0329

◎^▲¬称しよう讃さん浄じやう土ど教きやう¼◗に言のたま はく玄奘グヱンジヤウ三蔵サムザウ 訳ノヤクナリ

^「▲仮使 たとひ 経へ↠て於を↢百ひやく千せん倶く胝てい那由他なゆた劫こふ↡、以もて↢其それ无む量りやう百ひやく千せん倶く胝てい那由なゆ他たの舌した↡を、一一ゐちゐち◗の舌した◗の上うへ◗に出いだ↢ して无む量りやう◗の声こゑ↡を、讃ほめ↢ むに其その功く徳どく↡を、亦また不じ↠と能あた↠は尽つく。」 ること文

註釈版の底本は◎龍谷大学蔵文明五年蓮如上人開版本(文明本)ˆ浄聖全上段ˇであるが、 対照のため○高田派専修寺蔵国宝本(国宝本)ˆ浄聖全中段ˇを収録した。 なお、 ●高田派専修寺蔵正応三年顕智上人書写本(顕智本)ˆ浄聖全下段ˇの左訓も適宜採録し、 灰色で示している。

 

浄 土 和 讃

(正03305)

弥陀の名みやう号がうとなえつゝ

信心まことにうるひとは

憶念おくねむの心しむつねにして

仏恩ぶちおん報ほうずるおもひあり

(正12)

誓願不思議をうたがひて

御名みなを称する往生は

宮殿のうちに五百歳

むなしくすぐとぞときたまふ

(顕智本別首2)

末法まちぽふ五ご濁ぢよくのよとなりて

釈しや迦かの遺教ゆいけうかくれしむ

ノコリノミノリ

弥陀みだの悲ひ願ぐわんはひろまりて

念仏往生とげやすし

(顕智本別首3)

像ざう季き・末法まちぽふの衆しゆ生じやうの

行証ぎやうしようかなはぬときなれば

釈しや迦かの遺法ゆいほふことごとく

ノコリノミノリ

龍りう宮ぐにすでにいりたまふ

  0331

^¬讃0332阿弥陀仏偈¼曰 曇鸞どむらん和くわ尚しやう造ざうツクリタマフ

^南无阿弥陀仏 釈しやく して名↢なづく¬无む量りやう寿じゆ傍ばう経きやう¼と↡奉↠たてまつ りて讃ほめ亦また曰いふ↢安養↡あんやうと

 ^成じやう仏ぶち已い来らい歴りやく十劫じふこふ

 寿じゆ命みやう方ほう将しやう无む有う量りやう

 法身ほふしん光くわう輪りん徧へん法界ほふかい

 照せう世せ盲まう冥みやう故こ頂ちやう礼らい

^ 1又また号↢なづけ たてまつる无む量りやう光くわう↡と

 2真しん  実 じち   明みやう

 3又号↢无 む 辺 へん 光くわう↡

 40333平びやう  等 どう   覚 かく

 5又号↢无 む  げ 光くわう↡

 6難なん  思 じ   議 ぎ 

 7又号↢无 む 対 たい 光   ↡

 8畢ひち  竟きやう  依 え 

 9又号↢光くわう炎 えむ 王 わう ↡

 10大だい  応 おう   供 ぐ 

 11又号↢清浄しやうじやう光くわう↡

 12又号↢歓くわん喜 ぎ 光くわう↡

 13大だい  安 あん   慰 ゐ 

 14又号↢智 ち 慧 ゑ 光くわう↡

 15又号↢不 ふ 断 だん 光   ↡

 16又号↢難 なん 思 じ 光   ↡

 17又号↢无 む 称しやう光くわう↡

 18号↢超てう日 にち 月ぐわち光くわう◗と↡

^190334无む  等 とう   等 どう

 20広くわう  大 だい   会 え 

 21大だい  心 しむ   海 かい

 22无む  上じやう  尊 そん

 23平びやう  等 どう   力 りき

 24大だい  心 しん   力 りき

 25无む  称しよう  仏 ぶち

 26婆ば  伽 が   婆 ば 

 27講かう      堂 だう

 28清しやう浄じやう大 だい 摂 せふ 受 じゆ

 29不ふ可 か 思 し 議 ぎ 尊 そん

 30道だう  場じやう  樹 じゆ

 31真しん  无 む   量りやう

 32清しやう  浄じやう  楽 がく

 33本ほん願ぐわん功 く 徳 どく 聚 じゆ

 340335清しやう  浄じやう  勲 くん

 35功く  徳 どく   蔵 ざう

 36無む  極 ごく   尊 そん

 37南な无も不ふ可か思し議ぎ光くわう

 已上阿弥陀如来尊号そんがう 已上略抄之

 

^¬十じふ住ぢゆ毘び婆ば娑しや論ろん¼に曰◗いはく

自じ在ざい人にん 我礼 清浄しやうじやう人にん 帰命 無む量りやう徳とく 称讃

 

讃0336阿弥陀仏偈和讃

愚禿親鸞作

南无阿弥陀仏

(1)

弥陀みだ成じやう仏ぶちのこのかたは

いまに十劫こふをへたまへり

法身ほふしんの光くわう輪りんきはもなく

世せの盲まう冥みやうをてらすなり

メシヰノクラキトナリ

(20337)

智慧ちゑの光明くわうみやうはかりなし

チハアレハアレコレハコレトフンベチシテオモヒハカラフニヨリテシユイニナヅク

ヱハコノオモヒノサダマリテトモカクモハタラカヌニヨリテフドウニナヅク フドウザムマイナリ

有う量りやうの諸相しよさうことごとく

ウリヤウハセケンニアルコトハミナハカリアルニヨリテウリヤウトイフ ブチポフハキワホトリナキニヨリテムリヤウトイフナリ

光くわう暁けうかぶらぬものはなし

ヒカリニテラサルヽナリ

真実しんじち明みやうに帰くゐ命みやうせよ

ワアミダニヨライナリ

シントイフハイツワリヘツラワヌヲシントイフ

ジチトイフハカナラズモノヽミトナルヲイフナリ

(3)

