讃阿弥陀仏偈

曇鸞和尚造る

^*南無なも阿弥陀あみだぶつ 訳して無量寿という。 経にしたがって讃じたてまつる。 また*あんにょうという。

 

【1】 ^現に西方この世界を去ること

十万億の国を過ぎた*安楽あんらくじょうにおられる

^仏・*そん*阿弥陀あみだぶつと申しあげる

わたしは*おうじょうを願って礼拝したてまつる

【2】 ^成仏せられてからこのかた十*こうを歴られた

寿命はまさにはかることができぬ

^仏身の輝きはよろずの世界にゆきわたり

迷いの*しゅじょうを照らされる ゆえに礼拝したてまつる

【3】 ^*智慧ちえのみ光は量ることができぬ

ゆえに仏をまた*りょうこうと申しあげる

^限りあるすべての者はその光のはたらきを受ける

ゆえに*真実しんじつみょうを礼拝したてまつる

【4】 ^解脱さとりのみ光は限りあることがない

ゆえに仏をまた*へんこうと申しあげる

^その光を受けた者は*有無うむ邪見じゃけんを離れる

それゆえ*びょうどうかくを礼拝したてまつる

【5】 ^み光のはたらきの自在なることは虚空のようである

ゆえに仏をまた*無礙むげこうと申しあげる

^すべての迷いの衆生はやくをこうむる

それゆえ*なん思議じぎを礼拝したてまつる

【6】 ^清らかなみ光はならぶものがない

ゆえに仏をまた*たいこうと申しあげる

^この光に遇う者はみな*ごうの縛りが除かれる

それゆえ*ひっきょうを礼拝したてまつる

【7】 ^仏のみ光の輝きは最尊第一である

ゆえに仏を*光炎こうえんのうと申しあげる

^*さんの闇の苦しみも離れることができる

それゆえ*だいおうを礼拝したてまつる

【8】 ^さとりのみ光はうるわしくその色ことにすぐれている

ゆえに仏をまた*清浄しょうじょうこうと申しあげる

一たびお照らしを受けるならよごれた罪が除かれて

すべて解脱さとりを得べき身とはなる ゆえに礼拝したてまつる

【9】 ^*慈悲じひのみ光は広く照らして安らかな喜びを施す

ゆえに仏をまた*かんこうと申しあげる

^この光の届いた人の心には法の喜びをおこさせる

*だいあんを礼拝したてまつる

【10】^仏のみ光はよく心の闇を破られる

ゆえに仏をまた*智慧ちえこうと申しあげる

すべての仏や*さんじょうのかたたちが

ことごとくたたえられる ゆえに礼拝したてまつる

【11】^み光はすべての時にあまねく照らされる

ゆえに仏をまた*だんこうと申しあげる

この光のいわれが聞こえたならばその信は一生断えないで

みな往生を得させられる ゆえに礼拝したてまつる

【12】^そのみ光は仏のほかは測ることができぬ

ゆえに仏をまた*なんこうと申しあげる

十方の仏たちも衆生の往生をほめ

弥陀のその功徳をたたえられる ゆえに礼拝したてまつる

【13】^不思議なみ光はすべての相を離れて名づけることができぬ

ゆえに仏をまた*しょうこうと申しあげる

衆生を成仏させてくださるみ光は輝きわたり

諸仏は讃嘆なされる ゆえに礼拝したてまつる

【14】^み光の照らし輝くことは日月の光よりもすぐれている

ゆえに仏をまた*ちょう日月にちがっこうと申しあげる

^*しゃぶつがほめられてもなお尽すことはできぬ

ゆえにわたしは*等等とうどうを礼拝したてまつる

【15】^弥陀*しょうがくの最初の*会座えざに集まった*だいしゅ

*しょうもん*さつの数は量り知られない

すぐれた*神通じんずうをもってしてもかぞえることはできない

それゆえ*広大こうだいを礼拝したてまつる

【16】^安楽浄土の量りなき菩薩たちは

すべてこの一生をへて仏の位につかれる

^その本のひろき誓いによって

ひろくあまたの衆生を救おうとする場合を除く

宝の林のように多くの功徳をあつめているこれら聖衆を

心から合掌し ぬかずいて礼拝したてまつる

【17】^安楽国土の声聞たちは

その光はみな一じんで流星のようである

