仏説無量寿経ぶっせつむりょうじゅきょう かん

そう*天竺てんじくの三蔵さんぞう*康僧鎧こうそうがいのやく

◎正宗分 衆生往生因  念仏往生

第11願成就

【22】ぶつなんげたまはく、 「それしゅじょうありて、 かのくにうまるるものは、 みなことごとく*正定しょうじょうじゅじゅうす。 ゆゑはいかん。 かの仏国ぶっこくのなかにはもろもろの*邪聚じゃじゅおよび*不定聚ふじょうじゅなければなり

仏告↢阿難↡。其有↢衆生↡、生↢彼国↡者、皆悉住↢於正定之聚↡。所以者何。彼仏国中、無↢諸邪聚及不定聚↡。

第17願成就

十方じっぽう恒沙ごうじゃ諸仏しょぶつ如来にょらいは、 みなともに無量寿仏むりょうじゅぶつじんどく不可思議ふかしぎなるを讃歎さんだんしたまふ

十方恒沙諸仏如来、皆共讃↢歎無量寿仏威神功徳、不可思議↡。

第18願成就

あらゆるしゅじょう、 そのみょうごうきて信心しんじんかんせんこと、 *ない一念いちねんせん。*しんこうしたまへり。 かのくにうまれんとがんずれば、 すなはちおうじょう*退たいてんじゅうせん。ただ*五逆ごぎゃく*ほうしょうぼうとをばのぞ」 と

正定の聚 正定しょうじょうじゅのこと。
邪聚 じゃじょうじゅのこと。
至心に回向したまへり 通常は 「至心に回向して」 と読む。 親鸞聖人は如来回向の義をあらわすために、 このように読みかえた。

諸有衆生、聞↢其名号↡、信心歓喜、乃至一念。至心迴向。願↠生↢彼国↡、即得↢往生↡、住↢不退転↡。唯除↢五逆誹謗正法↡。

◎正宗分 ○衆生往生因  三輩往生

第19願成就 第20願成就

【23】ぶつなんげたまはく、 「十方じっぽうかい諸天しょてん人民にんみん、 それこころいたしてかのくにうまれんとがんずることあらん。 おほよそ*三輩さんぱいあり

仏告↢阿難↡。十方世界諸天人民、其有↢至↠心願↟生↢彼国↡。凡有↢三輩↡。

上輩

それ上輩じょうはいといふは、 いえよくてて*沙門しゃもんとなり、 *だいしんおこして一向いっこうにもつぱら無量寿仏むりょうじゅぶつねんじたてまつり、 もろもろのどくしゅしてかのくにうまれんとがんぜん。 これらのしゅじょう寿いのちおわらんときにのぞんで、 無量寿仏むりょうじゅぶつは、 もろもろの大衆だいしゅとともにそのひとまえあらわれたまふ。 すなはちかのぶつしたがひてそのくにおうじょうす。 すなはち七宝しっぽうはなのなかより*ねん*化生けしょうして退たいてんじゅうせん。 智慧ちえ勇猛ゆうみょうにして神通じんずうざいならん。 このゆゑになん、 それしゅじょうありて、 こんにおいて無量寿仏むりょうじゅぶつたてまつらんとおもはば、 無上むじょうだいしんおこどく修行しゅぎょうしてかのくにうまれんとがんずべし」 と

其上輩者、捨↠家棄↠欲、而作↢沙門↡、発↢菩提心↡、一向専念↢無量寿仏↡、修↢諸功徳↡、願↠生↢彼国↡。此等衆生、臨↢寿終時↡、無量寿仏、与↢諸大衆↡、現↢其人前↡。即随↢彼仏↡、往↢生其国↡。便於↢七宝華中↡、自然化生、住↢不退転↡。智慧勇猛神通自在。是故阿難、其有↢衆生↡、欲↧於↢今世↡、見↦無量寿仏↥、応↧発↢無上菩提之心↡、修↢行功徳↡、願↞生↢彼国↡。

中輩

【24】ぶつなんかたりたまはく、 「それ中輩ちゅうはいといふは、 十方じっぽうかい諸天しょてん人民にんみん、 それこころいたしてかのくにうまれんとがんずることありて、 ぎょうじて沙門しゃもんとなりておおきにどくしゅすることあたはずといへども、 まさに無上むじょうだいしんおこして一向いっこうにもつぱら無量寿仏むりょうじゅぶつねんじたてまつるべし。 多少たしょうぜんしゅして、 *斎戒さいかい奉持ぶじし、 *塔像とうぞう起立きりゅうし、 沙門しゃもん飯食ぼんじきせしめ、 *ぞうとうともし、 さんこうきて、 これをもつて*こうしてかのくにうまれんとがんぜん。 そのひとおわりにのぞみて、 無量寿仏むりょうじゅぶつはそのしんげんしたまふ。 こうみょう相好そうごうはつぶさに*真仏しんぶつのごとし。 もろもろの大衆だいしゅとともにそのひとまえあらわれたまふ。 すなはち*ぶつしたがひてそのくにおうじょうして退たいてんじゅうせん。 どく智慧ちえは、 いで上輩じょうはいのもののごとくならん」 と