解げ脱だちの光輪りんきわもなし

クダク

ゲダツトイフハサトリヲヒラキホトケニナルヲイフ ワレラガアクゴフボムナウヲアミダノオムヒカリニテクダクトイフコヽロナリ

光触そくかぶるものはみな

ヒカリヲミニフルヽトイフコヽロナリ

有無うむをはなるとのべたまふ

ジヤケンヲハナルヽトナリ

平びやう等どう覚かくに帰命せよ

アミダハホフシンニテマシマスアヒダビヤウドウカクトイフナリ

(40338)

光くわう雲うん无むげ如によ虚空こく

一切さいの有うげにさはりなし

サワル

ヨロズノコノヨノコトナリ

光沢たくかぶらぬものぞなき

ウルオウ

ヒカリニアタルユヘニチヱノイデクルナリ

難なん思議じぎに帰命せよ

コヽロノオヨバヌニヨリテナンジギトイフ

(5)

清浄しやうじやう光明くわうみやうならびなし

スミ キヨシ

トムヨクノツミヲケサムレウニシヤウジヤウクワウミヤウトイフナリ

遇斯ぐし光くわうのゆえなれは

マウアフトイフ

コノヒカリニアフモノハ

一切の業ごふ繋けものぞこりぬ

ゴフニツナガル

アクゴフノツナトイフナリ

畢ひち竟きやう依えに帰命せよ

オワリ反ツイニ反 メシニ反

オワル反キワム反

ヨル反シタガフ反

ホフシンノサトリノコルトコロナクキワマリタマヒタリトイフコヽロナリ

(60339)

仏光くわう照曜せうえう最第さいだい一

テラシ

カガヤクコト

サイハコトニモトモスグレタリトイフコヽロナリ

光くわう炎えむ王わう仏ぶちとなづけたり

三塗づの黒闇こくあむひらくなり

大応おう供ぐに帰命せよ

カナウ反コタフ

一サイシユジヤウノクヤウヲウケマシマスニコタエタマフニヨリテダイオウグトイフ

(7)

道だう光くわう明みやう朗らう超絶てうぜちせり

アキラカニ

ホガラカナリ反

スグレタリ

ダイクワウミヤウラウテウゼチトイフハアミダニヨライナリ

タエタリ反タエタリトイフハスグレタルニヨリテマフスナリ

清浄光仏となづけたり

アミダニヨライナリ

ひとたび光くわう照せうかぶるもの

ヒカリニテラサルヽトイフナリ

業ごふ垢くをのぞき解げ脱だちをう

サトリ反サトル反

アクゴフボムナウオモノゾキゲダチオモウ ゲダチトイフハブチクワニイタリホトケニナルヲイフ

(80340)

慈じ光くわうはるかにかぶらしめ

アワレムヒカリ

ジハチヽノジヒニタトフルナリ

ひかりのいたるところには

法ほふ喜きをうとぞのべたまふ

ヨロコビ反

クワンギクワウブチヲホフキトイフ コレハトムヨクシンイグチノヤミヲケサムレウナリ

大安あん慰ゐに帰命せよ

ヤスウ

ヤスラカシム

ダイアンヰハミダノミナナリ 一サイシユジヤウノヨロヅノナゲキウレエワルキコトヲミナウシナフテヤスクヤスカラシム

(9)

无む明みやうの闇あむを破はするゆへ

智慧ちゑ光くわう仏ぶちとなづけたり

一サイノシヨブチノチヱヲアツメタマエルユヘニチヱクワウトマフス ヰチサイシヨブチノ仏ニナリタマフコトハコノアミダノチヱニテナリタマフナリ

一切諸仏しよぶち・三さむ乗じよう衆しゆ

シヤウモンエンガクボサチコレヲ三ジヨウトイフナリ

ともに嘆たん誉よしたまへり

ホメホム

(100341)

光明くわうみやうてらしてたえざれば

不ふ断だん光くわう仏ぶちとなづけたり

聞もん光くわう力りきのゆへなれば

モントイフハキクトイフ キクトイフハコノホフヲキヽテシンジテツネニタエヌコヽロナリ

心しむ不ふ↠断だんにて往生す

◗ズ タエ

ボダイシムノタエヌニヨリテフダントイフ

(11)

仏ぶち光くわう測しき量りやうなきゆへに

ハカルニキワナシ

リヤウハカズヲシルヲイフナリ

ハカリ反シキハハカライノキワナキヲイフ

難なん思じ光くわう仏ぶちとなづけたり

スベテコヽロノオヨバヌニテナンジクワウブチトイフナリ

諸仏は往生嘆たんじつゝ

ホムルナリ

弥陀の功く徳どくを称しようせしむ

シヨウ反ハカリ反ヨム反トナウ反

(120342)

神じん光くわうの離り相さうをとかざれば

ハナル反

カタチ反

ヒカリハカタチノナキナリ

ジンクワウトイフハアミダ スベテミダノカタチトキアラハシガタシトナリ

无む称しよう光くわう仏ぶちとなづけたり

スベテコトバオヨバヌニヨリテムシヨウクワウブチトマフスナリ

因いん光くわう成じやう仏ぶちのひかりおば

タネ

ヒカリヲタネトシテホトケニナリタマヒタリ

諸仏しよぶちの嘆たんずるところなり

(13)

光明くわうみやう月つき日ひに勝しよう過ぐわして

ムゲクワウニヨライハツキヒニハスグレタマヘルヒカリナルガユヘニ

超てう日月光となづけたり

アミダ仏ナリ

釈迦嘆たんじてなほつきず

无む等等とうどうに帰くゐ命みやうせよ

ヒトシクヒトシキ人ナシ

(140343)

弥陀初しよ会ゑの聖しやう衆じゆは

ハジメ反  オムシトイフ反

アツマリタマフ

アミダブチノホトケニナリタマヒシトキノミデシノオホクオハシマスコトナリ

算数さんじゆのおよぶことぞなき

アンラクジヤウドノシヤウジユカズキワナクオホシトナリ

浄土をねがはむひとはみな

広くわう大だい会ゑに帰命せよ

十方のシユジヤウミナゴクラクニテ仏ニナルコトヲホフシントイフナリ

(15)