菩薩の光は四千里におよび

あたかも秋の満月がこんに輝くようである

もろもろの行徳を集めて衆生を済度なさる

ゆえにわたしは*大心だいしんかいを礼拝したてまつる

【18】^また*かんおんさつ*大勢だいせいさつとは

聖衆の中で最も尊くて第一である

慈悲のみ光は*三千さんぜん大千だいせんかいを照らし

弥陀の左右を離れずに神々しいすがたをあらわす

有縁の人々を済度してしばらくもまぬことは

大海のうしおが時を失わないようである

かような大悲観世音と大勢至菩薩とを

一心にぬかずいて礼拝したてまつる

【19】^それ人々が安楽国に生れるならば

ことごとく*さんじゅうそうをそなえる

智慧満足して*ほっしょうにかない

さとりの道を究めてさまたげられることがない

人それぞれの*こんに随って成就した智慧は

*音響おんこうにん*柔順にゅうじゅんにんや計り知られぬ*しょうぼうにんなどである

*宿命しゅくみょうつうや他の五神通がいつも自在であり

仏になるまで雑悪の処にはかえらぬ

ただし他方の*じょくの世に生れて

釈迦仏のように現れる場合を除く

安楽国に往生すればこういう大利益を成就する

それゆえ心からぬかずいて礼拝したてまつる

【20】^安楽浄土の菩薩たちは仏の不思議なはたらきを承けて

わずか一食のあいだに

十方の数かぎりない仏の世界に行き

諸仏を敬い供養する

華や香や音楽が思いのままに現れ

*宝蓋ほうがい*幢幡どうばんが心にしたがって出る

それらはたぐいなくすぐれて説くこともできぬ

華を散らしてすぐれた宝を供養する

その華はがいとなって光りかがやき

香気は薫じてゆきわたらぬ所はない

華蓋の小さいのでも四百里もあり

大きいのはあまねく一仏の世界を覆うものまである

それらは現れた順序にしたがって消え去る

この菩薩たちはみな喜びに満ちて

空中で清浄な音楽をかなで

ゆかしく徳をたたえ仏の智慧をほめる

仏の経法を聞いて供養しおわれば

朝食の前に空に上って還る

不思議のはたらきははかることができぬ

ゆえに*じょうそんを礼拝したてまつる

【21】^安楽仏国の菩薩たちは

その説くところが仏の智慧にかない

すべての物に対して我執の思いがなく

浄らかなことは蓮華が塵を受けぬようである

くもきたるも進むもとどまるもかべる舟のようであり

衆生を利益し安らかにさせることを務めとして好き嫌いがない

彼と我とが虚空のようであるとさとって差別の思いを断ち

智慧の炬火ともしびを燃やしてとこしえの闇を照らす

*さんみょう六通ろくつうみなすでに満足し

菩薩のよろずの行によって心の眼を開く

このような功徳は限りがない

それゆえ心からぬかずいて礼拝したてまつる

【22】^安楽浄土の声聞・菩薩や*人天にんでん

心すべて*真如しんにょをさとり

すがたのかざりもみな変りがない

ただ他の世界にならうから名前をつらねたのである

顔かたちはたぐいなく端正で

*有漏うろのけがれを離れたからだは人天とはちがい

はかり知られぬさとりのからだである

こういうわけで*びょうどうりきを礼拝したてまつる

【23】^よく安楽浄土に生まれた人は

みなことごとく*正定しょうじょうじゅに住する

*じゃじょうじゅ*じょうじゅの者は浄土にいない

諸仏はことごとく讃嘆される ゆえに礼拝したてまつる

【24】^すべての人が阿弥陀仏の*どくのみ名を聞いて

信心歓喜してこれを喜び

わずか一念するものまで

心から願えばみな往生することができる

ただ*ぎゃく*しょうぼうを謗る者を除く

それゆえわたしは*如来にょらいを礼拝し往生を願う

【25】^安楽浄土の菩薩や声聞たちは

この世界において比べるものがない

釈迦の自在の弁才をもって

いろいろなたとえを設けて少分を示された

最もいやしい乞食をば帝王に比べ

帝王をまた*転輪てんりんじょうおうと比べる

このように次々に比べて*第六だいろくてんに至る