斎戒 はっ戒斎かいさいのこと。
塔像 堂塔と仏像。
 仏殿にかける絹の天蓋てんがい (かさ)。
真仏 上輩の臨終に現れる仏を指す。

仏語↢阿難↡。其中輩者、十方世界諸天人民、其有↢至↠心願↟生↢彼国↡。雖↠不↠能↧行作↢沙門↡、大修↦功徳↥、当↧発↢無上菩提之心↡、一向専念↦無量寿仏↥。多少修↠善、奉↢持斎戒↡、起↢立塔像↡、飯↢食沙門↡、懸↠繒然↠灯、散↠華焼↠香。以↠此迴向、願↠生↢彼国↡。其人臨↠終、無量寿仏、化↢現其身↡、光明相好、具如↢真仏↡。与↢諸大衆↡、現↢其人前↡。即随↢化仏↡、往↢生其国↡、住↢不退転↡。功徳智慧、次如↢上輩者↡也。

下輩

【25】ぶつなんげたまはく、 「それはいといふは、 十方じっぽうかい諸天しょてん人民にんみん、 それこころいたしてかのくにうまれんとほっすることありて、 たとひもろもろのどくをなすことあたはざれども、 まさに無上むじょうだいしんおこして一向いっこうこころをもつぱらにして、 ない十念じゅうねん無量寿仏むりょうじゅぶつねんじたてまつりて、 そのくにうまれんとがんずべし。 もし深法じんぼうきてかんしんぎょうわくしょうぜずして、 ない一念いちねん、 かのぶつねんじたてまつりて、 *至誠心しじょうしんをもつてそのくにうまれんとがnぜん。 このひとおわりにのぞんで、 ゆめのごとくにかのぶつたてまつりて、 またおうじょうどく智慧ちえは、 いで中輩ちゅうはいのもののごとくならん」 と

仏告↢阿難↡。其下輩者、十方世界諸天人民、其有↢至↠心欲↟生↢彼国↡。仮使不↠能↠作↢諸功徳↡、当↧発↢無上菩提之心↡、一向専↠意、乃至十念、念↢無量寿仏↡、願↞生↢其国↡。若聞↢法↡、歓喜信楽、不↠生↢疑惑↡、乃至一念、念↢於彼仏↡、以↢至誠心↡、願↠生↢其国↡。此人臨↠終、夢見↢彼仏↡、亦得↢往生↡。功徳智慧、次如↢中輩者↡也。

第17願成就

【26】ぶつなんげたまはく、 「無量寿仏むりょうじゅぶつじんきわまりなし。 十方じっぽうかいりょうへん不可思議ふかしぎ諸仏しょぶつ如来にょらい、 かれを*称歎しょうたんしたまはざることなし

称歎 ほめたたえること。

仏告↢阿難↡。無量寿仏威神無↠極。十方世界無量無辺不可思議諸仏如来、莫↠不↣称↢歎於彼↡。

聖衆往詣

東方とうぼう恒沙ごうじゃ仏国ぶっこくりょうしゅ諸菩薩衆しょぼさつしゅ、 みなことごとく無量寿仏むりょうじゅぶつみもと往詣おうげいして、 *恭敬くぎょうようしたてまつり、 もろもろのさつしょうもん大衆だいしゅおよぼさん。 *経法きょうぼう聴受ちょうじゅし、 *どうせんす。 南西北方なんざいほっぽう*ゆい上下じょうげ ˆの菩薩衆ぼさつしゅˇ、 またまたかくのごとし」 と