安楽あんらく无量の大菩ぼ薩さちは

一生補ふ処しよにいたるなり

トコロ反コトハリ反

ゴクラクニマイリナバミダノ一ノオムデシトナルコヽロナリ

普ふ賢げんの徳とくに帰くゐしてこそ

タスク

ワレラシユジヤウゴクラクニマイリナバダイジダイヒヲオコシテ十方ニイタリテシユジヤウヲリヤクスルナリ 仏ノシゴクノジヒヲフゲントマフスナリ

穢ゑ国こくにかならず化くゑするなれ

ケガル反

メグム反アワレム反オシフ反マボロシ反

(160344)

十方衆しゆ生じやうのためにとて

如来の法蔵ほふざうあつめてぞ

ヨロヅノ仏ノクドクナリ

本願弘ぐ誓ぜいに帰くゐせしむる

大心海しむかいに帰命せよ

仏ノオムコヽロヒロクフカクキワホトリナキユヘニアミダオバダイシムカイトイフナリ

(17)

観くわん音おむ・勢せい至しもろともに

慈じ光クワウ世せ界かいを照曜せうえうし

アハレミカナシムヒカリ

テラシカヾヤク

ツキノヒカリノカヾヤクニカク

有う縁えんを度どしてしばらくも

エンアルヲ ワタス

休く息そくあることなかりけり

ヤミヤムコトナシ

(180345)

安楽あんらく浄じやう土どにいたるひと

五ご濁じよく悪あく世せにかへりては

釈しや迦か牟尼むに仏ぶちのごとくにて

利り益やく衆しゆ生じやうはきわもなし

メグミ反アワレム反

(19)

神力自在なることは

測量すべきことぞなき

ハカリキワナシトイフナリ

不思議の徳をあつめたり

タスク反

コヽロモコトバモオヨバズ

无上尊に帰命せよ

(200346)

安楽声しやう聞もん・菩ぼ薩さち衆しゆ

人天智慧ちゑほがらかに

身相しんさう荘しやう厳ゴム殊しゆ異いなし

カザリ反

カザル反イツクシ反

他た方はうに順じゆんじて名なをつらぬ

シタガフ反

(21)

顔容げんよう端たん政じやうたぐひなし

ナオク反

オムカホバセ反

ジヤウドノヒトノカタチノヨキコトナリ

精しやう微み妙めう躯く非ひ人天にんでん

コトニヨシ

ヨシ  ミ «テンニアラズニンニアラズ»

タエナル

虚无こむ之し身しん无む極ごく体たい

コムシシントイフハキワモナキホフシンノタイナリ

平びやう等力どうりきに帰命せよ

アミダブチナリ

(220347)

安楽あんらく国こくをねがふひと

正定しやうぢやう聚じゆにこそ住ぢゆすなれ

マサシク

トモガラ

サダマル

邪じや定ぢやう・不ふ定ぢやう聚じゆくにゝなし

ジヤヂヤウハマンギヤウマンゼンジリキノワウジヤウクワンギヤウノセチ

フヂヤウジユハアミダキヤウノコヽロ ギヤウハフカシギナレドモワレラジリキニシユギヤウスルアヒダフヂヤウジユトトク

諸仏讃嘆さんだんしたまへり

(23)

十方諸しよ有うの衆しゆ生じやうは

アラユル

シヨウハ二十五ウノシユジヤウトイフワレラシユジヤウハ廿五ウニスギテムマルヽトイフコヽロナリ

阿弥陀至し徳とくのみなをきゝ

真実しんじち信心いたりなば

マコト

シンハグヰナラズケナラズグヰハイツワル反ヘツラウ反シンハカリナラズ

ミトナル

ジチハコナラズムナシカラズ

おほきに所しよ↠聞もんを慶きやう喜きせん

キク

トコロ

シヨモントイフハシンズルコヽロトイフコヽロナリ

(240348)

若にやく不ふ生しやう者じやのちかひゆへ

ワガチカヒヲシンゼムモノモシムマレズハホトケニナラジトイフコヽロナリ

信楽しんげうまことにときいたり

ネガフ

コムガウノシンジムナリ コノタリキコムガウノシンジムノサダマルトキアミダホトケノオンコヽロニハカナフトシルベシ

一念慶きやう喜きするひとは

ミニモコヽロニモヨロコブナリ

往生かならずさだまりぬ

(25)

安楽あんらく仏ぶち土どの依え正しやうは

エホウハヨロヅノホウジユホウチヨロヅノカザリナリ スベテノカザリノナナリ

シヤウボウハワレラガゴクラクニマイリナバジンヅウジザイニナルヲイフナリ

法蔵ほふざう願ぐわん力りきのなせるなり

天上天下げにたぐひなし

大心力に帰命せよ

ヨリ反タノム反

ミヤウノコトバナリ

オホセニシタガフメシニカナフトイフナリ

(260349)

安楽あんらく国こく土どの荘しやう厳ごむは

釈しや迦か无むげの大弁才べんざい

とくともつきじとのべたまふ

无む称しよう仏ぶちに帰命せよ

ヨリタノム

ミヤウノコトバナリ

オホセニシタガフ メシニシタガフトイフ也

コトバニテハイヒツクシガタキニヨリテムシヨウブチトマフスナリ

(27)

已い今こむ当たうの往生は

スデニ反クワコ反

コムジヤウ反イマ反

ミライ反

この土どの衆しゆ生じやうのみならす

十方仏ぶち土どよりきたる

无む↠量りやう无む数しゆ不可計ふかけなり

ハカリナシ

カズウ

カズキワナシトイフコヽロナリ

(280350)

阿弥陀仏のみなをきゝ

歓くわん喜ぎ讃仰さんがうせしむれば

ヨロコビ

クワンハミヲヨロコバシムルヲイフナリ

ヨロコブ

キハコヽロヲヨロコバシムルヲイフナリ

ホメアオグ

功く徳どくの宝ほうを具ぐ足そくして

一念大利り无上なり

ネチハンニイルヲダイリトイフナリ

(29)

たとひ大千世せ界かいに

みてらむ火ひおもすぎゆきて

仏のみなをきくひとは

ながく不退にかなふなり

ホトケナルベキミトサダマルナリ

(300351)