次第に形のすぐれることは乞食と帝王のようである

第六天王のすがたをかの浄土の聖衆にくらべると

聖衆の方が千万億倍もすぐれて到底そのたぐいではない

^これはみな*法蔵ほうぞうさつ*願力がんりきによって成就するところである

*大心だいしんりきを礼拝したてまつる

【26】^すべての人々は求めるものがあれば

望みにかない思いに応じて現れぬものはない

一宝・二宝から無量の宝まで

その心にしたがって用いるものがねんに現れる

どう・飲食もことごとくこのとおりである

ゆえにわたしは*しょうぶつを礼拝したてまつる

【27】^もろもろの往生した者たちはすべて

浄らかなからだをそなえて比べるものがない

神通の功徳および宮殿や

衣服の荘厳などは第六天のようである

宝の鉢が自然にそこに現れて

立派な食物がたちまちに満ちる

その色を見 香を聞いてこころに食とし

たちまち満ち足りて悦びを受ける

その味は清らかで執着がなく

事おわれば消え去り用いようとすればまた現れる

安らかな楽しみは*はんの境界に同じである

それゆえ心からぬかずき礼拝したてまつる

【28】^十方浄土の菩薩たち

およびもろもろの*比丘びくで安楽国に生れるものは

無量無数で計ることができぬ

過去・今生・未来にわたってそのとおりである

みなかつて無数の仏を供養し

多くの菩薩行を積んでいる

こういう菩薩がことごとく往生する

それゆえ阿弥陀仏を礼拝したてまつる

【29】^もし阿弥陀仏の功徳のみ名を聞いて

歓喜し讚仰さんごうするならば

わずか一念する者まで大きな利益を得て

功徳の宝を身につけさせていただく

^たとい三千大千世界に満ちみちる火の中をも

ひるまず進んで阿弥陀仏のみ名を聞けよ

仏のみ名を聞けばふたたび退転しない位に入る

それゆえ心をこめてぬかずき礼拝したてまつる

【30】^不思議のはたらき極まりない阿弥陀仏は

十方の無数の仏がたが讃嘆なされる

東方の数かぎりない諸仏の国から

無数の菩薩がことごとく往って仏にまみえる

^また安楽国の菩薩や声聞や

もろもろの大衆を供養し

阿弥陀仏の尊い法を聞いて仏道のやくを説く

その他の九方の仏国もまたこのとおりである

釈迦如来は偈を説いて

量りなき功徳をたたえられる ゆえに礼拝したてまつる

【31】^諸方から来た多くの菩薩たちは

功徳善根を積むため弥陀をぎょうする

あるいは音楽をかなでて仏をほめたてまつり

あるいは仏の智慧が世間を照らすことをたたえる

あるいは浄らかな華や衣をもって供養し

あるいは浄土を見てこれと等しくしようとの願いを興す

このようなしょうじゃたちはみなまのあたり

清浄なるみ声で成仏の記別あかしをこうむり

すべての菩薩はいよいよ願行を増進する

ゆえにわたしは*婆伽ばがを礼拝したてまつる

【32】^阿弥陀仏が説法されるときには

大衆は*七宝しっぽうの講堂に雲のごとく集まり

仏のみ教えを聞いてことごとく悟入し

歓喜に充ちてみなさとりを得る

そのとき四方から清らかな風が起り

宝樹を動かして妙なるおんじょうを出す

調和した音色は清くすきとおって*ちくの声にまさり

*金石きんせきの音よりもこえすぐれてたぐいがない

清らかな華が香風を逐うて降りそそぎ

自然の供養は常にやまない

天人たちがまた清らかな華や香を持ってきて

百千の音楽を用いて恭敬をつくす

このような仏法僧の功徳をあつめておられる

ゆえにわたしは心をこめて*講堂こうどうを礼拝したてまつる

【33】^不思議の浄土は広大であって数量をこえており

自然の七宝からできている

それは弥陀の*本願ほんがんりきによって荘厳されたのである

*清浄しょうじょうだいしょうじゅを礼拝したてまつる

【34】^世界の光のかがやきは妙にしてすぐれ

心身は快く安らかで四季の別がない

*自利じり*利他りたのはたらきが円満している