恭敬 つつしみ敬うこと。
経法 阿弥陀仏が説く教法。
道化を宣布す 阿弥陀仏の教法を、 十方衆生の人々に広く説きのべるという意。

東方恒沙仏国無量無数諸菩薩衆、皆悉往詣↢無量寿仏所↡、恭敬供養、及↢諸菩薩・声聞大衆↡。聴↢受経法↡、宣↢布道化↡。南西北方・四維・上下、亦復如↠是。

◎正宗分 ○衆生往生因  往覲偈

【27】そのときに、 そん、 しかもじゅきてのたまはく

爾時世尊、而説↠頌曰。

菩薩往覲

東方とうぼう諸仏しょぶつくに、 そのかず恒沙ごうじゃのごとし

東方諸仏国  其数如↢恒沙↡

かの菩薩衆ぼさつしゅいて*無量覚むりょうかくたてまつる

無量覚 阿弥陀仏のこと。 阿弥陀を無量、 仏を覚とする。 このじゅでは、 他に阿弥陀仏を最勝尊・無上尊・安養あんにょう仏等と表現している。

彼土菩薩衆  往覲↢無量覚↡

南西北なんざいほくゆい上下じょうげ ˆの仏国ぶっこくˇ、 またまたしかなり

南西北・四維・ 上下亦復然

かの菩薩衆ぼさつしゅいて無量覚むりょうかくたてまつる

彼土菩薩衆  往覲↢無量覚↡

一切いっさいのもろもろのさつ、 おのおのてん妙華みょうけ

一切諸菩薩  各齎↢天玅華・

宝香ほうこう*無価むげころもつて、 無量覚むりょうかくようしたてまつる

無価の衣 あたいがつけられないほど尊い衣。

宝香・無価衣↡ 供↢養無量覚↡

*咸然げんねんとしててんがくそうし、 和雅わげこえ*暢発ちょうほつして

咸然として みなともに。
暢発 明るくのびのびした音を出すこと。

咸然奏↢天楽↡ 暢↢発和雅音↡

最勝さいしょうそん*たんして、 無量覚むりょうかくようしたてまつる

歌歎 歌をうたってほめること。

歌↢歎最勝尊↡ 供↢養無量覚↡

ª神通じんずうとを*だつして、 *深法門じんほうもん遊入ゆにゅう

究達 究竟洞達。 きわめ尽すこと。
深法門に遊入し 深法門は甚深の法門で真理のこと。 遊入はさとること。 すなわち、 深い真理をさとること。

究↢達神通慧↡ 遊↢入法門↡

どくぞうそくして、 妙智みょうち*等倫とうりんなし

等倫 等しい者。

具↢足功徳蔵↡ 玅智無↢等倫↡

*にちけんらして、 しょうくも消除しょうじょしたまふº と

慧日 阿弥陀仏の智慧ちえの明らかなことを太陽に喩えた語。

慧日照↢世間↡ 消↢除生死雲↡

恭敬くぎょうしてめぐること*三帀さんぞうして、 無上尊むじょうそん稽首けいしゅしたてまつる

三帀 三周すること。

恭敬繞三帀  稽↢首無上尊↡

かの厳浄ごんじょうの、 微妙みみょうにして思議しぎしがたきを

見↣彼厳浄土  微玅難↢思議↡

よりて*無上心むじょうしんおこして、 わがくにもまたしからんとがん

無上心 この上なくすぐれた願心。

因発↢無上心↡ 願↢我国亦然↡

弥陀説法

ときおうじて無量尊むりょうそんみかおうごかし*欣笑ごんしょうおこしたまひ

応↠時無量尊  動↠容発↢欣笑↡

くちよりしゅひかりして、 あまねく十方国じっぽうこくらしたまふ

口出↢無数光↡ 徧照↢十方国↡

ひかりめぐらして*にょうすること、 三帀さんぞうして*いただきより

 頭。

迴↠光囲↢繞身↡ 三帀従↠頂入

一切いっさいてん人衆にんしゅやくしてみなかん

一切天人衆  踊躍皆歓喜

*だいかんおんぶくととの稽首けいしゅしてうて

大士観世音 かんおんさつのこと。

大士観世音  整↠服稽首問

ぶつにまうさく、 ªなんのえんありてかみたまふや。 やや、 しかなり。 ねがはくはこころきたまへº と

白↠仏何縁笑  唯然願説↠意

ˆぶつのˇ*梵声ぼんしょうはなほいかずちふるふがごとく、 *八音はっとんたえなるひびきを

梵声 清浄しょうじょうな仏の声。

梵声猶↢雷震↡ 八音暢↢玅響↡

ªまさにさつ*さずくべし。 いまかん。 なんぢあきらかに

当↠授↢菩薩記↡ 今説仁諦聴

十方じっぽうよりきたれる*正士しょうじ、 われことごとくかのがんれり

十方来正士  吾悉知↢彼願↡

厳浄ごんじょう志求しぐし、 *受決じゅけつしてまさにぶつとなるべし

受決して  (記別) を受けて。

志↢求厳浄土↡ 受↠決当↢作仏↡

一切いっさいほうは、 なほ*ゆめまぼろしひびきのごとしと覚了かくりょうすれども

夢幻響き 次々行の 「電・影」 と合せて五喩を出す。 すなわち、 あらゆる存在は因縁いんねんにより生ずるものであり、 実体がないことを、 夢・幻・こだま・いなずま・かげに喩える。

覚↣了一切法  猶如↢夢幻響↡

もろもろのたえなるねがい満足まんぞくして、 かならずかくのごときの*くにじょうぜん

 刹 (せつ) は梵語クシェートラ(kşetra)の音写。 国土・世界の意。ここでは阿弥陀仏の浄土のこと。

満↢足諸玅願↡ 必成↢如↠是刹↡

ほうでんようのごとしとれども、 さつどう究竟くきょう

知↣法如↢電影↡ 究↢竟菩薩道↡

もろもろのどくもとして、 受決じゅけつしてまさにぶつとなるべし

具↢諸功徳本↡ 受↠決当↢作仏↡

*諸法しょほうしょうは、 一切いっさい*くう*無我むがなりと通達つうだつすれども

諸法の性 あらゆる存在の本性。

通↢達諸法性  一切空無我↡

もつぱらきよぶつもとめて、 かならずかくのごときのくにじょうぜんº と

専求↢浄仏土↡ 必成↢如↠是刹↡

諸仏勧讃

諸仏しょぶつさつげて、 *安養仏あんにょうぶつせしむ

安養仏 阿弥陀仏のこと。

諸仏告↢菩薩↡ 令↠覲↢安養仏↡

ªほうきてねがひて*受行じゅぎょうして、 *清浄しょうじょうところ

受行 じゅ奉行ぶぎょう。 教えを受けて、 その通り行ずること。
清浄の処 次行の 「厳浄の国」 と同じく、 阿弥陀仏の浄土を指す。

聞↠法楽受行  疾得↢清浄処↡

かの厳浄ごんじょうくにいたらば、 すなはちすみやかに神通じんずう

至↢彼厳浄国↡ 便速得↢神通↡

かならず無量尊むりょうそんにおいて、 けて*等覚とうがくらん

必於↢無量尊↡ 受↠記成↢等覚↡

(第17願成就・破地獄の文)