神力じんりき无む極ごくの阿弥陀は

タマシヒ

ジンヅウジザイニマシマスコトノキワマリナキナリ

无む量りやうの諸仏ほめたまふ

東方とうばう恒沙ごうじやの仏国ぶちこくより

ヒムガシノハウニガウガノイサゴノゴトク仏国アリトナリ

无む数しゆの菩ぼ薩さちゆきたまふ

カズキワナシトナリ

(31)

自余じよの九く方はうの仏国ぶちこくも

菩ぼ薩さちの往覲わうごむまたおなじ

ワウジヤウシテホトケヲミタテマツルナリ

十方ヨリボサチノゴクラクヘマイリテミダヲミタテマツルコヽロナリ

釈迦牟尼如来偈げをときて

無む量りやうの功く徳どくをほめたまふ

(320352)

諸来しよらいの无む量りやう菩ぼ薩さち衆しゆ

徳本とくほんうえむためにとて

クドクノホンナリ

恭く敬ぎやうをいたし歌か嘆たんす

ツヽシミウヤマウ

コヽロモオヨバズウヤマウコヽロナリ

ホメ

«コヱニアゲテホムルヲカトイフ»

ホム

«コヽロノウチニホムルヲタントイフ»

みなひと婆伽婆ばがばに帰命せよ

テンジクニハ仏ヲバガバトイフナリ

(33) «サウジユリムゲノ往生ナリ»

七宝ぽう講堂かうだう道だう場じやう樹じゆ

クヱ

ナラウ ブチダウノニハニハ

方便はうべん化身くゑしんの浄土なり

十方来生きわもなし

ジヤウドニムマルヽトイフナリ

講堂かうだう道だう場じやう礼すべし

(340353)

妙めう土ど広くわう大だい超てう数限しゆげん

本願荘しよう厳ごむよりおこる

清浄しやうじやう大摂受せふじゆに

アミダ仏也

稽け首しゆ帰くゐ命みやうせしむべし

カウベ

イタス反

(35)

自利じり々他りた円満ゑんまんして

ジリハアミダノホトケニナリタマヒタルコヽロ

リタハシユジヤウヲワウジヤウセシムルコヽロ

ヱンハゼンアクスベテワカズヨキコトニナシテマシマスコヽロノミチタルコヽロナリ

ミヅカラモホトケニナリシユジヤウモホトケニナルコトヲヱンマンストイフナリ

帰命方便巧げう荘しやう厳ごむ

タクミ反

ハウベンゲウシヤウゴムニクヰミヤウシタテマツルト

こゝろもことばもたえたれば

不可思議ふかしぎ尊そんに帰くゐ命みやうせよ

コヽロモコトバモオヨバレズ

(360354)

神力じんりき本ほん願ぐわん及ぎふ満足まんぞく

明みやう了れう堅けん固ご究く竟きやう願ぐわん

アキラカナリ反

サトルトイフ反

コムガウシムナリ

シンノカタキヲケントイフ

コヽロノカタキヲコトイフ

慈悲じひ方便はうべん不思議ふしぎなり

真しん无む量りやうに帰命せよ

(37)

宝林ほうりむ・宝樹ほうじゆ微み妙めう音む

キノシゲキニヨリテハヤシトイフ

オト

コマカナリ反

ヨシトタヘタリ

«キノエダイケノミヅハタラキウゴクモノミナノリノコヱナラヌモノナシ»

自じ然ねん清しやう和わの伎ぎ楽がくにて

アヤツル

«一キウ二シヤウ三カク四チ五ウノコヱノヤワラギタルコヽロナリ»

哀婉雅亮すぐれたり

アワレニタワヤカナルヒヾキタワヤカナリ

リヤウハタスクトヨム マタハヒトノナニハナンノスケトヨムナリ

清浄楽に帰命せよ

アミダニヨライナリ

(380355)

七宝ぽう樹林じゆりむくにゝみつ

光耀たがひに映発えいほちす

ヒカリカヾヤク

華くゑ・菓くわ・枝し・葉えふまたおなじ

コノミ オホエダ ハ

本願功く徳どく聚じゆに帰命せよ

(39)

清しやう風ふ宝樹ほうじゆをふくときは

いつゝの音おむ声じやういだしつゝ

コヱナリ

宮きう商しやう和わして自然なり

清浄しやうじやう勲くんを礼すべし

ニホウ

(400356)

一一のはなのなかよりは

三十六百千億の

光明くわうみやうてらしてほがらかに

いたらぬところはさらになし

(41)

一一のはなのなかよりは

三十六百千億おくの

仏身ぶちしんもひかりもひとしくて

相好さうがう金山こむぜんのごとくなり

サウハオホカタチ

カウハコカタチ

(420357)

相好さうがうごとに百千の

ひかりを十方にはなちてぞ

つねに妙法めうほふときひろめ

タエナルノリ

衆しゆ生じやうを仏道ぶちだうにいらしむる

(43)

七宝ぽうの宝ほう池ちいさぎよく

タカラノイケ

八はち功く徳どく水しゐみちみてり

无漏むろの依え果くわ不思議ふしぎなり

ボムナウノナキヲイフ

ゴクラクノシヤウゴムナリ

功く徳どく蔵ざうに帰命せよ

アミダニヨライナリ

(440358)

三塗づ苦く難なんながくとぢ

ヂゴクガクヰチウシヤウナリ

クルシミ反ネムゴロニ反

但たん有う自じ然ねん快楽くゑらく音おむ

タノシミノコヱノミアリ

このゆへ安楽あんらくとなづけたり

无む極尊ごくそんに帰命せよ

(45)

十方三世ぜの无量慧

おなじく一如によに乗じようじてぞ

二智ち円満ゑんまん道だう平びやう等どう

ヒトシト反

ヒトシク反タイラカナリト反

ニチヱンハコノシヤバセカイノチヱブチダウノチヱミナサトリタマフコトビヤウドウナリ

摂化せふくゑ随縁ずいえん不思議ふしぎなり

オサメクヱスルコト

エンニシタガフテ

(460359)

弥陀みだの浄土に帰くゐしぬれば

すなはち諸仏に帰くゐするなり

一心をもちて一仏を

ほむるは无むげ人にんをほむるなり

アミダノホフシンノタイナリ

(47)