慈悲のはたらきを成就せられた荘厳に帰命したてまつる

宝の大地はすきとおって平らなことたなごころのようであり

山・川・おか・谷などのはばむものはない

もし仏の不思議力を用いるならばすなわち見ることができる

*不可ふか思議しぎそんを礼拝したてまつる

【35】^*どうじょうじゅの高さは四百万里

まわりは五十*じゅんある

枝葉は二十万里にひろがり

自然に多くの宝でできている

*月光がっこう摩尼まに*かい輪宝りんぼうなど

多くのすぐれた宝で荘厳し

小枝の間にはあまねく*瓔珞ようらくが垂れて

百千万の色がさまざまに変る

その輝きは千の日輪よりも超えてこの上もなく

宝網がその上を覆っている

その他あらゆる荘厳が望みにしたがって現れる

*どうじょうじゅをぬかずき礼拝したてまつる

【36】^そよ風が樹を吹いて説法の声を出し

あまねく十方の諸仏の国に流れる

この説法の声を聞く者は深い智慧を得て

さとりを得るまで苦しみにあわぬ

不思議の力は広大で量ることができない

道場樹をぬかずき礼拝したてまつる

【37】^樹の香や樹の色や樹の出す音声

また樹に触れ 樹の味わい 樹を心に思う

眼耳鼻舌身意の*六根ろっこんが樹に遇えば智慧を得る

ゆえにわたしは道場樹を礼拝したてまつる

【38】^道場樹が六根に触れるならば

仏になるまで諸根が清らかになる

音響忍や柔順忍や無生法忍など

根機の浅深に随ってみなぞれぞれのさとりを得る

この樹のすぐれた徳の由来するところは

みなこれ阿弥陀如来の五種の力による

威神力と本願力すなわち満足願

明了願 堅固願 究竟願のゆえである

慈悲のはたらきははかり知ることができぬ

*しんりょうを礼拝したてまつる

【39】^この世の帝王から第六天に至るまで

音楽は次第にすぐれて八重である

順次に前よりすぐれること億万倍であり

宝樹の音がさらにうるわしいこともまたそのとおりである

^また自然の妙なる音楽があって

その説法の音声は清らかになごやかで心を悦ばせる

哀れにやさしくみやびやかですきとおり十方にすぐれている

ゆえにわたしは*清浄しょうじょうがくを礼拝したてまつる

【40】^七宝の樹林が世界にゆきわたり

その光は鮮やかで互いに照り

華果枝葉も互いに映りあう

*本願ほんがんどくじゅを礼拝したてまつる

【41】^清風が時々宝樹を吹くと

五つの音を出してその音階が調和し

妙にしてみやびやかな音曲が自然にできる

ゆえにわたしは*清浄しょうじょうくんを礼拝したてまつる

【42】^その国土は広大で はてしがなく

多くの宝でできた*もうがあまねく国を覆う

金の糸にいろいろの珍しい宝や

名づけることのできぬ宝を飾りとしている

^網の四方には宝の鈴を垂れ

ほどよい風がこれを動かして妙法の声を出す

^優雅な香は常に流れ

これを聞く者は煩悩が起らぬ

この風が身に触れて快楽を受けることは

比丘が*滅尽めつじんじょうを得たようである

^風が華を散らして仏土に満ちる

それらは色の別にしたがって入りまざらない

華の性質はやわらかで芳香を放ち

足でその上をふむと四寸ほどさがる

足を挙げるとまたもとどおりになる

用い終れば地が開けて下に没して残らぬ

そういうことが時にしたがって一日に六回くりかえす

量ることのできない果報である ゆえに礼拝したてまつる

【43】^多くの宝からできた蓮華が仏土に満ちている

一々の華には百千億のはなびらがある

その華の光明の色は無量で

朱・紫・紅・緑など五つの色をまじえる

燦然さんぜんと照りはえて日光よりもかがやく

それゆえ一心に礼拝したてまつる

【44】^一々の花の中から出す光は

三十六百千億である

一々の光の中に仏身があって

その数はまた出す光と同じである

仏身の相好は黄金の山のようである

一々の仏がまた百千の光を放ち

あまねく十方において妙なる法を説き