そのぶつ本願力ほんがんりきみなきておうじょうせんとおもへば

其仏本願力  聞↠名欲↢往生↡

みなことごとくかのくにいたりて、 おのづから退たいてんいた

皆悉到↢彼国↡ 自致↢不退転↡

さつ*がんおこして、 おのれがくにことなることなからんとねが

至願 真実の願い。

菩薩興↢至願↡ 願↢己国無↟異

あまねく一切いっさいせんとねんじ、 あらわれて十方じっぽうたっせん

暜念↠度↢一切↡ 名顕達↢十方↡

おく如来にょらい奉事ぶじするに、 飛化ひけしてもろもろのくにへん

奉↢事億如来↡ 飛化徧↢諸刹↡

恭敬くぎょうかんしてり、 かえりて安養国あんにょうこくいた

恭敬歓喜去  還到↢安養国↡

釈迦勧讃

もしひと善本ぜんぽんなければ、 このきょうくことを

若人無↢善本↡ 不↠得↠聞↢此経↡

清浄しょうじょうかいたもてるもの、 いまししょうぼうくことを

清浄有↠戒者  乃獲↠聞↢正法↡

曽更むかし*そんたてまつりしものは、 すなはちよく*このしん

世尊 諸仏のこと。
この事 阿弥陀仏の本願を指す。

曽見↢世尊↡ 則能信↢此事↡

*謙敬けんきょうにして*きて奉行ぶぎょうし、 やくしておおきにかん

謙敬 わが身をへりくだり、 法を敬信すること。
聞きて奉行し 聞いた教えのままに行じて。

謙敬聞奉行  踊躍大歓喜

憍慢きょうまん*へい*だいとは、 もつて*このほうしんずることかた

 邪見のこと。
この法 阿弥陀仏の本願を指す。

憍慢弊懈怠  難↣以信↢此法↡

*宿世しゅくせ諸仏しょぶつたてまつりしものは、 このんでかくのごときのきょうかん

宿世見↢諸仏↡ 楽聴↢如↠是教↡

所信深広

しょうもんあるいはさつ、 よく*聖心しょうしんきわむることなし

聖心 仏のさとりの心。

声聞或菩薩  莫↣能究↢聖心↡

*たとへばうまれてよりめしひたるものの、 いてひと*開導かいどうせんとおもはんがごとし

たとへば… →補註14
開導 手引きすること。

譬如↤従↠生盲 欲↣行開↢導人↡

如来にょらい智慧ちえかいは、 深広じんこうにして涯底がいたいなし

如来智慧海  広無↢涯底↡

*二乗にじょうはかるところにあらず。 ただぶつのみひとりあきらかにさとりたまへり

二乗 声聞と菩薩を指す。

二乗非↠所↠測 唯仏独明了

たとひ一切いっさいひとそくしてみなどう

仮使一切人  具足皆得↠道

浄慧じょうえ*本空ほんくうり、 億劫おくこうぶっおも

本空 本来皆空。 あらゆる存在は因縁いんねんにより生じたもので、 その本性は空(実体のないこと)であるという道理。

浄慧知↢本空↡ 億劫思↢仏智↡

ちからきわめ、 *講説こうせつきわめて、 寿いのちつくすとも、 なほらじ

講説 説き明かすこと。

竆↠力極講説  尽↠寿猶不↠知↣

ぶっ辺際へんざいなくして、 かくのごとく清浄しょうじょういた

仏慧無↢辺際↡ 如↠是致↢清浄↡

結勧

寿命じゅみょうはなはだがたく、 *ぶっまたもうあひがたし

仏世 仏が出現している時。

寿命甚難↠得  仏世亦難↠値

ひと*信慧しんねあることかたし。 もし ˆほうをˇ かば精進しょうじんしてもとめよ

信慧 信心の智慧ちえ

人有↢信慧↡難 若聞精進求

ほうきてよくわすれず、 *うやまおおきによろこばば

見て…慶ばば 見は聞見のこと。 みょうごうのいわれを聞きひらき、 信を得て法を敬い深く心によろこべば。

聞↠法能不↠忘 見敬得大慶

すなはちわがしんなり。 このゆゑにまさに*こころおこすべし

意を発す だいしんをおこす。

則我善親友  是故当↠発↠意

たとひかいてらんをも、 かならずぎてもとめてほうかば

設満↢世界↡火 必過要聞↠法

かならずまさに仏道ぶつどうじょうじて、 ひろ*しょうながれすくふべしº」 と

生死の流 てんりんしている迷いの世界を指す。

会当↧成↢仏道↡ 広済↦生死流↥

◎正宗分 衆生往生果  聖衆果徳

一生補処 第22願成就

【28】ぶつなんげたまはく、 「かのくにさつは、 みなまさに*一生いっしょうしょ究竟くきょうすべし。 その本願ほんがんしゅじょうのためのゆゑに、 ぜいどくをもつてみづから荘厳しょうごんして、 あまねく一切いっさいしゅじょう*だつせんとおもふをばのぞ

度脱 さいに同じ。 迷いの世界からさとりの世界へ導き入れること。

仏告↢阿難↡。彼国菩薩、皆当↣究↢竟一生補処↡。除↫其本願為↢衆生↡故、以↢弘誓功徳↡、而自荘厳、暜欲↪度↩脱一切衆生↨。

なん、 かの仏国ぶっこくのなかのもろもろの声聞衆しょうもんしゅ身光しんこう*一尋いちじんなり。 さつこうみょうひゃく*由旬ゆじゅんらす

一尋 尋は長さの単位。 両手を左右に広げた時の長さを一尋とする。

阿難、彼仏国中諸声聞衆、身光一尋。菩薩光明、照↢百由旬↡。

観音勢至

ふたりのさつありて最尊さいそん第一だいいちなり。 じんこうみょうはあまねく三千大千さんぜんだいせんかいらす」 と。 なんぶつにまうさく、 「かのふたりのさつ、 そのいかん」 と。 ぶつのたまはく、 「ひとりをば*かんおんと名づけ、 ふたりをば*だいせいづく。 このふたりのさつは、 このこくにおいてさつぎょうしゅして、 いのちおわりて*てんしてかの仏国ぶっこくうまれたまへり