信心歓くわん喜ぎ慶きやう所聞しよもん

エテノチニヨロコブナリ

シンジムヲカネテヨロコブ

乃曁ないかい一念至し心しむ者しや

イタス

イマシオヨブマデ

イマシ一念ニイタルマデシンジチナルヒトハ

南无不可思議ふかしぎ光くわう仏ぶち

頭づ面めんに礼らいしたてまつれ

(480360)

仏ぶち恵ゑ功く徳どくをほめしめて

ダイジダイヒトクドクトヲ

十方の有う縁えんにきかしめむ

信心すでにえむひとは

コムガウシムノヒトハ

つねに仏恩ぶちおん報ほうずべし

已上四十八首

愚禿釈親鸞作

阿わあ0361弥陀みだ如来観くわん世ぜ音おむ菩ぼ薩さち
大勢せい至し菩ぼ薩さち
釈しや迦牟尼かむに仏ぶち富楼那ふるな尊者そんじや
大目犍連もくけんれん
阿わあ難なん尊者そんじや
頻びん婆ば娑しや羅ら王わう韋ゐ提だい夫ぶ人にん
耆婆ぎば大臣だいじん
月光ぐわちくわう大臣じん
提だい婆ば尊者そんじや阿闍わあじや世せ王わう
雨ぎやう行う大臣じん
守門者しゆもんじや

 

浄0362土和讃 愚禿親鸞作

¬大経¼意 二十二首

(49)

尊者そんじや阿難わあなん座ざよりたち

世せ尊そんの威ゐ光くわうを瞻仰せむがうし

ミタテマツル

オホセヲアオグ

生しやう希有けう心しむとおどろかし

マレニアリガタキコヽロトイフナリ

未み曽見ぞうけんとぞあやしみし

イマダムカシモカヽルオムカホバセミタテマツラズ

(500363)

如来の光くわう瑞ずい希有けうにして

ニヨライノオムヒカリコトニヨキオムカタチケウニマシマストナリ

阿難わあなんはなはだこゝろよく

如によ是ぜ之義しぎととえりしに

カクノゴトキノギイカナルオムコトトトイタテマツルニトナリ

出しゆつ世せの本ほん意いあらはせり

ヨニイデタマフナリ

ミダノチグワンヲトカンガタメナリ

(51)

大寂定じやくじやうにいりたまひ

シヅカニシヅカニマシマスコトコトニヒゴロニスグレマシマシタマフユヘハタヾアミダノミヤウガウヲトキタマハムトテヨニイデマシマスコトコトニスグレメデタクマシマスオムカタチナリ

如来の光くわう顔げんたえにして

オムカホバセオムカタチナリ

阿難わあなんの慧ゑ見けんをみそなはし

サトリ

ミマイラスルヲ

問もん斯し慧義ゑぎとほめたまふ

コノコトヲトイマイラセタマフ

(520364)

如来興こう世せの本ほん意いには

ヨニイデタマフトイフ

本願真実しんじちひらきてぞ

難なん値ち難見なんけんとときたまひ

マウアヒガタクミタテマツリガタシ

猶ゆ霊瑞華れいずいくゑとしめしける

ウドムジユノハナヲレイズイクヱトイフ レイズイクヱノトキアテトキニイマシイヅルガゴトシ ウドムジユハミハツネニナレドモハナノサクコトキワメテマレナルニヨリテホトケノヨニイデタマフコトキワメテマレニマシマスアヒダタトエニヒカレタリ

(53)

弥陀成じやう仏ぶちのこのかたは

いまに十劫こふとときたれど

塵点ぢんでむ久く遠おん劫ごふよりも

一大三千界ヲスミニシテコノスミヲフデノサキニチトツケテクニヒトツニチトツケクニヒトツニチトツケテツケツクシテコノチリノカズヲカズヘツモリタルヲヂンデンクオンゴフトイフナリ

ひさしき仏とみへたまふ

(540365)

南无不可思議なもふかしぎ光くわう仏ぶち

饒王ねうわう仏ぶちのみもとにて

セジザイワウブチナリ

十方浄土のなかよりぞ

本願選せん択ぢやく摂取せふしゆする

エラビ反

オサメトル

エラブ反キラフ反

セウハコトニエラビトルコヽロナリ

シユハキラヒトルコヽロナリ

(55)

无光仏のひかりには

サワルコトナキヒカリノニヨライナリ アクゴフボムナウニサエラレヌニヨリテムゲトマフスナリ

清浄しやうじやう・歓くわん喜ぎ・智慧ちゑ光くわう

グチノボムナウヲタスケムレウニチヱトナヅク

シンイノボムナウヲタスケムレウニクワンギトナヅクナリ

トムヨクノボムナウヲタスケトムヨクノツミヲケサムレウニシテシヤウジヤウクワンギトナヅク

その徳とく不可思議ふかしぎにして

十方諸しよ有うを利り益やくせり

シヨウシユジヤウトイフハ廿五ノ衆生也

(560366)

至し心シム・信楽しんげう・欲よく生しやうと

シンジチナリ

ムマレムトオモフナリ

コムガウノシン

十方の諸しよ有うをすゝめてぞ

シヨウシユジヤウトイフハ二十五ウノシユジヤウナリ

不思議の誓願あらわして

真実報土の因とする

アンラクジヤウドニムマルヽタネナリ

(57)

真実しんじち信心うるひとは

シシムシンゲウノシンハシンジムハシンナリ シンジチハシシムノコヽロナリ

すなわち定聚のかずにいる

ホトケニナルクラヰ也

不退のくらゐに住すれば

かならず滅度にいたらしむ

ネチハンノサトリヲヒラク也

(580367)

諸仏しよぶちの大悲ひふかければ

ミダヲシヨブチトマフス クワドニンダウノコヽロナリ

仏ぶち智ちの不思議をあらわして

変へん成じやう男なむ子しの願をたて

女人成仏ちかひたり

(59)