それぞれの仏が衆生を仏の道に入らしめる

このように威神力は限りがない

ゆえにわたしは阿弥陀仏に帰命したてまつる

【45】^楼閣や殿堂はたくみの造ったものではない

七宝をちりばめてうるわしく自然にできたものである

^*みょう月珠がつしゅをかざった幔幕まんまくがはりめぐらされ

建物のそれぞれに浴池があって程よい大きさである

*はっどくすいが池の中に満ちて

色も味も香も きよく*かんのようである

黄金の池には白銀の沙があり

池と沙との七宝が互いにこのとおりである

池の岸には香樹があって水の上に垂れ

*栴檀せんだん馥郁ふくいくとしていつも香を放っている

池にはきよらかな華が玉のようにかざりとなり

水上の鮮やかな光はめでたい雲のようである

*無漏むろの国土の果報は思いはかることができぬ

それゆえ*どくぞうを礼拝したてまつる

【46】^菩薩や声聞が宝池に入れば

心にしたがって浅深が思いのままになる

もし身にそそごうと思えば水は自然に注ぎ

元にかえそうと思えば水はすぐ還る

冷暖調和してかなわぬことがなく

心身を悦ばせて心のあかも洗い除かれる

水は明るく澄みきって形がないようであり

底の沙はすきとおって水が深くないように見える

水は静かにめぐって互いに注ぎ

ゆるやかに美しいかたちが人の心をやわらげる

^さざ波は無量の妙なる響きを出し

人の心に応じてそれぞれの法語を聞く

あるいは仏法僧の*三宝さんぼうの尊い説法を聞き

あるいは*寂静じゃくじょう*くう*無我むがのいわれを聞く

あるいは無量の*波羅はらみつ

*じゅうりき*じゅうはち不共ふぐほうやいろいろの神通智慧を聞き

あるいは*しょや無生法忍から

*かんかんじょうなどの法を聞く

人の根機に応じてみな歓喜し

三宝の相や真実の義にかない

菩薩や声聞の行ずる法が

ここにおいてすべてことごとく聞かれる

三途苦難の名はとこしえに閉じ

ただ自然の楽しみの声だけがある

それゆえその国を安楽と名づける

*ごくそんを礼拝したてまつる

【47】^本師*りゅうじゅさつ

*像法ぞうぼうの始めに誕生されてすたれた仏法をととのえ

よこしまな教えを閉ざして仏法の道を明らかにされた

これは*えんだいのすべての人を導く眼である

釈迦のかねてのみことばに応じて*かんの位にあって

阿弥陀仏に帰依して安楽浄土に往生された

【48】^たとえば龍が動けば雲が必ずしたがうように

閻浮提に百花が開いて人の心をのばす

慈悲ぶかき龍樹菩薩に帰依し

心からぬかずき礼拝したてまつる

【49】^わたしは無始よりこのかた*三界さんがいをめぐり

迷いの境界にさまようてきた

しばらくの時に造る業も

足を*六道ろくどうつなぎ三途はとどまらせる

願わくは仏の慈光がわたしを護って

*だいしんを失わぬようにしてくだされよ

^わたしは仏の智慧功徳のみ名をほめたてまつる

願わくは 十方世界のあらゆる有縁の人々に聞かせて

安楽浄土の往生を願う者を

皆ことごとく意のごとくさまたげのないようにさせたい

いまわたしのいただいた功徳のすべてを

一切の人に施してもろともに往生させよう

*不可ふか思議しぎこう如来にょらい*みょう

ふたごころなく信じて礼拝したてまつる

【50】^十方三世のあらゆる仏たちは

同じく*一如いちにょ法性に随って正覚を得られた

智慧も慈悲もまどかにそなえてそのさとりは平等である

ただ衆生の機縁に随って済度されるからいろいろとわかれている

わたしが阿弥陀仏の浄土に帰依することは

すなわち一切の諸仏に帰依することである

わたしは一心に弥陀一仏を讃嘆したてまつる

願わくは十方の仏たちの思召おぼしめしにかなうよう

このように十方のすべての仏たちを

ことごとく心をこめて礼拝したてまつる

 

讃阿弥陀仏偈

     讃 一百九十五  礼 五十一拝

 

糸竹 弦楽器と管楽器のこと。
金石 打楽器のこと。