転化 しゃ世界の身を転じて、 浄土へ化生けしょうすること。

有↢二菩薩↡、最尊第一。威神光明、暜照↢三千大千世界↡。阿難白↠仏。彼二菩薩、其号云何。仏言。一名↢観世音↡、二名↢大勢至↡。是二菩薩、於↢此国土↡、修↢菩薩行↡、命終転化、生↢彼仏国↡。

第21願成就

なん、 それしゅじょうありて、 かのくにうまるるものは、 みなことごとく*さんじゅうそうそく

阿難、其有↢衆生↡、生↢彼国↡者、皆悉具↢足三十二相↡。

第41願成就

智慧ちえ成満じょうまんしてふか諸法しょほうり、 *要妙ようみょう究暢くちょうし、 神通じんずう無礙むげにして*諸根しょこん明利みょうりなり

要妙を究暢し 経典の本旨を究め尽し、 通達すること。
諸根明利 げんぜつしん六根ろっこんが明朗で利発であること。 六神通ろくじんずうを得て自在であることをいう。

智慧成満、入↢諸法↡、究↢暢要玅↡、神通無礙、諸根明利。

第48願成就

その鈍根どんこんのものは*にん成就じょうじゅし、 そのこんのものは不可計ふかけ*しょう法忍ぼうにん

二忍 三法さんぼうにんの中の音響忍おんこうにん柔順忍にゅうじゅんにんの二つ。

其鈍根者成↢就二忍↡、其利根者得↢不可計無生法忍↡。

第2願成就

またかのさつない成仏じょうぶつまで*悪趣あくしゅかえらず

又彼菩薩、乃至成仏、不↠↢悪趣↡。

第5願成就

神通じんずうざいにしてつねに*宿命しゅくみょうさとる。 ほう*五濁ごじょくあくしょうじて、 げんして*かれにどうずること、 *わがくにのごとくなるをばのぞく」 と

宿命 過去世の境涯。
かれに同ずること 五濁の悪世間の人々と同じ相をとること。
わが国のごとくなる 釈尊みずからがこの娑婆世界に応化して、 しゅじょう済度するのと同じであるという意。

神通自在、常識↢宿命↡。除↧生↢他方五濁悪世↡、示現同↠彼、如↦我国↥也。

◎正宗分 ○衆生往生果  諸仏供養

第23願成就 第9願成就

 ぶつなんげたまはく、 「かのくにさつは、 ぶつじん ˆりきˇ をけて、 一食いちじきのあひだに十方じっぽうりょうかい往詣おうげいして、 諸仏しょぶつそん恭敬くぎょうようしたてまつらん

仏告↢阿難↡。彼国菩薩、承↢仏威神↡、一食之頃、往↢詣十方無量世界↡、恭↢敬供↣養諸仏世尊↡。

第24願成就

こころ所念しょねんしたがひて、 こうがく繒蓋ぞうがい幢幡どうばんしゅりょうようねん化生けしょうしてねんおうじてすなはちいたらん。 珍妙ちんみょう殊特しゅどくにして、 しょにあらず。 すなはちもつてもろもろのぶつさつしょうもん大衆だいしゅ*さんせん。 ˆ散ぜし華はˇ くうのなかにありて、 して*がいとなる。 光色こうしき*昱爍いくしゃくして、 こうあまねくくんず。 そのはな周円しゅうえんひゃくなるものあり。 かくのごとく*うたたばいしてすなはち三千さんぜん大千だいせんかいおおへり。 その*ぜんしたがひて、 いでをもつてもつ

奉散 献上して散らすこと。
昱爍して 昱は輝くこと、 爍は火の光。 火の光のように輝いて。
うたた倍して 次第に増大して。
前後に… 現れた順序に従って、先のものから次々に消えるという意。

随↢心所念↡、華香・伎楽・繒葢・幢幡、無数無量供養之具、自然化生、応↠念即至。珍玅殊特、非↢世所有↡。輒以奉↢散諸仏・菩薩・声聞大衆↡。在↢虚空中↡、化成↢華葢↡。光色昱爍、香気暜熏。其華周円四百里者。如↠是転倍、乃覆↢三千大千世界↡。随↢其前後↡以↠次化没。

聞法歓喜

そのもろもろのさつ*僉然せんねんとして欣悦ごんえつす。 くうのなかにおいてともにてんがくそうし、 微妙みみょうこえをもつて仏徳ぶっとくたんす。 経法きょうぼう聴受ちょうじゅしてかんすることりょうなり。 ぶつようしたてまつることおわりていまだじきせざるのさきに、 *忽然こつねんとして*軽挙きょうこしてその*本国ほんごくかえる」 と

僉然として みなともに。
忽然として たちまちに。
軽挙 神通力じんずうりきによって身軽く飛ぶこと。
本国 阿弥陀仏の浄土を指す。

其諸菩薩、僉然欣悦、於↢虚空中↡、共奏↢天楽↡、以↢微玅音↡、歌↢歎仏徳↡、聴↢受経法↡、歓喜無量。供↢養仏↡已、未↠食之前、忽然軽挙、還↢其本国↡。

◎正宗分 ○衆生往生果  聞法供養

第46願成就

【29】ぶつなんかたりたまはく、 「無量寿仏むりょうじゅぶつ、 もろもろのしょうもんさつ大衆だいしゅのためにほう*班宣はんせんしたまふとき、 すべてことごとく七宝しっぽう講堂こうどう集会しゅうえして、 ひろ*道教どうきょう妙法みょうほう*演暢えんちょうしたまふに、 ˆ聞くものˇ かんし、 こころさとり、 どうざることなし