至心・発願・欲生と

十九のグワン コノグワンオバゲンゼンダウシヤウノグワントイフコトアリ リムジユゲンゼンノグワントモアリ ライカウインゼウノグワントモアリ

ワアミダニヨライノオムコヽロザシナリ ムマレムトオモフヒトノコヽロヲスヽムル也

十方衆生を方便し

ノリ反カタドル反

タヨリ反スナワチト反

衆善の仮門ひらきてぞ

ハウベンノゼンナリ

現其人前と願じける

リムジユノトキニソノヒトノマヘニアラワレタマフベシトナリ

(600368)

臨終りむじゆ現前げんぜんの願により

ノゾム反

オワリニ反

アラワレム

ソノマヘニ

釈しや迦かは諸善しよぜんをことごとく

¬観経くわんぎやう¼一部ぶにあらわして

アツム反

ワカツ反

定ぢやう散さん諸しよ機きをすゝめけり

シユジヤウ反ハタモノ反

ヂヤウシムサンシムノシユジヤウナリ

(61)

諸善しよぜん万まん行ぎやうことごとく

至し心しむ発ほち願ぐわんせるゆへに

アミダニヨライノオムコヽロザシナリ ヨロヅノゼン人ヲスヽメタマフチカヒ也

往生浄土の方便はうべんの

善ぜんとならぬはなかりけり

(620369) «廿グワンナリ»

至し心しむ・回ゑ向かう・欲よく生しやうと

アミダニヨライノオムスヽメナリ ムマレムトオモフシユジヤウノコヽロザシヲスヽメタマフチカヒ也

十方衆生を方便し

名号の真門しんもんひらきてぞ

アンラクジヤウドニイルマコトノオシヘナリ

不ふ果遂くわすい者と願じける

ハタシトゲムトチカヒタマヘルナリ

(63)

果遂くわすいの願によりてこそ

ツイニハタシトゲムトナリ

釈迦は善本ぜんぽん徳本とくほんを

インヰヲゼンポントイフ

クワヰノヲトクホントイフ

¬弥陀経¼にあらわして

一乗の機きをすゝめける

ヰチジヨウノキトハホウドニシヤウジユセシメン

(640370)

定ぢやう散さん自力の称名しようみやうは

果遂くわすいのちかひに帰くゐしてこそ

ジリキノコヽロニテミヤウガウヲトナヘタルオバツヒニハタシトゲムトチカヒタマフナリ

おしえざれとも自じ然ねんに

真如しんによの門もんに転入てんにふする

ホフシンノサトリヲヒラクミトウツリイルトマフスナリ

(65)

安楽あんらく浄土をねがひつゝ

他た力りきの信しんをえぬひとは

仏ぶち智ち不思議ふしぎをうたがひて

辺へん地ぢ懈け慢まんにとまるなり

ギワクタイシヤウヲヘンヂトイフ コレハ五百歳ヲヘテホウドニハマイルナリ

シヨギヤウワウジヤウノヒトハケマンニオツ コレラハオクセンマンノトキマレニ一人ホウドヘハスヽムナリ

(660371)

如来の興こう世せにあひがたく

オコス反

仏ヨニイデタマフトイフナリ

諸仏の経きやう道だうきゝがたし

ヨロヅノホトケノオシヘニモアヒガタシトナリ

菩ぼ薩さちの勝しよう法ぼふきくことも

スグレタルホフ

シヨウボフトイフハ六ドハラミチナリ コレラニアフコトモワレラハアリガタシトナリ

无量劫こふにもまれらなり

(67)

善ぜん知ぢ識しきにあふことも

おしふることもまたかたし

よくきくこともかたければ

行ずることもなほかたし

(680372)

一代だい諸教しよけうの信しんよりも

ヒトヨ

弘ぐ願ぐわんの信楽しんげうなほかたし

ヒロクヒロマル

シンジム

ネガフコトナホカタシ

難中なんちう之し難なんとときたまひ

カタキガナカニカタシトイフ

无む過くわ此し難なんとのべたまふ

コレニスギテカタキコトナシトナリ

(69)

念仏成じやう仏ぶちこれ真宗しんしゆ

シンジチホングワンナリ

万まん行ぎやう諸善しよぜんこれ要えう門もん

ハウベンケモンナリ

権実ごんじち真しん仮けをわかずして

ハウベンノゼントシンジチノセイグワンヲワカズトイフ

自じ然ねんの浄土をえぞしらぬ

(700373)

聖しやう道だう権ごん仮けの方便はうべんに

カリニ

カリナリ

衆生ひさしくとゞまりて

諸しよ有うに流る転てんのみとぞなる

サソラフ反

ウツリウツル

悲ひ願ぐわんの一乗じよう帰命せよ

已上¬大経¼意

 

¬観経¼意 九首

(710374)

恩徳おんどく広くわう大だい釈しや迦か如来によらい

韋ゐ提だい夫ぶ人にんに勅ちよくしてぞ

光くわう台だい現国げんごくのそのなかに

ウテナ反

シヤカニヨライノオムヒカリノナカニサマザマノ国ヲゲンジタマフナリ

安楽あんらく世せ界かいをえらばしむ

(72)

頻びん婆ば娑しや羅ら王わう勅ちよくせしめ

宿因しういんその期ごをまたずして

マツ反

シウ反ムカシトヨム

仙人せんにん殺害せつがいのむくひには

コロシ

ソコナウ

七重ぢうのむろにとぢられき

カサナル

(730375)

阿闍わあじや世せ王わうは瞋怒して

イカリ

オモテニイカルヲシントイフ

イカル

コヽロニイカルヲヌトイフ

我母がも是ぜ賊ぞくとしめしてぞ

ワガハヽハコレアダナリトイフ

無む道だうにはゝを害がいせむと

ソコナフトイフ

つるぎをぬきてむかひける

(74)

耆婆ぎば・月光ぐわちくわうねむごろに

是ぜ旃せん陀羅だらとはぢしめて

不宜ふぎ住ぢゆ此しと奏そうしてぞ

マウス反

ヨロシクコヽニヂユスベカラズ

闍王じやわうの逆ぐゐやく心しむいさめける

(750376)

耆婆ぎば大臣じんおさへてぞ

却行きやくぎやう而に退たいせしめつゝ

シリゾキサラシム

闍王じやわうつるぎをすてしめて

韋ゐ提だいをみやに禁きむじける

イマシム

(76)

