笛をふく) ような表情で描かれていることから 「嘯の御影」 ともいう。 親鸞の姿は、 小紋高麗縁の上畳に狸皮を敷いて座るもので、 首に帽子を巻き、 衲衣に袈裟を着けて両手で念珠を持っている。 その前には火桶、 草履、 鹿杖が置かれている。 銘は上段に 「願生偈」 と ¬大経¼ との文が、 下段には 「正信偈」 の文が記される。 専信坊専海が親鸞から与えられたものと考えられ、 三河安城に伝来していたが、 蓮如が本願寺で模本を制作し、 原本も実如の時に本願寺の所蔵となり、 模本とともに本願寺派本願寺に現存する。 また原本と同じ頃に作られたとみられる別の模本が大谷派本願寺に現存し、 その銘も親鸞の真跡と考えられている。