班宣 班は分かつの意で、 仏が相手の能力に応じて、 法を分けのべること。
道教 仏道の教え。

仏語↢阿難↡。無量寿仏、為↢諸声聞・菩薩大衆↡、班↢宣法↡時、都悉集↢会七宝講堂↡。広宣↢道教↡、演↢暢玅法↡、莫↠不↢歓喜心解得道↡。

そくほうよりねんかぜおこりて、 あまねく宝樹ほうじゅくに、 *いつつの音声おんじょういだし、 りょう妙華みょうけあめふらす。 かぜしたがひて周遍しゅうへんしてねんようすること、 かくのごとくしてえず。 一切いっさい諸天しょてん、 みな天上てんじょう百千ひゃくせんこう万種まんじゅがくつて、 そのぶつおよびもろもろのさつしょうもん大衆だいしゅようしたてまつる。 あまねくこうさんじ、 もろもろの音楽おんがくそうし、 ぜん来往らいおうして、 かはるがはるあひ*かいす。 このときあたりて ˆ大衆だいしゅのˇ *熙怡きいらくすること、 げていふべからず」 と

五つの音声 きゅうしょうかくの五音階。
開避 道をゆずること。
熙怡快楽 心身ともにやわらぎよろこぶこと。

即時四方自然風起、暜吹↢宝樹↡出↢五音声↡、雨↢無量玅華↡、随↠風周徧。自然供養、如↠是不↠絶。一切諸天、皆齎↢天上百千華香、万種伎楽↡、供↢養其仏及諸菩薩・声聞大衆↡。暜散↢華香↡、奏↢諸音楽↡、前後来往、相開避。当↢斯之時↡、熙怡快楽、不↠可↢勝言↡。

◎正宗分 ○衆生往生果  説法自在

一切智徳 第25願成就

【30】ぶつなんかたりたまはく、 「かの仏国ぶっこくうまるるもろもろの菩薩等ぼさつとうは、 *講説こうせつすべきところにはつねにしょうぼうべ、 智慧ちえ随順ずいじゅんしてなくしつなし

講説 教えを説きのべること。

仏語↢阿難↡。生↢彼仏国↡諸菩薩等、所↠可↢講説↡常宣↢正法↡、随↢順智慧↡無↠違無↠失。

不著万物 第10願成就

そのこくのあらゆる万物まんもつにおいてしょしんなく、 染着ぜんじゃくしんなし。 くもかえるも、 すすむもとどまるも、 じょうくるところなく、 こころしたがひてざいにして*適莫ちゃくまくするところなし。 なくなく、 きょうなくじゅなし

適莫 適は親、 莫は疎の意で、 救済すべきしゅじょうに対して、 親疎のへだて心をもつこと。

於↢其国土所有万物↡、無↢我所心↡、無↢染著心↡。去来進止、情無↠所↠係、随意自在、無↠所↢適莫↡。無↠彼無↠我、無↠競無↠訟。

衆生悲済

もろもろのしゅじょうにおいてだい慈悲じひ*饒益にょうやくしんたり。 *柔軟にゅうなん調伏じょうぶくにして*忿恨ふんごんしんなく、 *がい清浄しょうじょうにして*厭怠えんだいしんなし。 *とうしん勝心しょうしん深心じんしん定心じょうしん*愛法あいほう楽法ぎょうほうほうしんのみなり。 もろもろの煩悩ぼんのうめっして悪趣あくしゅしんはなる。 一切いっさいさつ所行しょぎょう究竟くきょうして、 りょうどくそく成就じょうじゅせり。 ふか禅定ぜんじょうともろもろの*通明慧つうみょうえて、 こころざし*七覚しちかくあそばしめ、 こころ仏法ぶっぽうしゅ

饒益 他をやくすること。
柔軟調伏 心をやわらかく保ち、 自制すること。
離蓋 真実を覆う煩悩ぼんのう (蓋) を離れること。
等心勝心深心定心 衆生を平等に救う心・志願のすぐれた心・慈悲深い心・精神が統一された静かな境地の心。
愛法楽法喜法の心 仏法を愛楽あいぎょうし歓喜する心。
通明慧 通は六神通ろくじんずう、 明は三明さんみょうのこと、 慧はその六神通と三明を貫く智慧ちえのこと。
七覚 →しち菩提分ぼだいぶん

於↢諸衆生↡、得↢大慈悲饒益之心↡。柔輭調伏、無↢忿恨心↡、離葢清浄、無↢厭怠心↡。等心・勝心・心・定心・愛法・楽法・喜法之心。滅↢諸煩悩↡、離↢悪趣心↡。究↢竟一切菩薩所行↡、具↢足成↣就無量功徳↡。得↢禅定、諸通明慧↡、遊↢志七覚↡、修↢心仏法↡。

五眼具足 第6願成就

*肉眼にくげん清徹しょうてつにして分了ふんりょうならざることなし。 天眼てんげん通達つうだつしてりょうげんなり。 法眼ほうげん観察かんざつして諸道しょどう究竟くきょうす。 げんしんてよくがんす。 仏眼ぶつげんそくしてほっしょう覚了かくりょう