弥陀・釈しや迦か方便はうべんして

阿あ難なん・目連もくれん・富楼那ふるな・韋ゐ提だい

達だち多た・闍王じやわう・頻びん婆ば娑しや羅ら

耆婆ぎば・月光ぐわちくわう・行ぎやう雨う等とう

(770377)

大聖しやうおのおのもろともに

凡ぼむ愚ぐ底てい下げのつみびとを

オホヨソ

タヾウド

ソコ

ワレラハダイカイノソコニシズメルトナリ

逆ぐゐやく悪あくもらさぬ誓せい願ぐわんに

アクハジフアクナリ

グヰヤクトイフハゴグヰヤクナリ

方便引入いんにふせしめけり

コシラフ

ミチビク

(78)

釈しや迦か韋ゐ提だい方便はうべんして

浄じやう土どの機き縁えん熟じゆくすれば

ウム反カナウ反

行ぎやう雨う大臣じん証しようとして

カナウ反サトル反

闍王じやわう逆ぐゐやく悪がい興こうぜしむ

オコス反

(790378)

定ぢやう散さん諸しよ機き各別かくべちの

センマンナリ

ヨロヅノシユジヤウ

自じ力りきの三心ひるがへし

如来によらい利他りたの信心に

通つ入にふせむとねがふべし

カヨフ反ミチト反

已上¬観経¼意

 

¬弥陀経¼意 五首

(800379)

十方微み塵ぢん世せ界かいの

コマカナルチリ

念仏の衆生をみそなはし

摂取せふしゆしてすてざれば

オサメトル

シユハムカエトル

ヒトタビトリテナガクステヌナリ

セフハモノヽニグルヲオワエトルナリ セフハオサメトル

阿弥陀となづけたてまつる

(81)

恒沙ごうじや塵数ぢんじゆの如来は

万まん行ぎやうの少善せうぜんきらいつゝ

名みやう号がう不思議ふしぎの信心を

ひとしくひとえにすゝめたり

(820380)

十方恒沙ごうじやの諸仏しよぶちは

極ごく難信なんしんののりをとき

五濁ぢよく悪あく世せのためにとて

証誠しようじやう護ご念ねむせしめたり

(83)

諸仏しよぶちの護ご念ねむ証誠しようじやうは

悲ひ願ぐわん成じやう就じゆのゆへなれば

金剛こむがう心しむをえむひとは

ツヨシ反

コムガウハヤブレズタヾレズウゲズ

弥陀の大恩おん報ほうずべし

(840381)

五ご濁ぢよく悪あく時じ悪あく世せ界かい

濁ぢよく悪あく邪見じやけんの衆生には

弥陀の名号あたえてぞ

恒沙ごうじやの信心すゝめたる

已上¬弥陀経¼意

 

諸経の意こゝろ弥陀仏和讃 九首

(850382)

无む明みやうの大夜やをあはれみて

オホキナルヤミノヨ

ボムナウノワウヲムミヤウトイフナリ

法身の光くわう輪りんきわもなく

ヒカリ

メグル

ホフシンハスベテコヽロモコトバモオヨバヌナリ コクニミチタマヘリ

无光仏としめしてぞ

安養あんやう界かいに影現やうげんする

カゲノゴトクニアラハルヽナリ

(86)

久く遠おん実じち成じやう阿弥陀仏

ムカシヨリマコトニアミダトナリタマヘルナリ

五ご濁ぢよくの凡ぼむ愚ぐをあわれみて

釈しや迦牟尼かむに仏ぶちとしめしてぞ

迦耶がや城じやうには応現おうげんする

ジヤウボムダイワウノワタラセタマイシトコロヲガヤジヤウトイフナリ

(870383)

百千倶く胝ていの劫こふをへて

百千倶く胝ていのしたをいだし

マンオクヲクテイトイフ クテイトイフハテンヂクノコトバナリ

したごと无む量りやうのこゑをして

弥陀をほめむになほつきじ

(88)

大聖しやう易い往わうとときたまふ

浄土をうたがふ衆生おば

無む眼人げんにんとぞなづけたる

マナコナキヒトヽナヅク

モクレンシヨモンギヤウノモンナリ

*クワンネンボフモンニヒカレタリ

無耳人とぞのべたまふ

ミヽナキヒトヽイフ

観念法門に… ¬観念法門¼に引用はない。 ¬安楽集¼(上)、 ¬往生要集¼(上)に見られる。

(890384)

无上上は真しん解げ脱だち

ホフシンヲムジヤウジヤウトモイヒシンゲダチトモイフ

真しん解げ脱だちは如来なり

真しん解げ脱だちにいたるにぞ

无む愛あい无疑むぎとはあらはるゝ

ヨクモナクウタガヒモナキコトアラワルナリ

(90)

平びやう等どう心しむをうるときを

ホフシンノ心ヲウルトキトナリ

一子地しぢとなづけたり

三ガイノシユジヤウヲワガヒトリゴトオモフコトヲウルヲヰチシヂトイフナリ

一子地は仏ぶち性しやうなり

安養あんやうにいたりてさとるべし

(910385)

如来すなわち涅槃ねちはんなり

ニヨライトマフスハスナワチネチハントマフスミコトナリ ネチハントマフスハスナワチマコトノホフシントマフス仏性ナリシルベシ コノボムブハコノセカイニシテサトラズ候ヘバタリキヲタノミマイラセテアンラクジヤウドニシテサトルベシトナリ

涅槃ねちはんを仏性となづけたり

凡ぼむ地ぢにしてはさとられず

ボムブノヰドコロ

安養あんやうにいたりて証しようすべし

(92)

歓くわん喜ぎ信心無疑むぎ者しやおば

与よ諸しよ如来によらい等とうととく

大信心は仏性なり

ワレラガミダノホングワンタリキヲシンジタルヲダイシンジムトイフ ムジヤウボダイニイタルヲダイシントイフナリ

仏性すなわち如来なり

(930386)