肉眼… →五眼ごげん

肉眼清徹、靡↠不↢分了↡。天眼通達、無量無限。法眼観察、究↢竟諸道↡。慧眼見↠真、能度↢彼岸↡。仏眼具足、覚↢了法性↡。

智弁無礙 第29願成就

*無礙むげをもつてひとのために ˆほうをˇ 演説えんぜつす。 ひとしく三界さんがいくうしょなるをかんじて仏法ぶっぽう志求しぐし、 もろもろの弁才べんざいしてしゅじょう煩悩ぼんのううれへを除滅じょめつす。 *にょより来生らいしょうしてほう如々にょにょさとり、 よく*習滅じゅうめつ音声おんじょう方便ほうべんりて*世語せごねがはず、 ねが正論しょうろんにあり

無碍の智 →四無碍智しむげち
如より来生して… 真如しんにょをさとったものが、 そのさとりの境地を人々に正しく解説するという意。
習滅の音声の方便 善を習い悪を滅する教誡 (音声) をしゅじょうに会得させる種々の手だて。
世語 仏道修行にとって利益にならない世間の俗論。

以↢無礙智↡、為↠人演説。等観↢三界↡空無↢所有↡。志↢求仏法↡、具↢諸弁才↡、除↢滅衆生煩悩之患↡。従↠如来生、解↢法如如↡、善知↢習滅音声方便↡、不↠欣↢世語↡、楽在↢正論↡。

真俗双融

もろもろの善本ぜんぽんしゅして、 こころざし仏道ぶつどうあがむ。 一切いっさいほうはみなことごとくじゃくめつなりとりて、 *生身しょうじん煩悩ぼんのう*二余によともにつくせり。 甚深じんじんほうきてこころ疑懼ぎくせず、 つねによく修行しゅぎょうす。 そのだい深遠じんのん微妙みみょうにして*さいせずといふことなし。 *一乗いちじょう究竟くきょうして ˆしゅじょうをˇ がんいたらしむ。 もう決断けつだんして、 しんによりてづ。 *ぶつ教法きょうぼうにおいてかいしてほかなし。 ˆじょうさつのˇ 智慧ちえ大海だいかいのごとく、 三昧さんまい*山王せんのうのごとし。 こう明浄みょうじょうにして日月にちがつ超踰ちょうゆせり

生身煩悩 迷いの果としての肉体と、 迷いの因としての煩悩。
二余 生身の苦しみと煩悩との二つの余習。
覆載せずといふことなし 仏の大悲は、 天が一切万物を差別なく覆い、 地が残すことなく載せるように、 しゅじょうに対してわけへだてしないという意。
仏の教法… 仏教のすべてに精通していて余すところがない。
山王 しゅせんのこと。

修↢諸善本↡、志崇↢仏道↡。知↢一切法皆悉寂滅↡、生身・煩悩、二余倶尽。聞↢甚法↡、心不↢疑懼↡、常能修↢行其大悲↡者。遠微玅靡↠不↢覆載↡、究↢竟一乗↡至↢于彼岸↡、決↢断疑網↡、慧由↠心出。於↢仏教法↡、該羅無↠外。智慧如↢大海↡、三昧如↢山王↡。慧光明浄、超↢踰日月↡。

譬説総嘆

*清白しょうびゃくほうそく円満えんまんすること、 なほ*雪山せっせんのごとし、 もろもろのどくらすこと等一とういつにしてきよきがゆゑに。 なほだいのごとし、 浄穢じょうえ好悪こうあく*しんなきがゆゑに。 なほ浄水じょうすいのごとし、 *塵労じんろうもろもろの*ぜん洗除せんじょするがゆゑに。 なほ*おうのごとし、 一切いっさい煩悩ぼんのうたきぎ焼滅しょうめつするがゆゑに。 なほ大風だいふうのごとし、 もろもろのかいぎょうずるに障礙しょうげなきがゆゑに。 なほくうのごとし、 *一切いっさいにおいて所着しょじゃくなきがゆゑに。 なほれんのごとし、 もろもろのけんにおいてぜんなきがゆゑに。 なほ*大乗だいじょうのごとし、 群萌ぐんもう運載うんさいしてしょういだすがゆゑに。 なほ重雲じゅううんのごとし、 大法だいほういかずちふるひてかくかくせしむるがゆゑに。 なほだいのごとし、 かんほうあめふらしてしゅじょううるおすがゆゑに。 *金剛山こんごうせんのごとし、 しゅどううごかすことあたはざるがゆゑに。 梵天王ぼんてんのうのごとし、 もろもろの善法ぜんぼうにおいて最上首さいじょうしゅなるがゆゑに。 *尼拘にく類樹るいじゅのごとし、 あまねく一切いっさいおおふがゆゑに。 *どんのごとし、 希有けうにしてもうあひがたきがゆゑに。 *こんちょうのごとし、 どう威伏いぶくするがゆゑに。 もろもろのきんのごとし、 *蔵積ぞうしゃくするところなきがゆゑに。 なほおうのごとし、 よくつものなきがゆゑに。 なほ象王ぞうおうのごとし、 よく調伏じょうぶくするがゆゑに。 獅子ししおうのごとし、 おそるるところなきがゆゑに。 ひろきことくうのごとし、 だいひとしきがゆゑに

清白の法 清浄潔白な無漏むろ (煩悩ぼんのうのない状態) の善法ぜんぼう
異心 わけへだてする心。
塵労 心を疲れさせるものの意。 煩悩の異名。
垢染 心を汚し染めるはたらき。 煩悩のこと。
火王 盛んに燃える火。
一切の有 あらゆる存在。
大乗 大きな乗物。
金剛山 鉄囲山てっちせんのこと。 →しゅせん
尼拘類樹 尼拘類は梵語ニヤグローダ (nyagrodha) の音写。 縦広樹・縦横樹等と漢訳する。 バニヤン樹。 炎日を避けるのに適した樹蔭をつくる。
優曇鉢華 →どん
金翅鳥 八部衆のうちの楼羅るらのこと。 竜を食べる怪鳥。
蔵積するところなき 遊禽 (小鳥) は食べ物をたくわえない、すなわち足ることを知って欲を離れているという意。

清白之法、具足円満。猶如↢雪山↡、照↢諸功徳↡、等一浄故。猶如↢大地↡、浄穢好悪、無↢異心↡故。猶如↢浄水↡、洗↢除塵労諸垢染↡故。猶如↢火王↡、焼↢滅一切煩悩薪↡故。猶如↢大風↡、行↢諸世界↡、無↢障礙↡故。猶如↢虚空↡、於↢一切有↡、無↢所著↡故。猶如↢蓮華↡、於↢諸世間↡、無↢汙染↡故。猶如↢大乗↡、運↢載羣萌↡、出↢生死↡故。猶如↢重雲↡、震↢大法雷↡、覚↢未覚↡故。猶如↢大雨↡、雨↢甘露法↡、潤↢衆生↡故。如↢金剛山↡、衆魔外道、不↠能↠動故。如↢梵天王↡、於↢諸善法↡最上首故。如↢尼拘類樹↡、暜覆↢一切↡故。如↢優曇盋華↡、希有難↠遇故。如↢金翅鳥↡、威↢伏外道↡故。如↢衆遊禽↡、無↠所↢蔵積↡故。猶如↢牛王↡、無↢能勝↡故。猶如↢象王↡、善調伏故。如↢師子王↡、無↠所↠畏故。曠若↢虚空↡、大慈等故。

説法徳

ˆさつはˇ 嫉心しっしん摧滅さいめつす、 まされるをそねまざるがゆゑに。 もつぱらほうねがもとめて、 しん*厭足えんそくなし。 つねに広説こうせつおもひて、 こころざしけんなし。 ほうち、 法幢ほうどうて、 にちかがやかし、 *あんのぞく。 *六和敬ろくわきょうしゅしてつねにほうぎょうず。 ゆう精進しょうじんにしてしん退弱たいにゃくせず。 灯明とうみょうとなりて最勝さいしょう*福田ふくでんなり。 つねにどうとなり、 ひとしくして憎愛ぞうあいなし。 ただ正道しょうどうねがひて*欣戚ごんしゃくなし。 もろもろの*よくとげいてもつて群生ぐんじょうやすんず。 *功慧くえ殊勝しゅしょうにして尊敬そんきょうせられざることなし

厭足 あき足りること。
痴闇 愚痴ぐち (真理に対する無知) を闇に喩えた語。
福田 福徳ふくとくを生ずる田の意。 仏や菩薩等を敬いようすれば、 田地に穀物が生ずるように福徳を生み出すから、 これを指して福田という。
欣戚 欣は喜び、戚は憂い。
欲の刺 貪欲とんよく煩悩ぼんのう
功慧 どく智慧ちえ

摧↢滅嫉心↡、不↠忌↠勝故。専楽↢求法↡、心無↢厭足↡、常欲↢広説↡、志無↢疲倦↡。撃↢法鼓↡、建↢法幢↡、曜↢慧日↡、除↢痴闇↡。修↢六和敬↡、常行↢法施↡。志勇精進、心不↢退弱↡。為↢世灯明↡、最勝福田。常為↢導師↡、等無↢憎愛↡。唯楽↢正道↡、無↢余欣戚↡。抜↢諸欲刺↡、以安↢羣生↡。功慧殊勝、莫↠不↢尊敬↡。

威力具足

さんさわりめっし、 もろもろの神通じんずうあそぶ。 *因力いんりき*縁力えんりき*りき*願力がんりき*方便ほうべんちから*常力じょうりき*善力ぜんりき*定力じょうりき*りき*もんちから*かい忍辱にんにく精進しょうじん禅定ぜんじょう智慧ちえちから*正念しょうねん正観しょうかん・もろもろの通明つうみょうちからほうのごとくもろもろのしゅじょう調伏じょうぶくするちから、 かくのごときらのちから一切いっさいそくせり

因力 直接の原因となる業の力。 ここでは過去に修めた善根ぜんごん力の意。
縁力 因を育てて果を結ばせる間接的な力。 ここでは諸仏・ぜんしきの教導の力を指す。
意力 さとりを求める意志力。
願力 しゅじょう救済を願う力。
方便の力 修行のことを方便という場合と衆生救済の手段を方便という場合とがある。
常力 常に怠ることなく修行する力。
善力 悪をなさず善をなす力。
定力 精神統一によって得る力。
慧力 智慧の力。
多聞の力 多くの教えを聞いて心にさとった力。
正念正観…通明の力 正しく教法を念ずる力と真実の道理を正しく見る力、 および六神通ろくじんずう三明さんみょうの力。

滅↢三垢障↡、遊↢諸神通↡。因力・縁力・意力・願力・方便之力、常力・善力・定力・慧力・多聞之力、施・戒・忍辱・精進・禅定・智慧之力、正念・正観・諸通明力、如↠法調↢伏諸衆生↡力、如↠是等力、一切具足。

結嘆

身色しんじき相好そうごうどく弁才べんざいそく荘厳しょうごんして、 ともにひとしきものなし。 りょう諸仏しょぶつ恭敬くぎょう