衆生有うげのさとりにて

サワリアルサトリニテ

无むげの仏ぶち智ちをうたがへば

サワリナキ

曽ぞう婆羅ばら頻びん陀羅だら地ぢ獄ごくにて

ムケンヂゴクノシユジヤウヲミテハアラタノシゲヤトミルナリ ブチポフヲソシリタルモノコノヂゴクニオチテハチマンゴフヂユス ダイクナウヲウク

多た劫こふ衆しゆ苦くにしづむなり

已上諸経意

 

現世の利り益やく◗の和讃 十五首

ヤワラゲホメ

(940387)

«東方ヤクシ南方クヱカイ西方ムリヤウジユブチ北方ニシヤカノトキタマフ»

阿弥陀如来来化らいくゑして

キタリクヱシタマフアハレミタマフナリ

息災そくさい延命えんめいのためにとて

ワザワイ反

ノブ

イノチ

¬金こむ光明くわうみやう¼の「寿いゆ量りやう品ほむ」

«四クワンノキヤウ也 コレヲサイシヨウワウキヤウトイフ 十巻也»

ときおきたまへるみのりなり

(95)

山さん家げの伝教でんげう大師は

ヒエノヤマナリ

国こく土ど人民にんみんをあわれみて

七難なん消滅せうめちの誦文じゆもんには

キエホロブ

ソラニウカベヨムヲジユトイフ

南无阿弥陀仏ととなえしむ

(960388)

一切の功徳にすぐれたる

南无阿弥陀仏をとなふれば

三世ぜの重ぢう障しやうみなながら

かならず転てんじて軽きやう微みなり

スクナクナス反ヨクナス反

(97)

南无阿弥陀仏をとなふれば

この世の利り益やくきわもなし

流る転てん輪りん回ゑのつみきえて

定ぢやう業ごふ中夭ちうえうのぞこりぬ

(980389)

南无阿弥陀仏をとなふれば

梵王ぼむわう・帝たい釈しやく帰くゐ敬きやうす

テンノカミタチナリ

諸天善神ぜんじんことごとく

よるひるつねにまもるなり

(99)

南无阿弥陀仏をとなふれば

四天大王もろともに

よるひるつねにまもりつゝ

よろづの悪鬼をちかづけず

(1000390)

南无阿弥陀仏をとなふれば

堅牢けんらう地祇ぢぎは尊敬す

タウトミウヤマフ

コノヂニアルカミヂヨリシタナルカミヲケンラウヂギトイフ

かげとかたちとのごとくにて

よるひるつねにまもるなり

(101)

南无阿弥陀仏をとなふれば

難なん陀だ・跋難ばちなん大竜等

無量の竜神りうじん尊敬し

よるひるつねにまもるなり

(1020391)

南无阿弥陀仏をとなふれば

炎えむ魔ま法王ほふわう尊そん敬きやうす

タウトミウヤマフ

五道の冥官みやうくわんみなともに

よるひるつねにまもるなり

(103)

南无阿弥陀仏をとなふれば

他た化くゑ天てんの大魔ま王わう

釈迦牟尼仏のみまへにて

まもらむとこそちかひしか

(1070392)

天神じん・地祇ぢぎはことごとく

テンカミ

ヂノカミタチ

善鬼神となづけたり

これらの善神みなともに

念仏のひとをまもるなり

(108)

願力不思議の信心は

大菩提心なりければ

天地にみてる悪鬼神

みなことごとくおそるなり

(1040393)

南无阿弥陀仏をとなふれば

観くわん音おむ・勢せい至しはもろともに

恒沙ごうじや塵数ぢんじゆの菩ぼ薩さちと

イサゴノカズノゴトク

チリノカズノゴトク

かげのごとくにみにそへり

(105)

无光仏のひかりには

无む数しゆの阿弥陀ましまして

化仏くゑぶちおのおの无む数しゆの

光明くわうみやう无む量りやう无む辺へんなり

(1060394)

南无阿弥陀仏をとなふれば

十方无量の諸仏しよぶちは

百重ぢう千重ぢう囲ゐ繞ねうして

アマタ反

カコム反

メグル反

カサナル反

よろこびまもりたまふなり

已上現世利益

已上弥陀一百八首 釈親鸞作

 

¬首楞厳経¼によりて大勢至菩薩和讃したてまつる

(1090395)

勢至念仏円通えて

マドカニカヨフ

五十二菩薩もろともに

すなわち座ざよりたゝしめて

仏足ぶちそくを頂ちやう礼らいせしめつゝ

ホトケノミアシ

(110)

教主けうしゆ世せ尊そんにまふさしむ

シヤカニヨライナリ

往わう昔じやく恒ごう河が沙しや劫こふに

ムカシトイフ

仏よにいでたまへりき

无量光となづけたり

(1110396)

十二の如来あひつぎて

十二劫をへたまへり

最さい後ごの如来をなづけてぞ

超日月光とまふしける

(112)

超てう日月光このみには

念仏三昧おしえしむ

十方の如来は衆生を

一子しのごとくに憐念れんねむす

アワレミオボシメス

(1130397)

子この母はゝをおもふごとくにて

衆生仏ほとけを憶おくすれば

オモヒマイラストナリ

現前げんぜん当来たうらいとおからず

如来を拝見はいけんうたがはず

ミタテマツルナリ

(114)

染香人ぜむかうにんのそのみには

カウバシキカミニソメルガゴトシトイフ

香かう気けあるがごとくなり

カウバシキカノアルガゴトシト

これをすなはちなづけては

香かう光くわう荘しやう厳ごむとまふすなり

ネムブチハチヱナリ

(1150398)

われもと因いん地ぢにありしとき

念仏の心しむをもちてこそ

无生忍にんにはいりしかば

フタイノクラヰトマフスナリ カナラズホトケニナルベキミトナルトナリ

いまこの娑しや婆ば界かいにして

(116)

念仏のひとを摂せふしてこそ

浄土に帰くゐせしむるなり

大勢至菩薩の

大恩ふかく報ずべし

0399已上大勢至菩薩

源空聖人之御本地也

 

¬経¼言、

 「我われ本もと因地 にして   以◗て↢念仏◗の心◗を↡

 入い れり↢无生忍◗に↡  今いまコム於しオ ◗て↢此シ ◗の界カイ◗に↡

 摂 して↢念仏◗の人◗を↡ 帰 せしむるなりと↠於に↢浄土↡」